2022年7月1日

センターでは、医師のキャリア形成・継続のサポートをするために、医学生や研修医等、若い世代を対象として「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会をセンター開設当初より不定期で開催しています。

2021年度より、将来長崎県養成医として離島・へき地で勤務するミッションを与えられて入学した、長崎大学医学部・佐賀大学医学部・川崎医科大学の地域枠の女子学生と、自治医科大学の女子学生、初期研修の女性医師を対象に、将来のワークライフバランスに関する不安を減らし、離島医療の魅力・離島の楽しさを感じてミッションコンプリートしてもらうことを目的として「養成医のワークとライフを聞いてみよう!ロールモデル探し」のオンライン会を行っています。

今年2年目となる第1回は、対象の46名の女子学生のうち38名、女性研修医3名の合計41名が参加しました。
先輩医師として、3名の養成医の先生が新しく加わり、また養成医ではないですが、離島勤務歴のある総合診療科の先生を含め、先輩医師13名体制で本会をサポートしていただきました。

Zoomを利用して、各6グループが約90分間の意見交換会を行いました。
パートナーとの出会いから結婚・妊娠・出産・育児休業・子育てのこと、研修病院選び、離島診療、専門医取得、医局入局についてなど、義務年限中に想定される内容の質問に対して、先輩医師よりご自身の経験や周囲の女性医師の状況を交えながら、丁寧に答えていただきました。
印象的な話題は、離島で働く男性医師は、単身赴任であるケースが多く、子どもの進学で家族と離れて暮らすと大変そうであること、幼い子どもがいる女性医師の多くは、育児短時間勤務制度を利用して仕事と生活を両立していること、結婚協定※で義務を果たしている自治医大卒の夫婦が、育児休業を双方が取得することで異動のタイミングを調整したこと、以前は対馬から韓国へ気軽に焼肉を食べに行っていたこと、上五島病院には、多職種の職員で結成されたバンド(バンド名:のぼせもん)があり、院長・副院長も参加していることなど、興味深いお話がたくさんありました。※結婚協定・・・自治医科大の卒業生同士が結婚した場合の取り決め

センターからは、あじさいプロジェクト活動で把握しているデータを共有して、マタニティ白衣貸出事業から判明した女性医師の貸出時(妊娠)年齢、長崎大学病院で活躍中の義務年限を修了した医師、長崎県病院企業団の子育て支援状況などを紹介しました。
 

【アンケートから抜粋】
<今のお気持ちをお聞かせください>上位3つ、複数回答あり
・キャリア形成(診療科の選択や専門医取得など)の参考にしたい 28人
・共働きするには、パートナーの理解と協力が必要だと感じた   26人
・ワークとライフを両立するイメージが明確になった       23人
・不安な気持ちを相談できる部署があって安心した        18人
・様々な働き方をしながら医師を辞めずに継続できそう      17人

<将来考えている診療科を2つ教えてください>
・内科     21人
・総合診療科  19人
・小児科    12人
・産婦人科   10人
・外科     7人
・整形外科   5人
・眼科     1人

<学生の感想>
・将来のことについてお話を聞くことができて、参考にもなりましたし、これからの学生生活の勉強などのモチベーションにもつながりました。
・自分の人生設計の参考になりました。「学生時代の計画とは全く違う生活をしている」というお話を聞けて少し安心しました
・この会を通して、女性医師の日々の仕事のことや子育てのことなど、貴重なお話を聞くことができ、毎回楽しみにしていました。今回も、先生方のお話を聞くことができ、さらに将来についてのイメージが膨らみました。 毎年、質問したいことなど変わってくるので、また次回も参加できることを楽しみにしています。
・女性の先生方や、自分と同じように学生生活を送っている女性の方と、女性のみの空間でお話を聞かせていただく機会はなかなかないので、妊娠・出産やパートナーのことなどについて、詳しく様々なことをお聞きできて、非常に参考になりました
プライベートでB枠であることを後悔するような出来事があったばかりだったので、「養成医は地域の宝である」とのお言葉に救われました。将来に希望を持ってこの先実習や勉学に取り組んでいきたいです。
・養成医の先生方が医師としてもひとりの人間としても、充実した生活を送られていることが伝わりました。養成医への道に誇りをもって、前向きに頑張れそうです

