センターでは、医師のキャリア形成・継続のサポートをするために、医学生や研修医等、若い世代を対象として「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会をセンター開設当初より不定期で開催しています。
2021年度は、将来長崎県養成医として離島・へき地で勤務する義務を持つ、長崎大学医学部・佐賀大学医学部・川崎医科大学の地域枠の女子学生と、自治医科大学の女子学生、初期研修の女性医師を対象に、将来のワークライフバランスに関する不安を軽減する目的で、「養成医のワークとライフを聞いてみよう!ロールモデル探し」と題して、オンライン会を2回行います。
第1回は、7月10日(土)と11日(日)の2日程に分けて行いました。参加者は両日合わせて総勢44名でした(重複除く)。対象となる39名の女子学生のうち33名と、女性研修医1名が参加しました。センターからお声かけをして、現役や元養成医の先輩医師8名と長崎県医師会常任理事 瀬戸牧子先生のご協力を得ました。センターが先輩医師と参加者を5グループに振り分け、各グループ90分間を目処にZoomを用いたオンライン会で意見交流しました。結婚・妊娠・出産・育児休業・子育てのこと、研修病院選び、専門医取得、医局入局についてなど、9年間の義務年限と関係する内容の質問に対して、先輩医師がご自身の経験や周囲の女性医師の働き方の状況を交えながら、丁寧にアドバイスしました。
センターは、5グループ全てのオンライン会に司会進行兼アドバイザーとして同席し、あじさいプロジェクト活動で把握したデータや情報を共有しました。県内の病院に勤務する女性医師の分布図、マタニティ白衣貸出事業から判明した女性医師の第1子妊娠時年齢(平均年齢32.6歳)、育休制度と義務年限についての注意点、義務年限修了後、長崎大学病院で活躍中の医師の紹介などを話しました。
【アンケートから抜粋】
<今のお気持ちをお聞かせください>上位3つ、複数回答あり
・キャリア形成(診療科の選択や専門医取得など)の参考にしたい 27人
・ワークとライフを両立するイメージが明確になった 24人
・共働きするには、パートナーの理解と協力が必要だと感じた 17人
<感想>
・先輩方がどのように子育てやキャリアアップをしていかれたのかを知ることができ、将来をイメージすることができました。また、「相談などがあればいつでも連絡ください」と言ってくださったのが本当に心強く、有り難かったです。
・女性だけが集まり話し合う機会は新鮮で、違った視点から医療現場の雰囲気を知ることができて、とても良かったです。
・結婚や出産のタイミングなど気にはなっているけれど、これまで質問しづらかった部分を丁寧に説明してくださり、将来のビジョンを考える場となりました。
・地域特別枠で大学に入学して、研修医として働いている先輩方のお話を聞くことができ、少し不安が解消されました。離島で医師として働くことや、義務年数のことなどしっかり理解しておらず、イメージがあまりついていなかったけれど、お話を聞いて離島での生活や医療、大学卒業後のことについて考えることができました。
↑先輩医師のご紹介 ↑参加者アンケート結果
約9割の参加者が「都合が合えば、また参加したい」と満足度の高い大変有意義な会になりました。若い世代が、少しでも将来への不安を払拭して、養成医として離島勤務に臨めるように、環境整備を含め、支援活動を引き続き行ってまいります。あじさいプロジェクト活動へのご支援・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
2021年1月19日(火)、COVID-19診療がひっ迫する状況ではありましたが、オンラインにて「チーム医療の質を高める 医師の接遇スキル ~トラブルを回避し、働きやすい職場をつくるためのコミュニケーション研修~」を長崎大学「ワークスタイルイノベーション」プログラムの一環として開催しました。
本研修は、長崎大学病院に勤務する医師を対象に、接遇向上が医療安全につながることを学び、チーム医療の質を高めるコミュニケーション技術を実践に生かすことを目的として行いました。
講師として、ラ・ポール株式会社代表取締役の福岡かつよ先生にリモート講演いただきました。福岡先生は、20年余りにわたり、医療・介護に特化した「医療接遇コンサルタント」として、大学病院からクリニックまで幅広くコンサルティング活動をされています。
参加者は16名で、年齢層の割合は、20代、30代、40代、50代以上がそれぞれ25%ずつと均等でした。研修では、医療現場での具体例を挙げた解説があり、自分や相手の「認識スタイル」を理解して会話をすることが大切で、個人の特性によってパフォーマンスや結果に至るプロセスが異なるとのアドバイスがありました。また、個々の「認識スタイル」の傾向からバランスよくチームを組むと円滑にプロジェクトが進むことを話されました。
