医学生・研修医Q&A

●医学生・研修医からの質問に、長崎県内病院のワークライフバランス推進員が、アドバイスをくださいました。
平成29年度 第1回 医師のワークとライフをきいてみよう ~ロールモデル探し~in長崎大学病院~ 2017/9/29開催時資料

Q1.結婚や出産の良いタイミングがありますか?

A1.
・どのタイミングでもなんとかなると思います。
・出産を先に決め、仕事をそれに合わせて調整するほうが現実的かも知れません。タイミングよく妊娠できるとは限らないので。
・私は、ある程度臨床能力に自信をもてるようになってからと考えましたが、ケースバイケースです。
・医師4年目冬(修練医2年目)の妊娠で5年目での出産でした。専門医取得のため早期復帰し昨年無事に専門医を取得できました。
・医師といっても、診療科や勤め先の病院などで環境は違うと思いますが、子育てが忙しい時期は外来や検査などパートで働き、子どもが大きくなったらフルタイムで働くなど、ライフステージに合わせた働き方を選択しやすいと思います。
・産婦人科医の立場から答えると、出産を考えるのであれば結婚・出産は早い方が良いと思います。仕事が落ち着いてから、または、ある程度技術を習得してからと思うと、40歳近くになる可能性もあります。40歳以降は明らかに妊娠率が落ち、染色体異常や妊娠合併症が増えるので、良い人に出会って子どもが欲しいと思うようであれば早めに出産して良いと思います。少なくとも、今の長崎大学産婦人科の医局員はそのように考えています。ただし、子どもを欲しくないカップルもいるので、それはそれで尊重されるべきだと思います。
・卒後3~5年だとキャリアも積まれ子どもも作りやすい年齢と思いますが、自分に合った相手が現れるまで焦るべきではありません。ある程度キャリアを積んでからでもいいのかなと個人的には思います。

Q2.母が専業主婦だったため、そもそも働きながら子育てをするという感覚が分かりません。子どもと接する時間と働く時間のバランスの取り方が難しいと思いますが、どのように工夫していますか。

A2.
・働く時間は働く、家にいるときは夫と家事を分担しながら子どもと過ごすようにしています。
・難しく考えるよりも、なるようになる、というのが実感です。一緒に過ごす時間が短くても、過保護、過干渉よりは良いと思います。専業主婦と同じことはできませんが、家族のためにこれだけはやる、と何か決めておくのも良いです。
・私の母親も専業主婦だったので、私が子どもと接する時間が短いとよく指摘してきます。しかし、母親である私と子どもの接する時間は短いかもしれませんが、子ども達は保育園の先生や学校の先生、学童の先生、ベビーシッターの方から本当によく見てもらっています。我が家の子ども達は、母親と子どもだけの関係だった私よりも、何倍も上手に周りの人たちとうまくやっていける能力を持った子どもに育っていると感じています。かえって、それが良かったのかもと感じています。
・子どもが寝ている早朝に活動を始めると自分の時間がとれて、勉強や仕事の準備にあてられます。仕事をしている時間にもなるべく無駄が生じないよう、動線ひとつにしてもかなり考えて行動しています。時短命です。あと子どもといる時間の長さよりも、一緒にいるときにいかに集中して子どもに愛情を持って接するかが大事という気もします。祖父母が近くにいるときは、負担をかけない程度にお世話になるのも、祖父母にとっても嬉しいし、子どもにとってもいろんな世代の大人と接することのメリットはあると思います。あと、仕事の裁量が自分にゆだねられる立場となれば、時間配分を考える上で有利です。