  

↑先輩医師のご紹介    ↑参加者アンケート結果(クリックください)

<先輩医師の感想>
・①グループに参加
Zoomを用いての会は初めてでしたので、上手くお話できたかわかりませんが、少しでも学生さんのモチベーションアップにつながれば幸いです。また、私の方も先生方のお話が聞けて良かったです。
・①⑥グループに参加
ロールモデル探しの会、私も楽しく参加させていただきました。長崎県医師会常任理事 瀬戸牧子先生の「養成医は地域の宝」と言う言葉が響きました。私も宝である若い先生たちを離島に送り出し、バックアップしていけるよう微力ながら頑張ります。
・②グループに参加
へき地医療に携わる事で、キャリア形成に時間がかかる事は事実ですが、へき地医療に携わる事で、やりたい事が見つかる時もあります。そして、いくつになっても、子育て中であろうとも、やる気さえあれば、何でもできる!という事を気づいていただきたいです。
・⑤グループに参加
この会を通して私自身も色々な発見があり、モチベーションアップに繋がっています。今後も継続していただけたらありがたいです。

icon_razz.gif今回も大変有意義な会になりました。参加した自治医科大学の学生より「他県の同級生に聞いても、このような取り組みをしているのは長崎県だけで、有り難く思います。」との発言があり、開催を企画して本当に良かったと感じました。本会の参加者の皆さんが、少しでも将来への不安が和らいで、離島勤務にやりがいを感じながら、安心できる離島生活が豊かなものとなるように、センターでは引き続き支援を行いたいと考えます。

2021年11月30日

 センターでは、医師のキャリア形成・継続のサポートをするために、医学生や研修医等、若い世代を対象として「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会をセンター開設当初より不定期で開催しています。

 2021年度は、将来長崎県養成医として離島・へき地で勤務する義務を持つ、長崎大学医学部・佐賀大学医学部・川崎医科大学の地域枠の女子学生と、自治医科大学の女子学生、初期研修の女性医師を対象に、将来のワークライフバランスに関する不安を軽減する目的で、「養成医のワークとライフを聞いてみよう!ロールモデル探し」と題して、オンライン会を2回行いました。

 第2回は、11月23日(火・祝)27日(土)28日(日)の3日程で開催しました。参加者は学生32名(参加率82%)で、先輩医師11名と長崎県医師会常任理事 瀬戸牧子先生のご協力を得ました。 
 今回は、学生が検討している診療科について考えることをテーマとして、「小児科」「産婦人科」「内科」「外科」「整形外科」の5診療科の先輩医師と学生をグループ分けし、各グループ90分間を目処にZoomを用いたオンライン会で意見交流しました。まず、センターより11月に行った「育児休業を取得したことがある女性医師へのWebアンケート調査」の結果報告と、参加の学生が将来勤務する可能性のある長崎県病院企業団の主な関連病院の子育てとの両立支援環境をお知らせしました。
 

 先輩医師からは、今の診療科を選んだ理由、思い出深い出来事や症例、離島・へき地での診療科の特徴や、勤務環境、当直・拘束について、さらに、パートナーとの出会いや、離島・へき地での子育てについても話してもらいました。その後に、学生から診療科のこと、研修先選び、専門医受験のタイミング、年限明けのこと、プライベートな時間の確保、子育てとの両立について以外にも、様々な質問が挙がりました。
icon_arrow.gifグループ①「小児科」
 ・育休期間はブランクではなく、家族と一緒に過ごせる大事な時間であり、医師としても良い経験になる
 ・対馬のお魚は本当に美味しい
icon_arrow.gifグループ②「内科・整形外科」
 ・島はどの診療科の医師でも、当直時は受診する様々な症例をすべてを診る
 ・学生の時には「英語」の勉強をしておくと後で必ず役立つ
 ・「産業医」「スポーツドクター」資格取得の話
icon_arrow.gifグループ③「内科」
 ・パートナーとの家事・育児分担の話
 ・総合診療医や離島でのプライマリケアの話
icon_arrow.gifグループ④「外科・産婦人科」
 ・女性外科医として体力面について
 ・病棟実習では医療面接、コミュニケーションの技術を磨いて欲しい
 ・「ユマニチュード」ケアメソッドの紹介
icon_arrow.gifグループ⑤「産婦人科」
 ・島の学校に赴き性教育の講演を行っている
 ・学会はオンライン配信が進み、遠方でも参加しやすくなった
 ・イノシシにぶつかって廃車になった話
 ・大人の女性として、避妊や計画的妊娠を考えよう