年齢層別のグループワークでは、①なぜ、医療現場では『接遇・コミュニケーション』が必要で重要なのか ②どうして自分の話が相手に理解されないのか ③どのような自分とのコミュニケーションが大切かについて、ディスカッションを行いました。初診の患者さんに説明をする時、内科系の先生は、症状が良くなる話を考える、一方外科系の先生は、症状が悪くならない話を考える、と診療科の分類で二分する面白い結果が出たと発表がありました。患者さんの希望・方向性を確認して、説明の重点をどちらにおくかを考えることで、伝わりやすく満足・納得してもらえる診察が行えるようです。
<参加者の声>
・『何となく伝わらない』ではなく、相手の思考タイプを考えることでお互いストレスなくコミュニケーションが取れると分かった。
・治療の際の説明の仕方にも方向性や患者さんの感じ方が異なることを知り、医師間でも違うことを実感した。自分の分析をまずしてみたい。
・話が通じないと思うことが稀にあったが、今回の研修を通じて見方が変わった。他人を尊重することの必要性を感じた。
・チーム医療における自己と他者の関係について、これまで深く考えたことがなかった。「20歳」を過ぎてからは基本的に人は変わらないものと考えているが、その中でoutputはチームにおいてどのように変えるのが必要か考えさせられた。大変面白く、自分を改めて見つめ直せた。まず自己理解がコミュニケーションを図るうえで重要であることに気づき、良好で働きやすい職場環境づくりがチーム医療の質を高めることをイメージできた様子でした。
患者さんやスタッフとのコミュニケーションは、チーム医療の質や医師の働きやすさにつながる重大テーマであると考えられます。医師のコミュニケーションギャップを解消するためには、どうしたらいいのか。医師が自分の伝えたいことを相手に理解してもらうにはどうしたらいいのか。医療専門の接遇コンサルタントをお迎えして、「接遇向上が医療安全につながる」ことを学び、限られた時間の中で、相手のニーズを聞き出す手法などを教えていただきます。
本セミナーは、長崎大学「ワークスタイルイノベーション」プログラムの一環で開催します。働き方見直しのヒントを見つけてください。
【日 時】 2021年1月19日(火)18:00~19:00+質疑応答
【会 場】 長崎大学病院 第一会議室(定員45名)
またはオンライン(Zoom)
【実施方法】 オンライン形式 ※講師はリモート参加
【対 象】 長崎大学病院に勤務する医師
【講 師】 福岡かつよ氏
(医療接遇コンサルタント/ラ・ポール株式会社代表取締役)
「チーム医療の質を高める 医師の接遇スキル
~トラブルを回避し、働きやすい職場をつくるためのコミュニケーション研修~」
【Web申込フォーム】 https://forms.gle/rJpRJFAnGT6m4Kxe7
※事前にWeb申込フォームよりお申し込みください。
申込締切1月12日(火)
★無料託児サービスについて★
メディカル・ワークライフバランスセンターでは、夕方以降開催の会議や勉強会出席のための託児サービス「イブニングシッター」を行っています。ご希望の方はイブニングシッター「託児申込書」(PDF版・Word版)を利用1週間前までにセンターへご提出ください。
【お問い合わせ】 メディカル・ワークライフバランスセンター
E-MAIL:info01アットマークnagasaki-ajisai.jp
(「アットマーク」を「@」に換えて下さい)
「医師としてのキャリア継続のため、ワークライフバランスの考え方を知るとともに、医師としての多様な生き方を学ぶ」ことを目的として取り組みました。今年は、感染症対策のため、オンラインでの授業となりました。
日 時:2020年10月9日(金)8:50~16:20
対 象:長崎大学医学部医学科3年生(男性86名、女性44名 合計130名)の「医と社会」教育の一環で実施。
<ワークライフバランス講義-ビデオ->
放送大学 長崎学習センター 所長 伊東昌子先生
「アカデミックキャリアにおける「多様性」と「生産性」を意識した働き方」
アカデミアにおける多様性の実現、ジェンダーバランスの取れたチームの生産性は向上することを裏付ける国内外の根拠データを数多く示しました。しかし日本は、諸外国に比べて女性研究者が少ない現状を、情報を分析して解説しました。女性活躍推進のために必要なインフラ整備や制度、積極的な女性登用が求められており、ジェンダーに基づく固定観念や偏見の解消は特に重要であると話しました。
また、長崎大学の「働き方見直しプログラム」の取組紹介を交えながら、「働き方改革」とは、「残業時間を減らす」「余暇の取り方」「勤務形態の多様化」などがゴールだと捉えられがちだが、あくまで手段であり、「自分はこうしたい」「仕事を通じてこういう価値を生み出したい」という強い自己を育てることがゴールであるべき。人の時間も尊重して、自分の時間を大切にすることが、働き方見直しの基本的な心構えだと話しました。
<特別講演-ビデオ->
広島大学医学部附属医学教育センター長/大学院医系科学研究科 教授 蓮沼直子先生
