日本循環器学会九州支部主催 第6回男女共同参画講演に参加しました
2016年6月28日

第120回日本循環器学会九州地方会
日時:平成28年6月25日(土)
会場:ホルトホール大分

第120回日本循環器学会九州地方会において、日本循環器学会九州支部の主催で、第6回男女共同参画講演「女性循環器医の多様なキャリア形成―キャリア教育と支援を考える―」があり、参加した南副センター長からの報告です。

演題①「地域医療には女性医師の力が必要―大分大学での取り組み」は、座長でもある大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座教授の髙橋尚彦先生のお話でした。現在、大分大学の循環器内科には、医局員の3分の1にあたる9名の女性医師が勤務しているそうです。長崎大学の循環器内科にはフルタイム2名と、週1回パート3名のみです。なにか仕組みが違うのであろうと思いましたが、髙橋教授が、女性医師を「生涯にわたって面倒を見る」、働き方は「何でもあり」とアピールされており、その寛大・寛容な姿勢により女性医師が入局しているのだと感じました。

演題②「キャリアは途切れてもまた繋げる」は、医師になって17年目、母になって14年目の宮崎寛子先生のお話でした。現在は短時間常勤で8:30-15:15まで勤務、家事の外部委託やファミリーサポートを利用しながら、3人のお子さんを育てておられます。子供がいてもキャリアを繋いでいけるようにと、髙橋教授はじめ医局がサポートしてくれる「温かい医局」だと話されました。

演題③「ママさん循環器医の奮闘-後輩へのエール」は、綾部礼佳先生のお話でした。心臓カテーテル検査・治療が大好きで循環器内科を選択されましたが、2人目妊娠中に、思い切って方向転換して、画像診断の領域で頑張ることにしたそうです。現在はいかに意義のある仕事を短時間で行うか、ということを意識しているそうです。講演後の質疑応答では、独身で時間があると、だらだらと長居することもあり、時間制約のある働き方で、集中力をもって仕事している女性医師に敬意を表するコメントが、独身女性医師からありました。また“粘土層”といわれる経験上の固定観念に固執し、変化を嫌う管理職層ではなく、柔軟に意識変革できる層への働きかけが大事だというコメントもありました。

大分大学循環器内科には、素敵なイクボスがおられて、とても温かい雰囲気でキャリア形成・継続ができるようです。九州地区の循環器内科全体が同じような雰囲気になるといいと思いました。