【アンケートから抜粋】
<今のお気持ちをお聞かせください>上位3つ、複数回答あり
・キャリア形成(診療科の選択や専門医取得など)の参考にしたい 30人
・様々な働き方をしながら医師を辞めずに継続できそう      19人
・ワークとライフを両立するイメージが明確になった       17人
・不安な気持ちを相談できる部署があって安心した        14人

<学生の感想>
・卒業を控えて将来の働き方や出産育児、産休や育休をどうするか、友人達とも悩むことが多い時期だったので、すごく参考になった。使える制度や支援があると知って安心した。また、産休や育休もブランクではなく、子どもと関わってとても重要な時間というお話を聞いて、将来育休をとることに対しての不安が減った。
・どのようにして専門科を決めたかや研修医のときに取っておいてよかった資格などを聞くことができて、とても有意義な時間になりました。ありがとうございました。
・実際に内科で働いておられる様々な立場の先生方に多くのお話を聞かせていただき、とても参考になりました。また、いろいろな病院で働いておられる先生方だったので、今後病院見学や実際に勤務することになった時に、知っている先生方がおられるということはとても有難いことだし安心できると思いました。

↑先輩医師のご紹介       ↑参加者アンケート結果(クリックください)

<先輩医師の感想>
・学生さん方が、地域で働くことや進路に関して不安も期待もありつつ真剣に考えていることが伝わってきて、私も楽しく過ごせました。
・学生さんが真剣に、時には頷きながら、意見を聞いてくださって嬉しかったです。低学年にも関わらず、将来を見据えた質問をされ、非常に頼もしく感じました。
・産・育休中にも関わらず、このような機会をくださり本当にありがとうございました。休みの間、働いている同僚や世間へ申し訳ない気持ちがずっとありましたので少しでもお役に立てる機会をいただけて嬉しかったです。参加された方々に対馬の魅力を知っていただけてとても嬉しいです。
・第1回に比して、学生さんからもより深い内容のご質問をいただき充実した時間となりました。自分が学生時代に同じように考えていたことを学生さんたちも考え悩んでおり、このような機会をいただいたことで自分自身も振り返るきっかけとなりました。
・急患対応で参加が遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。まだ若輩の身ですが、これからの先生たちの参考になれば幸いです。
・学生のみなさんの考えや先生方のお話を聞くことができて、楽しい時間でした。私が1、2年生の頃は、まだ基礎の解剖や生理学等の授業しかあっていなかったと記憶しますし、何科になりたい、将来どこで働きたい等何にも考えていなかったように思います。今回1、2年生のみなさんも、漠然とでも将来のことや、働く面での不安なことを考えていることがわかりました。養成医の実際についてや、大学病院での話が出ましたので、少しでも参考になればいいなあと思いました。5、6年生のみなさんからはより具体的な質問があり、将来をきちんと見据えていることを感じました。みなさんと病院見学や研修で会えるのを楽しみにしています。

icon_razz.gif初年度となる本会に、2回とも参加した学生は73%でした。その中でも、6年生は数か月後には研修が始まるとのことで、緊張感も感じられました。医学生の今も、卒業して養成医になった将来も、いつでもセンターが仕事と生活の両立に悩んだ時の相談窓口であることを学生へお伝えしました。6年生のキャリア形成がスムーズに進むように祈っています。来年度も開催を計画しますので、先輩医師の皆さん、どうぞよろしくご協力のほど、お願い申し上げます。