「自分の未来を考えよう!<医学生のためのキャリア入門>」
蓮沼先生は皮膚科専門医で、米国への研究留学や数年間の子育てによる離職期間があるなど、経験豊かな先生です。多角的な視点をお持ちの蓮沼先生は、医学生の入学から卒業までのサポートや医療者プロフェッショナリズム、医療コミュニケーション、医療倫理、医療キャリア、臨床実習入門など多岐に渡る講義を手掛ける優秀な医学教育者です。
講演では、学生が今、意識して過ごすべきことを具体的にイメージしやすい事例を挙げて話しました。キャリアの考え方では、自分の轍を時々振り返り「自分をよく知ること」、キャリアアンカー(仕事人生上の碇)となる「自分が絶対に捨てたくない」コア(核)な部分を探求し、しっかり据えること、目標達成のために有用なツールの紹介、ご自身のキャリア形成や留学経験の中で取捨選択してきたことを踏まえ「人生にたった一つの正解なんてない」、本人がより良い人生を送れるように、身近な人たちも含め、様々なキャリア形成について理解を深めよう、と締めくくりました。
<グループ討論-Zoom->
仕事と育児の両立を目指す共働き医師が、問題に直面した時にどのように解決していくかを、グループに分かれて討論しました。
<発表と先輩医師からのアドバイス-Zoom->
事例毎に、10グループが発表しました。オンライン発表のため、聴講者の反応がわからず、手応えをリアルタイムで感じることができませんでしたが、質問は、チャット機能で対応できたり、室内を移動する等の動線が無く時間短縮ができる、ペーパーレス等、オンライン授業と対面授業のメリット・デメリットを知ることができました。
【事例1】3グループ
子どもが熱を出した時の対応を検討する設定で、病児保育施設へ連れて行く、子の看護休暇制度を利用する、午前と午後で夫婦が交代で休みを取得する、という解決策は、例年の講義の中でも出た事がありましたが、今年は「プレゼンをオンラインでする」という世相を表す解決策がありました。
【第一内科 辻良香先生アドバイス】
・ライフスタイルや病状に合わせた施設やサービスの情報を集めておく。
・事前登録が必要な場合もあるので、利用方法や休診時間等の特徴を調べて、準備しておく。
・病児保育施設は、受け入れ人数に限りがあるので、診療時間開始と同時に電話予約が必須。
【広島大学 蓮沼直子先生アドバイス】
・本ケースは夫が異業種のため仕事の調整が難しいが、医師夫婦であれば、固定した業務(曜日毎の外来や手術)を夫婦ずらして入るように医局へ相談して、どちらかが休みを取得しやすいように対策をした事例がある。
【事例2】3グループ
夫婦共に緊急呼び出しの多い診療科での後期研修を希望している設定です。働く環境を優先した考え方:研修先病院に院内保育施設があるか、テレワークができるか等を十分検討して2人で決める。子育て環境を優先した考え方:地元の研修先病院近くの保育所や親の助けを借りる。ほかにも希望の診療科に進むタイミングを少し先延ばしにするといった視点もありました。
【医療教育開発センター 松島加代子先生アドバイス】
・進路選択の際は、個人の事情をどれだけ重要視して対応してくれる病院かをリサーチして就職した方が良い。
・複数主治医制が導入されているか、男性の育児休業取得実績があるかなどでも就労環境の整備状況を判断できる。
・自分が希望する診療科や行きたい病院を選ぶことは、医師として働き続けるモチベーションを保つために最も重要である。
【事例3】2グループ
妻に国内留学の話が出た設定で、妻の希望を叶えるため、長期研修期間は、夫は実家に子どもを預けたり、勤務先の院内保育施設を利用する、様々な子育て支援サービスを利用するという解決策が出ました。事例1と同じく、「これからの社会では、リモート研修のシステム構築を考えなければいけない」という新たな案も出ました。
【循環器内科 泉田誠也先生アドバイス】
・妻のキャリアアップの意志を夫は尊重するべき。
・夫は医局と相談が必要。妻が不在の半年間の業務を見直す、勤務先を調整するなどのすり合わせに対応してもらえるか確認する。
【センターからアドバイス】
・親に子どもを預けるという解決策が例年よく出るが、現実的に可能なのか、一度親の意向を尋ねてみてほしい。
・長崎には、「長崎医師保育サポートシステム」があり、保育サポーターに支えられて働く医師がいる事を覚えておいてほしい。
【第一内科 辻良香先生アドバイス】
・他の選択肢として、子どもが小さいため長期研修の時期を見直す、夫が可能であれば家族一緒に引っ越すという事例もある。
【事例4】2グループ
子どもの成長と共に、妻が当直を担うことを医局から打診されている設定です。夫が子育てに協力的になること、医局間でスケジュール管理をする、妻の当直時に夫が呼び出された時の対応を事前に備えておく、親のサポートや周囲のアドバイスをもらいつつ、夫婦で計画を立てて段階的に育児をしていく、夫婦仲を取り持つためにも2人で育児を行おう!という解決策が出ました。
