大学院セミナー「予防接種と臨床ウイルス学に導かれて~子育てまだまだ奮闘中~」参加報告
2014年10月30日

第53回長崎大学院セミナー
日時:平成26年10月27日(月)18時~19時
場所:放射線部カンファランス室(新中央診療棟1階)
主催:小児科学教室
演題:予防接種と臨床ウイルス学に導かれて~子育てまだまだ奮闘中~
講師:国立感染症研究所 感染症疫学センター 第三室長 多屋 馨子 先生

ヘルペスウイルスの研究で多くの業績を上げた後で、「感染症疫学情報発信」や「予防接種の推進」などで大活躍されている多屋馨子先生は、まだまだ子育て奮闘中の母親でもあります。ワーキングマザーのロールモデルとしての多屋先生のお話を、小児科のワークライフバランス推進員北村温子先生が報告してくださいました。

<長崎大学病院小児科 北村 温子先生より -子育て奮闘中・多屋馨子先生のお話を聞いて>
 大学院セミナー「予防接種と臨床ウイルス学に導かれて~子育てまだまだ奮闘中~」が10月27日、長崎大学病院内であり、国立感染症研究所感染症疫学センター第三室長 多屋馨子先生のお話を聴講してきました。
 以前は、夕方以降のセミナーや研究会は参加できないものとあきらめていましたが、昨年度からメディカル・ワークライフバランスセンターの「イブニングシッターサービス」が始まり、院内での勉強会にも参加できるようになりましたicon_razz.gif
 私は小児科医ですので、予防接種は身近なものですが、その制度は毎年のように変更があっており、ついていくだけで精一杯というのが現状でした。
きちんと勉強しなければ…と思っていたタイミングに加えて、講演のサブタイトルが「子育てまだまだ奮闘中」だったこともあり、とても楽しみにしていました。
 多屋先生は、国立感染症研究所で、感染症疫学情報発信や予防接種推進などのお仕事をされ、テレビにも出られるような先生ですが、ほんわかとした優しい印象で、非常にわかりやすいお話でした。
 ご講演の内容は、これまで研究されてきたこと(ヒトヘルペスウイルス7型が6型同様に突発性発疹を起こすことを世界で初めて報告されており、その他の業績も驚くようなものばかり)や、予防接種関連、感染症サーベイランスの重要性などがメインでした。
 「子育て奮闘中」に関するお話では、1人目を出産後すぐに復帰し、当直もこなしていたそうですが、お子さんが病気がちで入退院を繰り返すようになったこと、SARSで職場が非常に忙しい時に2人目のお子さんの妊娠がわかったけれども、終息宣言が出されるまでは妊娠したことを言えなかった、…などがありました。
 臨床、研究ともに第一線でご活躍されている先生も、私たちと同じようなことで悩んだり、立ち止まったりしてこられたのかもしれません。
それでも、大変だったこと、苦労されたことを、さらっと笑ってお話しされていたのが印象的でした。
 セミナー後の懇親会では、結婚後しばらくは週末婚だったため、週末に仕事ができないことが周囲に申し訳なく心苦しかった、…などのお話をされたそうです。
 ワーキングマザーのロールモデルとして、多屋先生を目標にすることは、私にはできそうもありませんが、仕事を続けていくために、何か一つでも大きな目標を持ちたいと思いました。
 目の前のことだけに必死になっている毎日を反省し、もう少し先のことを見据えながら、踏ん張っていこうと考えています。