2021年10月5日

「医師としてのキャリア継続のため、ワークライフバランスの考え方を知るとともに、医師としての多様な生き方を学ぶ」ことを目的として取り組みました。昨年は、感染症対策のためオンラインでの授業でしたが、今年は対策を講じて対面で行いました。
日 時:2021年9月24日(金)8:50~16:20
対 象:長崎大学医学部医学科3年生(男性83名、女性41名 合計124名)の「医と社会」教育の一環で実施。


↑~講義風景

<ワークライフバランス講義-ビデオ->

長崎大学 理事(学生担当・国際担当) 伊東 昌子 先生
「多様性の尊重とキャリア形成について考える~無意識の偏見~」
思い込み(=無意識の偏見)で物事を判断していないか、感じ方や表現は人によって異なること等を理解し、対人関係を円滑にする術を学びました。また、日本の課題である少子高齢化に伴い、時間制約を持つ人が増えるため、男女共に働く、定年退職後も働く事や、様々な価値観に対応するためになるべく違う条件の人と働く等に、考えを切り替えて生産性を高める必要があると話しました。アカデミアにおける多様性の実現、ジェンダーバランスの取れたチームの生産性は向上することを裏付ける国内外の根拠データを数多く示しました。しかし日本は、諸外国に比べて女性研究者が少なく、その理由を日本の男性研究者は「適性の差」と考える割合が高かったことに疑問を呈しました。その他、長崎大学におけるダイバーシティ推進の取組紹介、書籍を引用して、シェリル・サンドバーグ著「LEAN IN」と「OPTION B」からキャリアの積み方や困難にあった時は次善の選択肢を最大限に利用すべきとの考え方を伝えました。コロナ禍の大学生活を過ごす学生には、まさに「OPTION B」をどう活用するか、「回復する力を鍛えてこれから起きる様々な局面を乗り越えてほしい」とエールを贈りました。

<行政医の紹介-ビデオ->

長崎県上五島保健所 所長(五島振興局上五島支所保健部長) 安藤 隆雄 先生
「行政医の紹介」
 米国ニューヨーク留学中に研究に没頭しつつ子育てを楽しむ充実した日々のお話、帰国後の臨床~研究の様々な業績、行政医になったきっかけ、行政医の業務紹介があり、近況はCOVID-19関連の対応に邁進されていました。「どの分野でも苦労はあるが、やりがいを感じて、医師としての専門性を活かすことが大切」と話しました。

<グループ討論>
仕事と育児の両立を目指す共働き医師が、問題に直面した時にどのように解決していくかを、グループに分かれて討論しました。
 

↑ワークの様子

<医師会の取組紹介>

長崎県医師会 常任理事 瀬戸 牧子 先生
長崎県医師会常任理事の瀬戸牧子先生から、センターと連携して行っている事業「長崎医師保育サポートシステム」「マタニティ白衣貸出」の紹介がありました。行政・大学(病院メディカル・ワークライフバランスセンター)・県医師会が円滑に連携して事業を推進しているところは珍しいため、瀬戸先生は、日本医師会の男女共同参画委員に着任され、全国波及の一助を担われるそうです。医師会活動の紹介や「良い医療者になってください」と学生へ激励の言葉をいただきました。

<発表と先輩医師からのアドバイス>
 事例毎に、12グループが発表しました。他のグループは、相違点や良かった点などを発表しました。

icon_redface.gif医局長やワークライフバランス推進員の先輩医師から貴重なご意見を聴かせていただきました。
 
↑医療教育開発センター 松島 加代子 先生 ↑腎臓内科 阿部 伸一 先生

↑ワークライフバランスコンサルタント 吉岡 和佳子 氏

<ロールモデル医師の講演①-ビデオ->

長崎大学病院 心臓血管外科 准教授 三浦 崇 先生
「外科系診療科における男女共同参画の現状と展望」~心臓血管外科における「育児休業(育休)」取得と「その効果」~
日本外科系連合学会学術集会で発表された動画を三浦先生の許可を得て視聴しました。医局で2名の男性医師が同時期に子どもを授かったことが判明してから、医局長としての対応と医局の現状を見据えて具体的に行ったサポートを説明しました。家事・育児への男女共同参画の好事例となり、「今後も医局内で取得を促し「ワークライフバランス」が充実するようにサポートしていきたい」と話しました。