【広島大学 蓮沼直子先生アドバイス】
・パートナーとよく話し合って役割分担することはとても重要。
・専門医取得条件に当直歴が関係することもあり、資格取得のために生活のサポート体制を整えた事例紹介。
・女性の愛情曲線の話を紹介:大変な乳幼児期に「夫と二人で子育てした」と回答した女性たちの夫への愛情は回復し、「私一人で子育てした」と回答した女性たちの愛情は低迷。
(出典)東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長 渥美由喜著「夫婦の愛情曲線の変遷」 引用:東京都東京ウィメンズプラザホームページ
<ロールモデル医師の講演①-ビデオ->
長崎大学病院 脳神経内科 助教 吉村俊祐先生
「医師のワークライフバランスについて」
若くして身近な人と死別してきた経験が、人生観、価値観を考えるきっかけとなったと話しました。2人のお子さん(もうすぐ第3子誕生)の成長に寄り添う平日と休日のタイムスケジュールを示し、「子育てはいつか終わりが来る」と、大切に毎日を過ごすことを意識されていました。学生に「パートナー選びは大切」「どうして医師を目指すのか、どういう将来像を目指すのか」は、忘れずに過ごしてほしいとアドバイスしました。
<ロールモデル医師の講演②-ビデオ->
長崎大学病院 麻酔科 助教 吉﨑真依先生
「私のメディカルワークライフバランス」
県外出身のご夫妻で、長崎に頼る親戚がいないため、保育園、病児保育施設、長崎医師保育サポートシステムの保育サポーター等、周りのサポート環境無くしては仕事と家庭の両立は困難だと話しました。仕事・職場の業務に関して、麻酔科全体として個人を支えるシステムがあること、家庭の子育てに関して、施設全体として個人(医師)を支えるシステムがあることが、ワークライフバランス維持には重要な要素だと説明しました。しかし、環境や制度が整っても、母親医師の多くは「欠勤することの申し訳なさ」「当直免除等により他の医師へかける負担」「子どもへの罪悪感」等、引け目を感じつつ両立して働く難しさがあると話しました。毎日が試行錯誤だが、仕事上の責任を果たすために、周りへの感謝は必要だが引け目は不要と考えている。「自分を活かせる働き方を見つけてほしい」と学生にエールを送りました。
<メディカル・ワークライフバランスセンターの取組紹介-Zoom->
長崎大学病院メディカル・ワークライフバランスセンター 副センター長 南貴子先生
最後に、南先生よりセンターのWebサイトを画面共有しながら「医学生・研修医Q&A」「私たちのワークライフバランス実践術」「輝く卒業生インタビュー」「育休取得者へのキャリアコンサルティング」「マタニティ白衣の貸出」「復職&リフレッシュトレーニング」「長崎医師保育サポートシステム」「研修病院ワークライフバランス推進員との連携」等々の取組を紹介しました。
また、南先生のキャリア年表を示し、道のりも歩むスピードも多種多様。今日の授業で調べたり、得たりした情報を自分なりに解釈し、仕事と生活のどちらもやりがいを感じていけるように活かしてほしい。どのタイミングで子どもを授かったとしても、両立に悩んだ際はセンターへ相談してほしいと話しました。
その他、グーグルフォームによる「講義前後アンケート」の実施や「キャリア&ライフ未来年表」の課題提出をもって出席扱いとなる、盛りだくさんのキャリア講習会でした。
<講義前後アンケートの集計結果抜粋>
●2020年度の受講予定者130名の学生のうち、男性86名、女性44名(女性の割合34%)で、2014年度から例年行っている講義の中で、女性の割合が一番多い年でした。「男女共同参画」の言葉も内容も知っている割合は52%、「ワークライフバランス」は53%で過去最多でした。若い世代には、言葉が定着し、考え方も浸透していきていると思われます。
●現時点での将来の不安については、講義の前後で、不安がある割合は共に50%以上(前59%→後52%)であったものの、不安がない割合は少し増加(前25%→後33%)しました。講義後に、講義前と比べて不安が減った・なくなったと答えた割合は56%で、学生の半分以上は、不安を抱えながらも、本講義で不安を軽減できたようです。将来に対する不安の内容(複数選択)で一番多いのは「仕事と生活の両立」(18%)でした。次は「勤務地」と「診療科の選択」が同数(15%)で続きました。
●「産休」「育休」の言葉はそれぞれ97%以上の割合で認知され、男性も育休を取ることができると知っている割合も99%と過去最多を更新しました。講義後の「自分も育休を取ってみたい」学生の割合は93%(男性93%、女性91%)の結果でした。これからの世代は、「育休取得は男女共に当たり前」と学んで社会に出てくるため、職場の上司・管理職の意識改革、組織の働き方改革は、優秀な人材を確保するためにも喫緊の課題です。
