平成24年度長崎市男女共同参画推進センター主催講座
ワーク・ライフ・マネジメント実践術!一人ひとりがイキイキ社員になるために
開催日時/平成25年3月2日(土)13:30~15:30
会 場/長崎市立図書館 多目的ホール
主 催/長崎市男女共同参画推進センター
入場料 /無料
参加者は50名程で、男性も思ったより多く数名いらっしゃいました。
講師の渥美由喜(あつみなおき)さんのご紹介(講演スライドより抜粋)
<主な活動>
○これまでワークライフバランスやダイバーシティに取り組む、先進企業国内外800社のヒアリングを実施。
○3000社データベースを作成し、分析
○先進企業の施策展開のアドバイス
○東洋経済『ダイバーシティ経営大賞』審査委員、『子ども若者育成・子育て支援功労者表彰(内閣総理大臣表彰)』選考委員会委員、日経WOMAN『女性が活躍する会社ベスト100』審査員。
○内閣府『共同参画』で連載(2010年度は『ワークライフマネジメント実践術』、2011年度は『ダイバーシティ経営の理念と実際』
<自己紹介>
~5K(6K)ライフ
1会社員 2子育て 3家事
妻と共働きで、6歳児と2歳児の育児中。2回共、男性として育休を取得。
1回目は地域の微妙な視線。貴重なマイノリティ(少数派)体験。
4介護 5看護
4年前から実父が経度の認知症に→要介護 昨年、次男が難病に→要看護
6子ども会
自治会の子供会と異なり、自費をはたいて開催。
<講演内容>
1.なぜ、ワーク・ライフ・バランスに取り組むのか?
(1)人口減少下では「生産性」の向上が不可欠
ダイバーシティの推進なくして企業の成長なし
(2)ワークライフバランスは誰にでも関わること
(3)介護ラッシュ
介護を理由に離職した人は年間15万人、5年間で1.6倍に
特に企業の中核を占める40、50代の従業員が直面
(4)非労働者の世話をしながら働く労働者
介護確立は1世紀で10倍、介護期間は長期化
今後10年で、介護社員は2~3割まで増大
(5)ワークライフバランスとは2者択一ではない
(6)ワークとライフの相乗効果とストレス相殺効果
(7)従業員の4類型
バリバリ社員 イキイキ社員 ダラダラ社員 ヌクヌク社員
(8)4類型別の1日の生産性カーブ
2.2回の育休と育児・家事
(1)『イクメン』の名付け親
7年前から使用しだすとまたたく間に流行語に
希少価値から話題となったので早く死語にしたい
(2)1回目の育休
男性の育休取得第1号
周囲の女性社員に急に人気
周囲の男性社員は昇格か降格か
(3)浸透を阻む要因~『粘土層』
(4)『カミ粘土』と『カタ粘土』
(5)女性の子育て経過間での夫への愛情曲線
(6)産後クライシス(危機)
(7)育児専業中
育休(休み)ではない←就労時よりも過酷
パタニティーブルーや公園デビュー
(8)育休後~自身の変化
小さなサプライズが夫婦円満の秘訣
(9)上司・同僚の認識の変化
対・上司→ひと皮むけたな
対・部下→接し方を変え父性愛を持つことで部下が伸びた
(10)男性の育児休業取得の意義
①気づきのきっかけ 夫婦の意識ギャップ
②立ち止まるメリットを実感
優先順位、業務効率、同時並行力、リスク管理
③職場に効率化のメスが入る
業務の『見える化』『共有化』『効率化』
⇒ハードルは高いが、ビジネススキルも大きく伸びるので、
男性も全員育休をとるべき!
