応援メッセージ

長崎大学長  片峰 茂

 長崎大学文教キャンパスに新しいシンボルが誕生した。教養教育棟と教育学部棟の間の広場に立つ“風の中で”と題する青銅像である。風の中で、顔を上げ両手を拡げ、前に向かって歩もうとする乙女の姿が表現されている。男女共同参画をとりわけ意識したわけではないが、結果として、50年以上にわたって正門に佇み続ける男性の“若人の像”と、格好のバランスとなった。

 製作者の佐藤敬助教授によると、このようなモニュメントは、様々な人々との無言の会話を通して、長い年月をかけ、その空間に調和しシンボルとして定着していくのだそうである。これから、“風の中で”は、時を超えて多くの学生、とりわけ女子学生たちに、様々の言葉を語りかけることになる。そして、彼女らが夢や志を育むための縁(よすが)として、キャンパスに定着してほしいものである。

 これからの日本社会の持続可能性が、女性の進出と活躍にかかっていることは間違いない。これまでの、男を立てる奥ゆかしさと謙譲の美徳で表現される古典的女性像を脱け出し、最先端で輝くことのできる女性人材をいかに多く育てることができるか。大学に課せられた最大のミッションの一つである。さまざまな逆風をしなやかに乗り越え、前に進みつづける、たくましく、そして美しく輝く女性職業人たちこそが、地域の創生やこの国の未来創造のカギを握っている。

 あじさいプロジェクトへの期待はきわめて大きい。



“風の中で”

長崎大学病院長  増﨑 英明

 人にとって仕事と生活は人生の大きな部分を占めています。少子高齢化と経済の低迷、また東日本大震災など未曾有の危機に対して、私たちは前を向いてしっかり協力し合い前進して行かなくてはなりません。そこには将来を託する子供を育て、また頼れる社会を築くためにも高齢者を支援するためにワークライフバランス、すなわち仕事と生活の調和を目指すシステム作りが不可欠です。

 2012年に発足したメディカル・ワークライフバランスセンターも、早や4年目を迎えました。この間、女性の職場と家庭の両立に向けて多くの成果をあげてきました。安倍内閣は政権発足に当たって「女性が輝く日本」を最重要課題として挙げました。私たち長崎大学病院は、すでにメディカル・ワークライフバランスセンターが中心になって女性の育休取得や職場復帰を推進しています。たとえば、6か月以上の育児休業を取得した女性医師、あるいは2週間以上の育児休業を取得した男性医師のいる医局にはインセンティブを与えることを真剣に検討しています。日本は今、少子化対策が急務です。女性の年齢別就業率を国別で比較すると、日本では20代より30代の就業率が落ち込みます。これは出産、育児に専念するために職を離れる人が多いからです。では、そのような国ほど子供が多く家庭が充実しているのかといえばそうではなく、日本と同じように30代の就業率が20代より落ち込む国ほど合計特殊出生率は低い傾向があります。

 人生は働くことだけが全てではないし、子供を産み育てることだけが全てでもありません。大事なのは「バランス」です。各人にとっての最適なバランスを探ること、メディカル・ワークライフバランスセンターはこれからも「ワーク」「ライフ」バランスを考え、みなさんの人生の「ビジョン」を応援します。

長崎大学ダイバーシティ推進センター長 伊東昌子

 平成26年4月から長崎大学ダイバーシティ推進センター センター長(教授 / 副学長)に就任し、長崎大学全学においてダイバーシティ・マネジメントをすすめていくという責務を背負っております。同時に、メディカル・ワークライフバランスセンター長の業務も継続しておりますので、2つのセンターの活動をうまく連携させながら、仕事と生活の両立を支援するととともに、女性の活躍促進に尽力して参りたいと思います。
 女性の活躍推進には、「両立支援」だけでなく「均等施策」も同時に行われることが必要です。両立支援だけを充実させ、均等施策がなければ、女性の就労は定着しても、上位職で活躍する女性はなかなか育成できません。その逆で、均等施策だけを充実させると、スーパーウーマンが管理職として活躍する一方、子育てなどのライフイベントで両立が厳しい環境にある女性は離職してしまいます。

 長崎大学では、両立支援と均等施策の両面から、女性職員を支えていくつもりです。男性職員には、そうした状況への理解を深めることで、ともに仕事・研究をすすめる同僚・パートナーの役割を果たしていただきたいと考えますし、女性が一歩前へ踏み出すところを、温かく見守りそっと背中を押してくれるよき理解者・パートナーであってほしいとも思います。
男性も女性も、ともにさらなるキャリアを形成していただくよう願って、男女共同参画をすすめていきたいと考えています。

 

長崎県医師会会長 蒔本 恭

 長崎の医療の充実のためにも子育て中の医師を支えようという取組みの一環として、2014年4月に「長崎県医師会保育サポートシステム」が発足しました。同年6月から本格的に活動を開始し、利用者である医師、支え手である市民の皆さんへの周知を図っているところです。5月、9月、2回の研修会や新聞紙上への掲載などを経て市民サポーターは10月現在で60名ほどになり、医師の多様なリクエストにも対応できる状態に近づいてきました。市民の皆さんの「医師を支えたい」という温かい気持ちが感じられます。

 その市民の「意欲」を実際に「支援」という形にして医師に届ける上で、長崎大学病院メディカル・ワークライフバランスセンターの果たす役割は重要です。医師の具体的なニーズの把握やサポーター情報の適切な提供のおかげで、細やかな配慮をしながらのスピーディーな斡旋が可能になります。長崎大学病院メディカル・ワークライフバランスセンターと県医師会とのコラボレーションによって、子育て中の医師が心置きなく医療に従事し、忙しい中でも充実した日々が送れるよう、そして長崎の医療がますます発展していくことを願ってやみません。

長崎県福祉保健部医療人材対策室長 村田 誠

 今や「まち・ひと・しごと」が全国的なキーワードですが、離島を多く抱え、人口減少と高齢化が全国に先がけて現実の問題となっている長崎県では、「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く長崎県づくり」を県政の基本理念に掲げ、一人ひとりをきめ細かく支える体制づくりを目指しております。高齢化の進展や疾病構造の変化、医学の進歩等による医療を取り巻く環境の変化に対応するためには、地域医療を担う人材の確保は大変重要な課題です。
 その中で、平成24年度より「医療におけるワークライフバランスセンター事業」を長崎大学病院に委託し実施していただいております。センターには、相談窓口の設置、潜在医師の把握によるネットワークの形成、情報発信、復職トレーニング、病院管理者への普及啓発などワークライフバランスにかかる多岐にわたる活動を通して、就労環境の整備を着々と進めていただいていると感謝しております。
 多忙な医療現場の中で、女性も男性も共に働きやすい環境を整えることにより、医療の道を志した時の高い理想をいつまでも追い求め、働き続けることができる長崎県を目指して、今後ともご協力をいただきますよう宜しくお願い致します。