●将来の進路を決定する時に重視するもの(3つまで選択)のランキングでは、1位は講義前後共に「仕事の内容」、次に講義前は「希望するライフスタイルが得られる」「雰囲気の良い診療科」「収入」と続き、講義後は「やりがい」「雰囲気の良い診療科」「希望するライフスタイルが得られる」となりました。仕事にやりがいを感じながら生活を両立できて、雰囲気の良い診療科を若い世代は求めているようです。
●生活と仕事の両立については、講義の前後で「できる」前14%→後20%、「なんとかできそう」前49%→後64%へと増加して、講義後の両立への自信は84%と高い割合に到達しました。「できない」「わからない」の割合はいずれも講義後に減少し、また、「今回の講義が将来役に立ちそうだ」と答えた学生は95%となり、講義の意義があったと感じました。
<学生の感想抜粋>
医師となったのちの職業で用いる技術・知識ではなく、働いていない部分で必要となる知識を多く知ることができた。このような講義は他にないので、とてもためになった。(男性)
今まで受けてきた医と社の授業の中で、一番身近で自分の事としてためになる授業だと思いました。ロールモデルの先生たちの一日の流れをみて、将来が想像できて、とてもためになりました。(女性)
グループワークを通して、ワークライフバランスを保つための様々な方法があることに気づくことができました。また、育児のために仕事を犠牲にすることがないようにすることも大切だと知りました。(男性)
病児保育施設があること、日本にもベビーシッターがいることを初めて知って、子どもを持つことに対する不安が少し減りました。また、夫婦で医者をやっていて、お互いを尊重しつつ子育てやキャリアのために連携してる人たちが意外と多く、大変な事だとは思うけど、両立する方法はいろいろあることを知れて、未来が明るくなりました。お互いに尊重しあえるパートナーが欲しいと思いました。(女性)
この手の問題は人によって状況も異なり、また人によって感じ方も異なるので、極めて多様なものなので、いかにそれぞれの問題に多くの人が関わり、知恵を出し合うかで結果や納得度が変わってくると思います。そういった意味では、サポート体制が肝であり、長崎大学はそのサポート体制が充実しており、またそのことを学生の内から授業で気付ける機会が与えられているのはとても良いことだと思いました。(男性)
<講義協力者のコメント>
●医療教育開発センター 松島加代子先生
学⽣が真剣に⾃分たちの事と捉え具体的に解決策を考えていた。グループワークではお互 いの意⾒が参考になったと思う。みなさんを受け⼊れる私たち管理側の⽴場としても、働き方の制度や職場環境をしっかり整えていこうという責任を感じた。学⽣がオンラインでの講義が増え、十分に順応できている。コロナ禍で大変な部分も多いと思うが、私たちもこの状況をむしろ良い⽅向に働かせられるよう、今後オンライ ンでのレクチャーとか企画を計画していきたい。 みなさんの将来を楽しみにしています。応援していますので何かあったら連絡をください。
●第一内科 辻良香先生
自分の学生時代に「医師のワークライフバランス」について考える機会がなかったので、とても新鮮だった。学生も情報をよく調べていて、今後の人生に役立つと思う。学生の考えた選択肢にあるような視野の広さを持って子育てができたら、楽しく「ワークライフバランス」を実現できそう。
●循環器内科 泉田誠也先生
何事も準備が大事。自分やパートナーが何をしたいのか、どうありたいのか、をすり合わせておくと良い。親が近くにいない事は子育てをするうえで、かなりのハンディキャップがある。
●ワークライフバランスコンサルタント 吉岡和佳子氏
蓮沼先生は本講義のオリジナルを構築された先生で、2013年当時秋田大学へ前伊東昌子センター長と一緒に見学し、「これは面白い」と2014年から長崎大学仕様にアレンジを加えて講義に取り入れられている。当初から現在までの7年間で学生の発表内容にも変化が見られた。どちらかが夢を諦めるという選択肢は減り、しっかり話し合いながら、優先順位をどうするか、どういうサービスを利用して子育て期を乗り切るかという所まで考えられていて感心した。様々な方法や考え方がある中で、パートナー同士で納得して出した答えが正解であり、後悔をしないと思う。仕事も子育ても夫婦で関わりあっていくことが大切。リモートの会議や学会などはオンラインで開催される機会も増え、子育て中でも色んな可能性が広がってきているので、チャンスを掴んでほしい。
●広島大学 蓮沼直子先生
建設的な意⾒がたくさん挙がって素晴らしかった。消化器外科の⼥性医師⽀援に少し関わったことがあるが、⼿術指導をリモートで⾏うことが始まっていると聞いている。⼿術の録画やライブでの遠隔指導と実地指導のハイブリッドプログラムだったと思う。また、⼥性医師の活躍のために男性医師が働き⽅を変えて育休を取得したり、時短で働くケースもある。親が⼦育てを協⼒してくれるには条件があり①健康であること②仕事をしているか③良い関係であるかが問題になる。⾃分が医師として、⼈としてどういう⼈⽣を歩みたいかをパートナーや家族と模索していくことになるのだと思う。⻑崎⼤学病院にはメディカル・ワークライフバランスセンターや諸先輩医師の話を聞くことができる今回のような機会があって素晴らしいと思う。
