日時 :平成26年9月26日 (金) 14時~16時
場所:日本医師会館 大講堂
議事
1、日本医師会の女性医師支援に関する取り組みについて
日本医師会常任理事 笠井 英夫氏
2、事例発表 (発表各15分×4、 報告 10分)
①長崎大学の取り組み
長崎大学男女共同参画推進センター センター長
長崎大学病院メディカル・ワークライフバランスセンター センター長 副学長/教授 伊東昌子
②奈良県立医科大学の取り組み
奈良県立医科大学微生物感染症学 講師
奈良県立医科大学女性研究者支援センター コーディネーター 水野文子 先生
③東京医科大学の取り組み
東京医科大学医師・学生・研究者支援センター長 教授 大久保ゆかり 先生
④『全国医学部におけるワークライフバランスの取り組み ~小児科学会主催アンケート調査より~』
日本小児科学会男女共同参画委員会委員 福典なおみ 先生
・(報告)「女性医師支援に関するアンケー ト調査」 (大学) について
日本医師会女性医師支援委員会委員 高橋克子 先生
3、意見交換
ワークライフバランス推進員を務めていただいている谷川輝美先生が、伊東センター長と共に出席された日本医師会の会議報告をしてくださいました。
<長崎大学病院産婦人科 谷川輝美 先生より>
病院長から任命され、ワークライフバランス推進員をしている産婦人科の谷川です。2014年9月26日に東京の日本医師会の大講堂で行われた「大学医学部・医学会女性医師支援担当連絡会」に参加する機会を頂きました。長崎大学病院メディカル・ワークライフバランスセンターのセンター長である伊東昌子先生をはじめ上記の先生方が事例発表や報告などを行いました。
今回の伊東先生の発表を聞いて、長崎大学は全国的にみても先進的にワークライフバランスに取り組んでいるという事がよくわかりました。最後の全体的な質疑応答でも、今からワークライフバランスに取り組む予定の大学から伊東先生に多くの質問がありました。懇親会でも、伊東先生は多くの先生方に囲まれてたくさんの質問を受けていました。長崎大学がワークライフバランスに積極的に取り組んでいる事をとても誇らしく思いました。また、私も推進員として頑張らねばと気持ちを新たにしました。
奈良県立医科大学ではパワーハラスメントの対策にも力を入れていて、ハラスメントにより研究を継続できない職員に対して“シンビオティックラボ”という緊急避難場所を提供して研究継続を支援しているそうです。また、院内で対処できないような問題は外部のNPO法人に相談しているそうです。ハラスメントに対する積極的な取り組みが印象的でした。
東京医科大学の発表では、研究者とワークライフバランスに関するアンケート調査によりライフイベント(育児や介護など)のため時間に制限のある研究者(主に女性)は、筆頭論文などの業績が少ない傾向にあったが、携わった研究の件数には大きな差がなく、論文執筆の時間がとれていない可能性が示唆されました。また、学生教育を主に担当していることが調査からわかったそうです。時間がない中で、できる業務を担当していることがアンケート調査から見えてきました。設立当初は組織名が女性支援という言葉が含まれた名称だったのですが、全ての職員のワークライフバランスを支援することが結局はライフイベントを持つ女性職員を支援することになるため、現在は「医師・学生・研究者支援センター」となったそうです。私も女性支援という言葉に以前から違和感を持っていました。ライフイベントは女性だけではなく、男性にも起こり得ることなので全ての職員を支援する必要があると思います。このお話にはとても共感しました。
まだまだ課題はたくさんあると思いますが、全国的にワークライフバランス支援の取り組みが広がっているのを実感できて嬉しく思いました。医師に関していうと、医師のワークライフバランスは患者さんへよりよい医療を提供することにも繋がると思うので、これからも積極的な取り組みが必要だと思いました。