平成25~27年度文部科学研究費助成事業
「医師の燃え尽き症候群克服のためのワークライフバランスからのアクションリサーチ」
研究責任者:伊東昌子
1.調査の背景及び目的
医療現場では医師を中心に過重労働が大きな問題であり、過重労働は医療従事者の心身の健康問題と関連していることは否めず、さらには医療の質低下への影響も忘れてはならないものである。この調査の目的は、医療従事者の燃え尽き症候群が、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の実現により軽減できるかを検証することである。
2.調査の内容について
燃え尽き度とワークライフバランス実現度に関するアンケート調査を施行し、その後、ワークライフバランスセミナーを行い、希望のある職員に対しては、インタビューを施行する。約18ヶ月後に、再度介入前と同じ内容のアンケート調査を行う。
なお、セミナーは佐藤博樹(東京大学社会科学研究所 教授)・小室淑恵((株)ワーク・ライフバランス)監修DVD『ワークライフバランス なぜワークライフバランスが求められるのか/ワークライフバランスを実現するために』日本経済新聞出版社、2009 年(前半は問題提起、後半は解決討議からなる各25分×2巻)の視聴や、ワークライフバランスセミナー受講等である。
3.調査の対象と方法
【実施期間】
第1回目 平成25年7月下旬~8月9日
第2回目 平成26年12月上旬~平成26年12月19日
【対象】
長崎大学病院に勤務する職員2,269名(第1回目)、2,354名(第2回目)
(医師、歯科医師、看護師、薬剤師、技術職員、事務職員、その他)
【方法】
返信用封筒を同封したアンケート用紙を全職員に個別に封書で配布し、院内便で回収。
回収したアンケートは、連結可能匿名化(コード対応表を用いる)により匿名化して解析し、
得られたデータは、施錠できるキャビネットに保管する。以上、長崎大学医歯薬総合研究科倫理委員会
の承認を得て施行。希望する職員には、自身の燃え尽き度とワークライフバランス実現度について
評価結果レポートを返信し報告する。
【配布・回答数(回答率)】
第1回目 2,269名に配布し、1,226名(54.0%)の回答
第2回目 2,354名に配布し、1,289名(54.8%)の回答
4.結果と考察
助成事業期間 平成25年度~平成27年度の3年間の調査研究。日本学術振興会へ報告書提出完了。論文または学会発表予定です。