学生の感想では、「グループワークで知識を深められた」「医師の実際の仕事と生活の話を聞くことができて良かった」というコメントが男女共に多数ありました。両立支援の制度やサービスについて、学生のうちから知識を得ておくことは、きっと将来の役に立つことでしょう。課題とした「キャリア&ライフ未来年表」では、2人の男性が、育休を取得する将来を思い描いていました。実際に、この学年には育休を取得した経験のある男性もいましたので、男性の育休取得はかなり身近になってきていると感じました。また、年表内の「なりたい医師像」は、「信頼される医師」「専門的技術に優れる医師」「コミュニケーション能力の高い医師」を目標に掲げる学生が多く、「海外で活躍する」ことを希望する学生も複数いました。「なりたい人間像」では、初めて「良いパパになりたい」と考えた学生が複数あり、ロールモデル医師としてご講演いただいた、吉村先生の忙しくても充実した素晴らしい生活が共感を呼び、学生の将来へ良い影響を与えたのだと思います。家族を愛する素敵な大人の男性になって欲しいと思います。私どもセンターとしても達成感のある講義でした。
「医師としてのキャリア継続のため、ワークライフバランスの考え方を知るとともに、医師としての多様な生き方を学ぶ」ことを目的として取り組みました。
日 時:2019年10月4日(金)8:50~16:20
対 象:長崎大学医学部医学科3年生(男性86名、女性35名 合計121名)の「医と社会」教育の一環で実施。
<ワークライフバランス講義>
放送大学 長崎学習センター 所長 伊東昌子先生に「ワークライフバランスとダイバーシティ」と題して講義を行っていただきました。ジェンダー平等を推進するには、選ぶ側の無意識の偏見と選ばれる側の無意識の偏見(例えばインポスター症候群)など、女性の活躍を妨げる要因を知ることが必要との説明がありました。また、女性の管理職が多い企業は、経営状況が良いことや夫の育児参画時間に比例して、第2子の出生率が上がることなど、真の男女共同参画社会づくりに必要な多くのデータを示しました。
続いて、県南保健所長である川上総子先生にお越しいただきました。
卒後外科に入局し、結婚・子育てをしながら行政医師に転向した経緯について話され、現在の保健所長としての仕事内容や全国保健所長会が制作した公衆衛生医師募集のパンフレットを紹介しました。仕事のやりがいとして、臨床医の経験を活かして国に制度制定の必要性を働きかけることができる、生活面では時間調整がしやすく、子育て中でも継続して働きやすいことなどを実生活の様子を交えて話しました。
<特別講演「これが私の生きる道」>
今回初めての男性講師による特別講演でした。長崎大学医歯薬学総合研究科 地域包括ケア教育センター長 教授 永田 康浩先生より、子どもの頃の家庭環境、外科医・研究者としての業績、今の地域包括ケアの取組についてお話しいただき、職場での多職種連携・コミュニケ―ションが大事であることを伝えました。学生時代に当時の教授から「英語」「カメラ」「タイプライター」を身につけておくと良いとアドバイスを受けたそうです。今の学生の立場で考えると「多職種連携・コミュニケーション」「百聞は一見にしかず」「発信する力・創造する力」に置き換えられるのではないか、と締めくくりました。
<グループ討論>
仕事と育児の両立を目指す共働き医師夫婦が、問題に直面した時にどのように解決していくかを、グループに分かれて討論しました。
午後の最初は、長崎大学病院 腫瘍外科・呼吸器外科 畑地豪先生のお話でした。医師夫婦が家事・育児を分担しながら、お子さん3人との家庭生活と、手術や研究の仕事との両立をする、ある一日の「外科医同士の夫婦・子育てってどんな生活?」と題したタイムスケジュールを示され、効率よく、優先順位を決めて過ごす医師のリアルな日常生活を学生に話しました。
長崎県医師会 常任理事および、ながさき女性医師の会 会長の瀬戸牧子先生から、日本医師会の「ドクタラーゼ別冊~医師会のことをもっとよく知ってもらうために~」の配布と医師会活動の紹介がありました。また、ながさき女性医師の会主催の市民公開講座 がんと診断されても・・・「私らしく生きる!・・・がんと女性の妊孕性」開催日時10月26日(土)14時~のイベント紹介がありました。学生講義の初年度から医師会よりお弁当とお茶を提供していただき、学生からは「美味しかった!」と好評です。
通称「医師会弁当」
<ロールプレイング発表>
事例ごとに、選ばれた1グループが夫婦や上司などの立場でセリフを考えてロールプレイングで発表しました。他のグループは、相違点や良かった点などを発表しました。
【事例1】
子どもが熱を出した時の設定で、病児保育施設へ連れていく結論でした。「保育サポートHANDBOOK」を参照し、預ける病児保育施設を決めることはできましたが、予定の入った夫婦のどちらが連れていくかは、明らかになりませんでした。