<ロールモデル医師の講演②-ビデオ->

長崎大学病院 麻酔科 助教 岡田 恭子 先生
「私のワークライフバランス」
2児の母で、麻酔科医として育休明けから徐々に勤務時間を増やし、子どもがいてフルタイムで働き当直も行う女性医師は少数派だが、「自分がどうしたいか」「夫の理解があるか」「子どもの預け先があるか」が大事だと話しました。個性心理学インストラクターや性教育認定講師としてもご活躍です。「「医師としてどう生きたいか」人と比べず「みんな違う」ことを知り理解することで穏やかに過ごせるので参考にしてほしい」と話しました。

<ロールモデル医師の講演③-ビデオ->

長崎大学病院 産科婦人科 医員 野口 将司 先生
「産婦人科医の育休」
「いつか自分に子どもができたら育児休業を取りたいな」と思っていた。妻の妊娠判明時は、自身の「人生の大きな転機だった」と位置づけました。まず育休制度について調べ、給付金制度、条件や期間を検討し上司へ報告、周囲の同僚や後輩へ業務の根回し等を実行したと説明しました。育休期間は1か月間で、家族でゆっくりと充実した日々を過ごせたと話しました。本来は、妻の体調が一番辛い時期(生後すぐ~3か月頃)に取得したかったが、条件面で叶わなかった。しかし、育児・介護休業法の改正により、2022年4月から段階的に条件が緩和されるので、2人目ができたら、男性版の産休や育休を取りたい、育休を取得してみて、人生において「家族との時間が一番大事」だと痛感した。育休を取るのが目的ではなく、「家族を支えるのが目的」と締めくくりました。

<メディカル・ワークライフバランスセンターの取組紹介>

↑長崎大学病院メディカル・ワークライフバランスセンター 副センター長 南 貴子 先生
「メディカル・ワークライフバランスセンターの取組紹介」
最後に、南先生よりセンターの「医学生・研修医Q&A」「私たちのワークライフバランス実践術」「輝く卒業生インタビュー」「育休取得者へのキャリアコンサルティング」「マタニティ白衣の貸出」「復職&リフレッシュトレーニング」「長崎医師保育サポートシステム」「研修病院ワークライフバランス推進員との連携」等々の取組を紹介しました。
 また、南先生のキャリア年表を示し、「道のりも歩むスピードも多種多様。子どもを授かった時の相談や介護相談もできるので、両立に悩んだ際はセンターへ相談してほしい」と話しました。

icon_exclaim.gifその他、グーグルフォームによる「講義前後アンケート」の実施や「キャリア&ライフ未来年表」の作成等、盛りだくさんのキャリア講習会でした。

