2023年度 医師の両立支援状況調査結果のご報告
2023年7月7日

1.<調査の目的>
長崎県内病院の育児・介護休業制度等の両立支援策の取組状況や認知度の実態調査を行う。また、調査結果を、Webサイトやメールマガジンを通して情報発信を行うことで、個人や組織に働きやすい職場環境づくりを推奨する。

2.<対象と方法>
実施日:2023年6月
調査対象:長崎県内146病院
調査方法:調査票を郵送し、同封の返信用封筒やメール、Googleフォームで回収。
質問内容:常勤・非常勤医師数、子育て中の医師数、育児休業・介護休業を取得した医師数、両立支援施設の設置など。
調査票:医師の両立支援状況調査

3.<結果と考察>
配付と回答数(回答率):配付146病院 回答111病院(76%)
icon_idea.gif結果:【集計抜粋グラフ


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【調査結果】
2014年度より10年間100以上の病院から調査の回答を得ており、2023年度も111病院(76%)の回答協力があった。
回答した病院
勤務する女性医師の割合は23%で、2013年度以降23±1%と著変なし。非常勤医師の割合は、男性医師17%、女性医師33%と、男性<女性の結果も例年通りであった。

子育て中(小学6年生までの子がいる)の男性医師は543人で医師全体の21%、子育て中の女性医師は163人と過去最多で、女性医師全体の28%、医師全体の6%であった。

③調査回答の全111病院のうち、男性医師は109病院に常勤しているが、女性医師が常勤しているのは71病院であった。子育て中の男性医師は50病院、子育て中の女性医師は39病院に勤務している(常勤+非常勤)。
また、子育て中の女性医師は、すべての医療圏に勤務しているが、離島の医療圏(五島・上五島・壱岐・対馬)で働く女性医師数および子育て中の女性医師数は経年的に増加傾向である。女性医師のうち子育て中の女性医師の割合は平均で28%だが、五島33%・上五島43%・壱岐60%と高い。
icon_idea.gif中核病院である長崎県病院企業団が経営する病院では、短時間勤務制度を改変しながら子育て中でも勤務しやすい環境づくりに取り組むことで医師数を維持していると考えられます。

2022年度に育児休業を取得した医師は、男性医師は4病院(すべて新鳴滝塾の病院)で16人(うち長崎大学病院10人)と昨年より倍増し過去最多となった。女性医師は14病院で46人(新鳴滝塾の病院42人、うち長崎大学病院26人)であった。
2022年度に介護休業を取得した医師は、1人のみ(女性)であった。

院内保育施設の設置率は30%台と著変なく、院内病児保育施設の設置は5病院、新規開設は無かった。
icon_idea.gif長崎県内の院内病児保育施設の整備は進んでおらず、若い世代の医師が、勤務先として長崎県を選択しない理由になるのではないかと案じます。

⑥2022年度に改正された育児介護休業法の認知度について昨年度に引き続き設問した。「育児休業を取得しやすい環境整備・個別の周知・取得意向確認措置の義務化、有期労働者の育休取得条件緩和が課せられることを知っていますか」に対して、6病院(5%)が知らないと回答、「出生時育児休業(産後パパ育休)の創設、男性は最大4回の分割育休取得が可能になることを知っていますか」に対して、10病院(9%)が知らないと回答。
icon_idea.gif対象となる職員が在籍していないことが理由かもしれませんが、病院担当者の知識として情報収集・ご準備をおすすめします。

⑦医療圏別の女性医師分布図など

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icon_redface.gif今年度の調査では、2022年度の育児介護休業法改正に伴い、男性医師の育児休業取得数が倍増していることが判明し、確実に国の政策の効果が出ています。しかし病院単位でみると、4病院の実績と少ないため、子育て中の男性医師が勤務する県内約50病院の中から、多くの実績報告が、来年度の調査で届くことを期待します。病院管理職の皆様からの「育休いつ取るの?」と推進を後押しする声かけで、職員の職場への愛着が生まれ、職場復帰した時のやる気に繋がるようです。
センターでは、これからも長崎県内のすべての医師が、イキイキと仕事と生活の両立ができるように「あじさいプロジェクト」活動を推進していきます。医師の仕事と子育ての両立を応援する「長崎医師保育サポートシステム」は、利用する医師が増加中で、年々実績を伸ばしています。ぜひご活用ください。

icon_idea.gif調査の貴重なデータは、長崎県の医療のために活用いたします。ご協力いただきました病院の皆様、ありがとうございました。