第79回日本循環器学会学術集会に参加しました
2015年4月27日

第79回日本循環器学会学術集会
期間:平成27年4月24日(金)~26(日)
開催地:大阪市
参加したシンポジウム:子育て世代の男性・女性循環器医のためのキャリア支援

日本循環器学会学術集会の第2日目、グランフロント大阪会場で行われたシンポジムに、循環器学会会員でもある南貴子副センター長が参加しました。

 今年は大阪開催でした(会長は熊本大学の小川久雄教授だったので、熊本県のご当地ゆるキャラ「くまモン」も来場していたそうですが会えず)。
 今回のプログラムに、「子育て世代の男性・女性循環器医のためのキャリア支援」というシンポジウムがあり、7名の先生方のご発表と討論を聞いてきました。座長の近畿大学宮崎俊一先生より、会場の参加者の男女比は同じくらいで、これまでより男性医師の参加が増えているということでした。
 7名の演者の中で、長崎大学病院でも取り入れたいと思ったのは、第1演者の佐賀大学卒後臨床研修センターの吉田和代先生のお話でした。「時短の女性医師をカバーしている医師へのインセンティブ支給」をしているそうです。通常支援の対象は子育て医師が多いのですが、周りでサポートしている医師への支援も、とても大切だと思いました。
 第2演者の杖方公済病院心臓血管センターの竹中洋幸先生は、お子さん3人の父親で、夫婦2人の子育てに加えて、信頼して子どもを預けられるシッターさんとめぐり合ってから、循環器内科医同士の夫婦が、ともにしっかり仕事ができるようになったそうです。これは、私たちが現在活動している「保育サポートシステム」の利用によって、同じようなサポートができているのではないかと思いました。
 会場内が一番感心したのが、第4演者の釧路孝仁会病院から来られた母医師、山本均美先生のお話です。まだ小さいお子さんを育てながら、もう1人の母医師とともに、地域に専門医療を提供するために、日夜頑張っておられるそうです。病院が24時間保育施設を整備してくださり、スタッフはとても優秀で、サポートしてくれる、家族の理解もある、無くて困るのが病児保育だそうですが、環境が整えば、母となっても急性期治療にも携わることが可能であるということを再認識いたしました。通常の勤務は定時で終わらせる努力をしているそうです。
 また、第6演者の滋賀医科大学アジア疫学研究センター大野聖子先生は、4人のお子さんの子育ての経験から、子どもの病気は3歳までは大変だけど、その後の罹患回数は減るので、子どもの成長過程に合わせて自分の勤務内容を検討することを話されました。
 最後に、もう1人の座長の大阪市立大学の上田真喜子先生は、ペースダウンしたままの「マミートラック」に陥らないこと、子育ては「通過点」であること、など、キャリアの継続を頑張るように話されました。

 日本循環器学会では2014年3月に「女性循環器医の勤務環境改善のための提言」が出されていますが、今後も学会全体で、頑張る母医師を応援してほしいと思いました。

 また、夜に別会場で行われた女性循環器医懇話会(JJC:JJ-Club)にも参加しました。最多参加者となった学術講演では、大学でアカデミアとして臨床・研究を行っている井手友美先生、インターベンション専門医の本江純子先生、北里大学阿古潤哉教授の性差医療にかかわるお話など興味深いお話ばかりでした。情報交換会では、今後の若い先生方にも参考となるようなお話をたくさん聴くことができ、エネルギーを充電することができました。