<講義前後アンケートの集計結果抜粋>
●2021年度の受講予定者124名(男性83名、女性41名(女性の割合33%))のうち、アンケート回答者は、講義前108名、講義後98名でした。「ワークライフバランス」の言葉も内容も知っている割合は過去最多の62%で、小・中・高校の授業で学んだり、様々なメディアで取り上げられ、浸透しています。
●現時点での将来の不安については、講義の前後で、不安がある割合は共に50%以上(前60%→後50%)であったものの、不安がない割合は少し増加(前24%→後27%)しました。講義後に、講義前と比べて不安が減った・なくなったと答えた割合は57%で、学生の半分以上は、不安を抱えながらも、本講義で不安を軽減できたようです。将来に対する不安の内容(複数選択)で一番多いのは「仕事と生活の両立」と「キャリア形成」が共に16%)でした。次は「勤務地」と「診療科の選択」が共に15%で続きました。
「産休」「育休」の言葉はそれぞれほぼ100%の割合で認知され、男性も育休を取ることができると知っている学生も98%と高い割合でした。講義後の「自分も育休を取ってみたい」学生の割合は95%(男性95%、女性94%)でした。講義を受ける前から、育休取得を考える学生が性別を問わず年々増えています。
●将来の進路を決定する時に重視するもの(3つまで選択)のランキングは、講義前:1位「仕事の内容」2位「やりがい」3位「雰囲気の良い科」、講義後:1位「仕事の内容」2位「やりがい」3位「希望するライフスタイルが得られる」でした。講義後は、仕事と生活の両立を重視する学生が増えました。
●仕事と生活の両立については、講義の前後で「できる」前14%→後28%、「なんとかできそう」前48%→後62%へと増加して、講義後の両立への自信は90%と過去最多になりました。「できない」「わからない」の割合はいずれも講義後に減少し、また、「今回の講義が将来役に立ちそうだ」と答えた学生は92%となり、講義の意義があったと感じました。

<学生の感想抜粋>
icon_razz.gif将来のプランは一通りではなく、様々な選択肢があることが分かりました。
icon_razz.gifとても有意義な授業だった。昼休みに友達と将来について話したが、色々な選択があっていいと思う。

icon_razz.gifワークライフバランスについては、常々自分で考えていたので、自分としてはとてもありがたい話題でした。今日の色々な話を聞いて、自分は、悪い方にばかり考えてしまったり、細かいところまで気にしすぎたりしていると気付きました。もっと楽しく将来を見ていきたいと思います。
icon_razz.gif家族との時間と、仕事の両立について不安がありましたが、今回の授業を聞いて、男性の育休について学ぶことができ、また、子どもを産み育てることが仕事に関してマイナスにはあまりならないのだと思えるようになりました。
icon_razz.gif女性として今後経験する結婚、出産に対する不安が軽くなりました。
icon_razz.gifグループワークでリアルな事例に触れて、みんなと意見を交流することでイメージが膨らんだ。
icon_razz.gif自分のしたいこと、希望を前提にしながら結婚等する際はパートナーと話し合ったりして、しっかりとライフプランをしていきたいと思います。
icon_razz.gif男性育休の制度が徐々に整っていて、自分が医師になる頃にはもっと理解のある職場になっているのだろうなと、安心しました。
icon_razz.gif普段気になっていたけど、知ることができなかったことばかりで面白かったです。
icon_razz.gif自分の将来を今までで一番考える時間になりました。

<講義協力者のコメント>
●腎臓内科 阿部 伸一 先生
 大変勉強になりました。私の学生時代はあの様な講義はなかったので、新鮮に感じるとともに今の学生は恵まれているなとうらやましく思いました。
●産科婦人科 松本 加奈子 先生

 今回、同講習会に初めて参加させていただきました。与えられたケースにおける問題とその対応・解決策について、学生さん達が想像力を働かせながらいろいろな角度から考えている姿に感激し、私自身も学ぶことが多くありました。医師にとって、この「想像力」がとても大切だと日々感じています。患者さんはもちろん、同僚・コメディカル・家族など、相手の立場になって考えていくことは、医師として、人としての成長につながると思います。この講習会はぜひ今後も継続していただきたいと思います。
●医療教育開発センター 松島 加代子 先生
子育てについて、アフリカ留学について行くのか、日本で進学させるのか、学生さんと私たちシニアの選択に相違があった場面は興味深かったですね!医師経験を積んでいくなかで、「視野を広げること」、「新しい経験をすること」の重要性を、キャリアとともに強く感じていくのかもしれないなと思った場面でした。年月を経て、自身の考え方や価値観は変化していきます。自分がどうありたいか、そのときの気持ちを是非大事にして、ポジティブに取り組んでみてほしいと思います。ただし、全てが最短距離で到達しようとすることが最善策ではない場合もあります。皆さんを取り巻く人たちの考えも尊重しながら、しっかりと前進していってください。私たち医療教育開発センターも全力で応援します!
●クラスペディア代表 吉岡 和佳子 氏(ワークライフバランスコンサルタント)
年を追うごとに、学生や医療人の方々の意識、そして病院の職場環境が変わってきていることを実感しています。グループワークで取り組むテーマは、簡単には解決できない課題ばかり。発表された結論も多種多様で興味深かったです。今回は「お互いにとって何が一番大切なのか?」を重要視しながら、ポジティブに解決策を考えるグループが多い印象でした。希望する診療科やキャリアの方向性、子育ての方針など、パートナー同士でしっかりと思いを共有し、尊重していくことが大事。現役医師の先輩方が「希望の進路は変えないで」とエールを送り、様々な選択肢や可能性を示してくださる様子を見て、とても心強かったです。

