「医学生、研修医等をサポートするための会」を長崎医療センターで開催しました
2018年1月30日

 医師のキャリア形成、継続のサポートをするために、働き方や両立に関心のある研修医、または県内で働く医師を対象に開催しました。
 連携機関にご協力をいただき、「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会を、共催の長崎医療センターと実施しました。
 参加者は、研修医6名、医師8名、その他3名の総勢17名でした。




↑主催者挨拶 長崎県医師会 常任理事 瀬戸 牧子 先生
医師会の活動や保障について、若い医師にも利点があることを話されました。


↑取組発表 メディカル・ワークライフバランスセンター 副センター長 南 貴子 先生
現在のあじさいプロジェクトの活動について、概要を説明しました。
サポート体制についてご存知ない方には、「保育サポートシステムを含め、将来サポートが必要となった場合には、センターへご相談ください」とお伝えしました。

次に、大村地区で働きながら子育てしている医師3名によるキャリア形成や仕事と生活の両立に関する経験談の発表がありました。

↑経験談1 「キャリア形成期におけるワーク・ライフバランス」
総合診療科・総合内科 レジデント 川原 知瑛子 先生
現在は、保育園に通う2人のお子さんの子育て真っただ中です。「医者として武者修行の時期」に出産・育児が重なり、葛藤と焦りを抱えながらも、お子さんの乳児期や妊娠中に、資格試験に挑戦・取得されてきたそうです。育休取得期間は、第1子が4か月、第2子は6か月間と、わりと早い復職ですが、夫が、第1子の時に、育児休業を1年間取得して支えてくれたそうです。さらに、仕事と育児を両立するうえで一番困る病気時の対応にでも、夫のお母さんが保育士ですので、安心して全面的に協力してもらえることが、一番の強みです。頼れる家族がいる好条件の川原先生、これからもどんどんキャリアアップしてください。
※10~12か月未満の育休取得が一番多い。ちなみに男性は、5日未満。厚生労働省「平成27年度雇用均等基本調査」より


↑経験談2 「男性医師×育休」
総合診療科・総合内科 専修医 鳥巣 裕一 先生
長崎医療センターで初めて男性で育児休業を取得した医師として、お話をお願いしました。まだまだ浸透していない、職場で取得しづらい雰囲気を感じることが多い男性育児休業ですが、鳥巣先生は、「とってよかった」と話されました。また、ある大学医学部の調査結果から、「診療時間に家事労働時間を加えた総労働時間は、男性医師よりも女性医師の方が長く、特に子どものいる女性医師が長時間働いていることが確認された」と紹介しました。夫婦で家事や育児を普段からもっとシェアするべきで、子どもがいる場合、「仕事」「家事」「育児」「休養」の4つの要素でタイムマネジメントをしようと話されました。夫婦がワークライフバランスを取るための選択肢の一つとして、男性の育児休業取得をセンターでも推進していきます。


↑経験談3 「点と線」
秋櫻醫院 院長 石田 一美 先生
「回想してみると、結婚して、子どもを出産していなかったら、また別の人生を歩んでいただろうと思う。どのように生きていくか、夫婦でどんな家庭を望むかは、人それぞれ。」金子みすゞ さんの詩「私と小鳥と鈴と~みんなちがってみんないい~」になぞらえて話されました。医学部の卒業試験期間中に出産し、卒業後は内科に入局。まわりには別居しながら勤務する医師が多い中、石田先生の結婚観は「家族は一緒に暮らし、人生を共に歩む」ことでした。そのため、パートナーの転勤に伴い、他県の他の診療科(麻酔科)で研修をされています。その後長崎に戻ると、県の医師不足解消のためにと保健所勤務になりました。病院での仕事とは異なり、大変戸惑われたそうですが、様々な見識を深められています。その時の経験を生かし、介護の必要性を感じて、在宅療養支援診療所を開業されました。「成り行き任せで主体性が無いように感じていたが、振り返ってみると、これまで経験してきた様々な点と点が実はつながり、今は線となり道筋になっている」と話され、若い先生の将来の不安を軽減していただきました。

最後に県内病院のワークライフバランス推進員2名に医局の状況や自己紹介、アドバイス等をしていただきました。

↑長崎医療センター 麻酔科 山口 美知子 先生
山口先生の子育ては、パートナーとうまく協働されていたそうですが、パパがママコミュニティに関わった時のお話(パパの合理主義がママ達の経験論とぶつかり大変なことになった)など、面白く振り返っていただきました。

↑市立大村市民病院 救急総合診療科 柴田 由可 先生
お子さんが入院した経験の後、しばらく診療科から離れて、健診業務を行っていた柴田先生ですが、お子さんの成長に合わせて、手技を身につけるなどして、今年度からは常勤で内科領域へ戻られました。

↑会の様子
第1回と同じく、本会で参加者から出た質問に対して、ワークライフバランス推進員の回答をまとめた「Q&A一覧」を配布しました。また、センター制作の「両立応援HANDBOOK」を進呈しました。

 長崎医療センターに勤務する7名(初期研修医の男性1名、初期研修医の女性4名、後期研修医の女性1名、診療科医の女性1名)のみなさんは、講師や推進員の先生の様々な経験談を聴くことができて、とても満足されていました。「素敵なロールモデルの先生が見つかった」との感想があり、本会の意義を実感しました。
 新規メルマガ登録は3名でした。月1回配信のメルマガ「あじさいプロジェクト通信」は、長崎県内で勤務中の女性医師837名(センターでの把握数)のうち、397名に配信しています(2018/1/29現在)。アンケートにご回答いただいた6名全員が、センターのホームページを閲覧したことが無く、引き続き、あじさいプロジェクト活動をワークライフバランス推進員のお力添えをいただきながら、周知する必要を感じました。
 今回初めて、長崎大学病院以外で、主に研修医の先生を対象として開催しました。関係者の先生同士は、すでにお知り合いやご縁があるなどで、和気あいあいとした雰囲気の中、楽しい会となり、活動の意義を実感し合うことで、今後も連携しながら交流を深められたらと感じました。

icon_razz.gif<参加者の感想抜粋>
・色んな先生方の経験談を聞けてとても参考になった。サポート体制の存在は心強いと思った。
・結婚後も細々と仕事を続けられたらいいなと思いました。素敵なロールモデルの先生が見つかりました。
・講演の内容が想像していたよりも具体的で大変参考になりました。漠然とした不安感が、育児や出産に対してありましたが、少し解消することができました。

<託児室の様子>

↑4名のお子さんが、会場隣の託児室でお迎えを待っていました。お土産(折り紙の作品や,花紙の指輪)をもらえて喜んでいたそうです。