佐賀県女性医師等就労支援事業
第3回SAGAJOYシンポジウム
開催日時/平成25年2月23日(土)15:00~17:00
会 場/佐賀県庁新行政棟11階大会議室
主 催/佐賀県女性医師支援窓口
後 援/佐賀県医師会
参加費・託児室・駐車場/無料
佐賀県庁新行政棟1F県民ホールでは、「身近な梅ちゃん先生」、「小・中学生作文」が パネル展示されていました。
佐賀県の医師数は、2,082人で、うち女性医師は380人。(H22年厚生労働省調べ)
全国で12位と女性医師の比率が高いそうです。
(ちなみに長崎の医師数は3,856人で、うち女性医師は591人。全国39位。)
そこで、女性医師の活躍・奮闘ぶりを多くの方へお知らせし、 未来の女性医師を目指す子供たちの作文が発表されていました。 パネル展示場所では、「○○ちゃんの作文あったよ~」と、 ご家族で見学に来られている微笑ましい姿を見かけました
シンポジウムは、1.事業報告、2.講演、3.パネルディスカッションの順に行われ 約50名近く参加者がいらっしゃいました。
事業報告では、平成22年度より佐賀県女性医師支援窓口は開設されており、 広報活動や窓口への相談数、就労環境改善事業などの紹介がありました。 また、育児中の方はパソコンを開く時間もない、という点から、 自宅学習用にipadに情報をインポートして貸出しているそうです。
講演は、九州厚生局健康福祉部 入江芙美先生が、 「医師不足対策と女性医師の支援策について」と題して主に全国データを元に 女性医師の現状がご報告されました。 全国の医師数は28万人で、平成20年から定員数を設けないようになってから 年4千人ペースで増加している。だが、都道府県で医師数偏在が見られ格差がある。
女性医師の現状として
1.女性医師の割合は全国平均18%
2.若年層で顕著に増加
3.医学部入学の3分の1は女性
4.女性の多い診療科は、皮膚科、眼科、麻酔科、小児科、産婦人科
問題点としては、
各国と比べるとまだまだ女性医師の数は少ない
30代半ばで4人に1人が離職
女性の勤務形態は、短時間雇用、非常勤が多い
保育環境が整っていないために、育児のためにキャリア中断をせざるを得ない状態
医師業は日進月歩であり、一旦離れると復職が難しい
他職種と比べ過重労働である
が挙げられました。
そのため、保育環境整備のための国の支援策の紹介があり、
また医師の柔軟な勤務環境整備と、過重労働対策として、
・医学部の定員増加
・医師でなくても対応可能な業務を整理し、チーム医療を推進
・複数主治医制
・医療リスクに対する支援体制の整備
・医師のキャリア形成(地域枠の導入、地域医療支援センターの運営支援)
など、女性医師に限らずすべての医師が 働きやすい環境づくりが始まっているとのことでした。
パネルディスカッションでは、 実際に子育て中の女性医師の平均的な1日のスケジュールが発表され 仕事と生活の両立をなんとか上手にやりくりするための解決法を 先輩医師の経験談を交えながら探りました。
Q:どんな支援を望まれますか?
A:形ばかりの支援ではなく、直属上司の子育て医師に対する理解、思いやりといった心からの支援、言葉がほしい
といった貴重なご意見を聞くことができました。小さな声かけで精神的に楽になり、キャリア継続のために必死に頑張っている若い医師を温かい目で育てていける職場環境が確立されていくといいなと感じました。 また、育児を行うのは女性と限った話ではない(という考えが浸透しないから難しいのですが)ので、男性の育児休暇や短時間労働を認める職場の雰囲気づくり、世代、性別の意識変革も必要だと感じました。 しかし、制度ができても、先陣を切って利用する方は、目新しさから注目され、かなりの勇気が必要、当たり前の風土になるのはいつ頃だろうかとも感じました。