icon_redface.gif今年の講義では、来年2022年度に男性育休の法制度が改正されることを受け、ロールモデル医師3名のうち、1名は男性の育休取得を推進した心臓血管外科の医局長、1名は育休を実際に取得した産科婦人科の男性医師にご協力いただき「男性育休」を大きな柱にしました。
 授業の最後には「キャリア&ライフ未来年表」で自身の人生計画を時系列でイメージしてもらいました。提出のあった70名の男子学生のうち、13名(19%)が、育休取得を明記していました。昨年の2名から増加しているため、今の社会情勢や、今回の授業を受けたことで、育休取得を現実的に捉えることができるようになっていると思います。同じく同数の13名(19%)が、子育てや、家族を大切にすることを記載しており、男子学生の3割以上が、子育てを共有する意識ができているとわかりました。
 アンケート結果からわかるように、これからの若い世代は、夫婦での育休取得が当たり前と考えるようになります。それを受け止めて、組織とその管理職の意識が変わる必要があります。来年度以降、長崎大学病院はじめ長崎県内の医師の育休取得が、希望に沿ったものになるように、センターとして、環境整備を促進したいと思います。

2021年7月27日

 センターでは、医師のキャリア形成・継続のサポートをするために、医学生や研修医等、若い世代を対象として「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会をセンター開設当初より不定期で開催しています。

 2021年度は、将来長崎県養成医として離島・へき地で勤務する義務を持つ、長崎大学医学部・佐賀大学医学部・川崎医科大学の地域枠の女子学生と、自治医科大学の女子学生、初期研修の女性医師を対象に、将来のワークライフバランスに関する不安を軽減する目的で、「養成医のワークとライフを聞いてみよう!ロールモデル探し」と題して、オンライン会を2回行います。

 第1回は、7月10日(土)と11日(日)の2日程に分けて行いました。参加者は両日合わせて総勢44名でした(重複除く)。対象となる39名の女子学生のうち33名と、女性研修医1名が参加しました。センターからお声かけをして、現役や元養成医の先輩医師8名と長崎県医師会常任理事 瀬戸牧子先生のご協力を得ました。センターが先輩医師と参加者を5グループに振り分け、各グループ90分間を目処にZoomを用いたオンライン会で意見交流しました。結婚・妊娠・出産・育児休業・子育てのこと、研修病院選び、専門医取得、医局入局についてなど、9年間の義務年限と関係する内容の質問に対して、先輩医師がご自身の経験や周囲の女性医師の働き方の状況を交えながら、丁寧にアドバイスしました。
 センターは、5グループ全てのオンライン会に司会進行兼アドバイザーとして同席し、あじさいプロジェクト活動で把握したデータや情報を共有しました。県内の病院に勤務する女性医師の分布図、マタニティ白衣貸出事業から判明した女性医師の第1子妊娠時年齢(平均年齢32.6歳)、育休制度と義務年限についての注意点、義務年限修了後、長崎大学病院で活躍中の医師の紹介などを話しました。
 
【アンケートから抜粋】
<今のお気持ちをお聞かせください>上位3つ、複数回答あり
・キャリア形成(診療科の選択や専門医取得など)の参考にしたい 27人
・ワークとライフを両立するイメージが明確になった       24人
・共働きするには、パートナーの理解と協力が必要だと感じた   17人