3.ワーク面のタイム・マネジメント実践術
(1)業務改善の進め方
(2)数百社・部署のアンケート結果
(3)『業務の増大』『人員不足』は、あらゆる職場で発生
(4)人員のやりくり
(5)WLBに取り組む姿勢
(6)振り返るツール~時間記録表
(7)時間記録表の分析
(8)記録ダイエットとの類似性
(9)その業務、時給に見合っていますか
(10)上司の部下への接し方
(11)時間コストで考える
(12)時間限定スピーチ
(13)『重要度』と『緊急度』で整理する
(14)『難易度』も考慮
(15)1日、1週間、1か月単位での業務管理
(16)空白への時間の有効活用
(17)『やかましい』の手法
4.イクメンの今後 自分が育つ イキメンへ(地域を育てる) 介男子へ
(1)出世したければ、イクメンが早道
(2)市民の3面性
(3)子ども会のボランティアで得たもの
(4)なぜ、子ども会を思い立ったのか
(5)『がんジイ』になりたい
(6)(7)(8)公園に来ている子どもたち
(9)子どもたちを通して教わったこと
(10)子どもは社会を映す鏡
5.『壁』を乗り越えるライフ・マネジメント
(1)職場で、介護をカミングアウト
上司佐々木常夫氏の母の言葉『運命を引き受けなさい』
(2)感謝の言葉をプレゼント
(3)育児と介護の両立
「点」ではなく「線」で捉える
育児は自分の乳幼児期の『追体験』
介護はいずれ自分も老いる時の『類似体験』
介護は、介互
(4)WLBは、制度より風土
(5)次男の闘病生活に想うこと
あとで後悔しない生き方 密度が重要
リスク発生前はネガティブシンキングで失敗要因を洗い出し
リスク発生後は超ポジティブシンキングで良かった探し
(6)ワークでもライフでも『良かった』作り
(7)WLBは”幸せ”への道しるべ
「幸せ」は、不幸が起きないことではない
不幸から逃げずに、誰かに押し付けずに、協力して乗り越えること
(8)まとめ DIV/WLBは漢方薬
即効薬ではなく、漢方薬。服用し続けると、強靭な企業体質、
持続性の高い地域となる。
<参加しての感想>
2時間、惜しみなくデータ解析に基づくワークライフバランスの重要性や
業務改善の方法などを教えていただきました。
ご自身の実体験を通して、筋の通った人生を歩まれている方だと感じました。
自分なりの解釈として、人生において、無駄な経験は何もない、越えなければいけないハードルは人によって異なるけれども、 誰もが通る同じハードルなら、先駆者の助言を聞いて同じように考え、マネてみることから始めてみようと思いました。
渥美さんの置かれた環境に柔軟に対応する精神力、感情のコントロール能力は 素晴らしく、自分だったらと考えると感極まり、講演中はシクシクされている参加者もいらっしゃいました。
変化のある生活に思い切って立ち止まり、人生を見つめなおす機会が重なった中で、仕事と生活を奥様と両立しながら 波瀾万丈と捉えず、分かち合い、楽あり、苦あり、バトンリレーの精神で日々過ごされ、とても充実して幸せそうでした。
長崎まで講演に来てくださり、大変勉強になりましたが、「早くお家に帰ってあげて」とも思ってしまいました。
印象に残ったことは、
家庭人、地域人、職業人の3面性を持つこと
貴重なマイノリテイ体験
介護期間の平均年数は医療進化で10年以上が4割強
ワークとライフを充実させることでそれぞれの相乗効果とストレス相殺効果がある
家事育児のスキルが高いのは母、夫に完璧を求めず、妻は褒め上手に
夫は小さなサプライズ心がけて、皿を洗っといたよ、洗濯たたんでおいたよ
育児で芽生えた父性愛を部下にも注いで成長させる
相手に合わせるマネジメント
育児は介護の事前練習
などでした。男性目線での子育てのお話を初めて聞いたので、 男性はもちろん、たくさんの方に、「子育ては幸せな体験」「育児はおもしろいよ」と 伝えていただけたらいいなと思いました。
アマランス講座 ワーク・ライフ・マネジメント実践術!に参加しました
2013年3月6日