【アドバイス】
先輩医師からは、病児保育施設は朝9時からの受診受付のため、どうしても始業に遅刻する。夫婦や保育サポーターとあらかじめケースを想定して連携を相談しておくこと、施設の利用方法などを事前に調べておくことなどの意見が挙がりました。
【事例2】
夫婦ともに緊急呼び出しの多い科での後期研修を希望している設定で、研修先は他県の夫の地元にして、親の助けを借りながら、希望の診療科で働く結論でした。
【アドバイス】
先輩医師からは、親の助けを得るにも、年齢と体力的に子育てにずっと関わることは難しいので、長期的に考えて、距離感や頼み方のルール決め、不測の事態を想定する必要がある、などの意見が挙がりました。センターからは、希望の診療科は変えずに、好きな科を選ぶことが長く働き続けられる秘訣という先輩医師の意見が多いこと、親に頼れるのかを一度確認してみることを勧めました。
【事例3】
妻に国内留学の話が出た設定で、夫と子どもは長崎に残る結論でした。夫の職場の院内保育施設を利用する事も考えついていました。院内の保育施設・病児保育施設は、移動距離が短縮されて使いやすいことも多く、着眼点が良い発表でした。
【アドバイス】
センターからは、実際に先輩医師が事例の通り国内留学の話が出て、家族全員で数か月間の移住生活を選択したケースを紹介しました。
【事例4】
お子さんの成長とともに、妻が当直を担うことを医局から打診されている設定で、「夫の考えが甘い!」という討論の流れで、夫が実家の助けを借りて、子ども2人と妻のいない夜を過ごす結論でした。
【アドバイス】
先輩医師から、各科およびご自身の日当直の状況を教えていただきました。保育園のお迎えから夫の帰宅までをファミリーサポートセンターに依頼する、翌日学校が休みの日に当直日を調整するなど、具体的なアドバイスがありました。現在、多くの診療科で当直緩和の子育て中の女性医師が増えてきたことで、医局運営の危機が目前にあるようです。男子学生から「妻が当直のときは夫が1人で子どもをみるべき」という意見が挙がり、将来のパパドクターは頼もしい!と、多くの先輩医師は嬉しく思いました。
<各医局の先輩医師から貴重なアドバイスをいただきました。>
産科婦人科 血液内科
皮膚科・アレルギー科 内分泌・代謝内科
<ロールモデル医師の講演②>
最後は、長崎大学病院 産科婦人科 原田亜由美先生のお話でした。長崎大学病院の診療科の中で、女性医師の割合が一番多い産科婦人科は、どのように医局の体制が整えられていたのか、県内2施設目となる「総合周産期母子医療センター」の指定を今年10月に受け、MFICU(母体・胎児集中治療管理室)を稼働していくための働き方の変化、また、ご自身がどのように仕事を大切にして子育ても重要視しているかを話しました。
日本全体の働き方改革も始まっていますが、長崎大学病院の医師の働き方改革も着手され始めています。長時間労働が当たり前の男性医師の働き方改革と、これまで多くを免除・緩和されてきている子育て中の女性医師の働き方改革の両方が必要だと思います。時代の流れに沿って、みんなでワークライフバランスの見直しを行い、頑張っていければと思います。
その他、講義後アンケート、キャリア&ライフ未来年表作成など、盛りだくさんのキャリア講習会でした。
~学生キャリア講習会を終えて~
<講義前後アンケートの集計結果抜粋>
●2019年度の受講予定者121名のうち、男子学生は86名、女子学生は35名(女子学生率29%)。言葉も内容も知っている割合は、「男女共同参画」42% 、「ワークライフバランス」48%で過去最高、「働き方改革」46%で過去最高。最近の国の方針に基づくマスコミ報道の影響が大きいと思われます。言葉の定着は、実現への第一歩かもしれません。
●現時点での将来の不安については、講義の前後で、不安がある割合が減り(59%→39%)、不安がない割合が増える(26%→50%)結果は、これまでの講義と同様。講義後に、講義前と比べて不安が減った・無くなったと答えた割合は42%。将来に対する不安の内容(複数選択)として一番多いのは「診療科の選択」(17%)。次に「勤務地」(16%)「専門領域」と「結婚・出産」(15%)。
●「産休」「育休」の言葉は90%以上の認知度があり、男性も育休を取ることができると知っている割合も95%と過去最高。講義前の「自分も育休を取ってみたい」男子学生の割合54%も過去最高。若い男性の意識改革は進んでいます。
●将来の進路を決定するときに重視するもの(3つまで選択)のランキングでは、1位は講義前後ともに「仕事の内容」、次に講義前は「収入」「やりがい」と続き、講義後は「やりがい」「収入」。
●生活と仕事の両立については、講義前→後で「できる」16%→20%、「なんとかできそう」39%→56%へと増加。講義後の両立への自信は75%以上。「できない」「わからない」の割合はいずれも講義後に減少し、また、今回の講義が将来役に立ちそうだと答えた学生は91%。講義の意義があったと感じました。