<感想>
・先輩方がどのように子育てやキャリアアップをしていかれたのかを知ることができ、将来をイメージすることができました。また、「相談などがあればいつでも連絡ください」と言ってくださったのが本当に心強く、有り難かったです。
・女性だけが集まり話し合う機会は新鮮で、違った視点から医療現場の雰囲気を知ることができて、とても良かったです。
・結婚や出産のタイミングなど気にはなっているけれど、これまで質問しづらかった部分を丁寧に説明してくださり、将来のビジョンを考える場となりました。
・地域特別枠で大学に入学して、研修医として働いている先輩方のお話を聞くことができ、少し不安が解消されました。離島で医師として働くことや、義務年数のことなどしっかり理解しておらず、イメージがあまりついていなかったけれど、お話を聞いて離島での生活や医療、大学卒業後のことについて考えることができました。

↑先輩医師のご紹介       ↑参加者アンケート結果

 icon_razz.gif約9割の参加者が「都合が合えば、また参加したい」と満足度の高い大変有意義な会になりました。若い世代が、少しでも将来への不安を払拭して、養成医として離島勤務に臨めるように、環境整備を含め、支援活動を引き続き行ってまいります。あじさいプロジェクト活動へのご支援・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

2021年1月21日

 2021年1月19日(火)、COVID-19診療がひっ迫する状況ではありましたが、オンラインにて「チーム医療の質を高める 医師の接遇スキル ~トラブルを回避し、働きやすい職場をつくるためのコミュニケーション研修~」を長崎大学「ワークスタイルイノベーション」プログラムの一環として開催しました。
 本研修は、長崎大学病院に勤務する医師を対象に、接遇向上が医療安全につながることを学び、チーム医療の質を高めるコミュニケーション技術を実践に生かすことを目的として行いました。
 講師として、ラ・ポール株式会社代表取締役の福岡かつよ先生にリモート講演いただきました。福岡先生は、20年余りにわたり、医療・介護に特化した「医療接遇コンサルタント」として、大学病院からクリニックまで幅広くコンサルティング活動をされています。

 参加者は16名で、年齢層の割合は、20代、30代、40代、50代以上がそれぞれ25%ずつと均等でした。研修では、医療現場での具体例を挙げた解説があり、自分や相手の「認識スタイル」を理解して会話をすることが大切で、個人の特性によってパフォーマンスや結果に至るプロセスが異なるとのアドバイスがありました。また、個々の「認識スタイル」の傾向からバランスよくチームを組むと円滑にプロジェクトが進むことを話されました。

 年齢層別のグループワークでは、①なぜ、医療現場では『接遇・コミュニケーション』が必要で重要なのか ②どうして自分の話が相手に理解されないのか ③どのような自分とのコミュニケーションが大切かについて、ディスカッションを行いました。初診の患者さんに説明をする時、内科系の先生は、症状が良くなる話を考える、一方外科系の先生は、症状が悪くならない話を考える、と診療科の分類で二分する面白い結果が出たと発表がありました。患者さんの希望・方向性を確認して、説明の重点をどちらにおくかを考えることで、伝わりやすく満足・納得してもらえる診察が行えるようです。

<参加者の声>
・『何となく伝わらない』ではなく、相手の思考タイプを考えることでお互いストレスなくコミュニケーションが取れると分かった。
・治療の際の説明の仕方にも方向性や患者さんの感じ方が異なることを知り、医師間でも違うことを実感した。自分の分析をまずしてみたい。
・話が通じないと思うことが稀にあったが、今回の研修を通じて見方が変わった。他人を尊重することの必要性を感じた。
・チーム医療における自己と他者の関係について、これまで深く考えたことがなかった。「20歳」を過ぎてからは基本的に人は変わらないものと考えているが、その中でoutputはチームにおいてどのように変えるのが必要か考えさせられた。大変面白く、自分を改めて見つめ直せた。
icon_redface.gifまず自己理解がコミュニケーションを図るうえで重要であることに気づき、良好で働きやすい職場環境づくりがチーム医療の質を高めることをイメージできた様子でした。

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