<学生の感想抜粋>
多様な働き方、特に女性医師の話が、自分と違った視点を持っていて参考になった。(男性)
これからどのようにして自分のキャリアについて考えていけばよいのかが分かりました。(女性)
医学の授業では考えることのない内容だったので、すごく身になりました。(男性)
様々な制度や、雇う側としても様々な工夫があると知ることができた。しかし、先生方のスケジュールを見て、やはり両立は大変忙しいのだなと思いました。(女性)
グループワークでより自分たちの考えを共有し将来につなげられると思う。先生方のアドバイスも適確でわかりやすかった。(男性)
これまでは早く結婚して出産したいと考えていたが、今日を通してキャリアアップを前向きに挑戦したいと思うようになった。(女性)
学生の感想では、様々な医師の実際の仕事と生活の話を聞くことができて、良かった!という意見が男女ともに多数ありました。キーワードとして、パートナーとの「協力」「妥協」、周囲の「理解」「支援」という言葉が多く挙がりました。忙しくともやりがいのある仕事と生活の両立を体感できたのではないでしょうか。
<先輩医師のコメント>
●産科婦人科 原田 亜由美 先生
今回、講演の機会をいただけることになり、初めて参加させていただきました。学生さんたちが、すでにこの時期から、家族のこと、育児のこと、キャリアのことなどを考えていて大変驚かされました。私が学生の時には考えたこともなくて、今、私自身、特に家庭を持つようになって苦労したり、勉強したりすることばかりなので、この時期から考えることは、学生さんたちが医師になった時に必ず役に立つと思います。育児をしながらキャリアを形成することは、大変ですが、そこを考えて乗り越えた時の喜びだったり、忙しい中でも充実感だったりを自分自身が日々感じていますので、将来ぜひ生かして欲しいと思います。今回、私以外の女性医師の先生の話や意見を聞くこともできて自分も参考になりましたし、励みにもなり、また今日から頑張ろうという気になりました。
●血液内科 蓬莱 真喜子 先生
今回の講習会に参加させてもらい、ロールプレイの内容を見ながら、その答えはそれぞれの家族、本人の考え方で変わってくるものだろうと思いました。今回の学生さん達の女性のキャリア形成を諦めることなく進めていく姿勢はとても素敵だなと感じました。特に男子学生さんが、キャリア形成においてパートナーの意見を尊重した考え方をもっていることに感動しました。女性のキャリア形成を後押しするような背景がある一方で、女性医師の産休、特に育児休業に関しては法律的な問題も残っている現状です。その中で自分の志望を優先させる選択を学生さん達が迷わずに選択できたこと、とても素晴らしいことだと思います。
●皮膚科・アレルギー科 芦田 美輪 先生
学生さんの迷演技に笑わせてもらいましたが、真剣に考えたくさんの選択肢と解決策を導き出されていて、まさに多様性の医師の未来を感じました。みなさんが幸せなワークライフバランスを実現してほしいと思います。
●内分泌・代謝内科 夏田 昌子 先生
ロールプレイングではまだ経験していない、また、経験するかもわからない仕事と家庭の両立について、想像しながら議論するのはとても難しかったと思います。でも、学生さんの中には男性でも育休を検討してみたり、職場を両親の近くに選択するなど、とても柔軟な意見が聞かれ、ワークライフバランスの考え方が浸透していることを実感しました。ぜひ、将来パートナーとなる方と、どちらも我慢することなく、お互いキャリアアップしながら素敵なご家庭を作っていただければ幸いです。
●形成外科 千住 千佳子 先生
昨年より学生キャリア講習会に参加させていただいていますが、男性も育児を協力してやるという男子学生が増えているように感じました。是非その気持ちを忘れず、子育て時期には実行してほしいと思います。私自身は子育てを始めて3年、子どもが2人になり、ライフにバランスが傾いていたところでの講義でしたので、改めてワークライフバランスについて考えさせられました。学生さん達の意識向上を図ると共に、実際に育児に直面している私達医師にも、色んな人の意見を聞き、自分とは違った考えを知り得る良い機会となりました。講習会に参加させていただき、ありがとうございました。
●腫瘍外科・乳腺・内分泌外科 松本 恵 先生
年々学生さんの考え方、特に男性の学生さんの考え方がとても柔軟になってきていると驚きます。「妻のキャリアアップのために夫が育休を取ればよい。」という意見が出たと言う発表を聞いて、今後ますます日本人の働き方が変わってくるのだろうと感じました。経験者として思うことは「子は育つ!」です。いつまでも子どもに手を差し伸べないといけないわけではなく、日々確実に成長してくれます。ついでに齢を重ねて最近思うことは「やる気があればいくつになっても挑戦できる!」ということ。これからいろんな選択を迫らせると思いますが、その時々熟考して医師として、人として、ますます成長していってください。