Q3.他の職業に比べた「医師」という観点から見て、働くことと子育ての両立は難しですか。

A3.
・夜勤や急な呼出しがない科なら、他の職業とそう変わらないのではないでしょうか。
・比べられません。どの職業も両立は大変です。
・私の友人の中には、一流企業でバリバリ働きながら子育てをしている女性がいますが、彼女達の大変さに比べると医師だがら子育てとの両立が難しいとは思いません。彼女達は、普通に2週間の海外出張や夜の会議等が入ってくるようで、周りに助けを得られない状況も多く有るようです。医師は急患や手術が長引いたりする事もありますが、周りの理解が得られる環境であるかで子育てのしやすさが大きく変わってくると思います。
・忙しさや責任という意味で難しさを感じる場面がある一方、自分の責任のもと自分の裁量で仕事することができるという点はかえって楽な部分もあるかもしれません。

Q4.家庭内で、例えばコミュニケーションの取り方等、工夫している点はありますか。

A4.
・母親がいなくても大丈夫なように、夫を上手に育てることです。(難しい)。
・自分も家族も気楽に過ごすことです。
・子どもの体調や、保育園からのお知らせや行事など、情報をシェアするように心がけています。普段は子どもの世話でバタバタしているので、あまりじっくり話しができません。我が家は車通勤で、家族全員で移動することが週に何度かあるので、そのときに話しをしたりしています。
・子ども達と過ごす時間が短い分、言葉、ジェスチャーで愛情表現をするように心がけています。ほめる時も「よくできたね」だけでなく、「天才だね!すごすぎてびっくり!〇〇ちゃんならできると思ってたよ!」など、ちょっとオーバーリアクションかもしれないくらい表現しています。注意する時も具体的にどうしたら良いかを「手短に」説明します。くどくど説明する時間は子どもにとっても嫌な時間ですし、せっかくの時間がもったいないと思うからです。(我が家の子どもは小・中学生です。もっと子どもが小さいと、このようにはできないかもしれませんね。)
・子どもが何か言っているときは必ず顔を見ます。よく話をします。寝る前に本の読み聞かせをします。家の仕事のお手伝いも楽しくやらせる工夫によって、一緒に遊んでいるかのような時間にすることもできます。

Q5.結婚するならパートナーは「医師」が良いですか。仕事への理解、仕事の忙しさ、子育てへの関与等を総合的に考えて…。

A5.
・パートナーが医師でなくても、仕事のことは理解してもらえるし、子育てもできるので、医師が一番よいとは限らないです。
・そうとも限らない。時間の融通が利く職業の人、ある程度家事ができる人だと助かります。
・理解・協力してくれる人であれば、だれでもいいのでは。男性医師も忙しすぎます。
・職業はあまり関係ないと思います。一緒に子育てをしていって、これから何十年も過ごす相手ですから、性格や考え方が合うかどうかのほうが大切だと、個人的には思います。
・私が学生・研修医の頃は、女性医師のパートナーは男性医師がほとんどでしたが、今の後輩たちは医師以外の男性と結婚している方が多いかもしれません。職業で決めるのではなく、仕事内容を理解してくれ、2人で協力して家庭を築いていくという意思があれば、それが一番だと思います。
・相手が医師であるメリットは、医師という仕事の内容を理解し合うことができること、仕事の相談ができること、子どもができたときに医局同士の配慮を行って頂ける場合があること、経済力があること、定年のない仕事なので安心感があることです。医師であることのデメリットは、医師の仕事が時間的に不規則である場合が多いので、家庭生活を共同して行う場合のすりあわせに苦労するかもしれないこと、男性の仕事が優先される場合が現実的に多いこと、女性が「そこまで頑張らなくても経済的には困らない」ことで仕事を責任の少ない時間の短いものを選びがちであるために、結果的には医師としての成長のチャンスを失いやすいかもしれないこと、などです。

Q6.研修中での出産・子育ては可能ですか。可能な場合、どのように仕事と育児を両立することができますか。

A6.
・可能です。異動のタイミングやたすきがけ先などが関連するため、事前に相談していただいたほうが個々への対応が可能です。
・可能です。協力者の確保をしてください。休んでもいいじゃないですか。でも、復帰してほしいと思います。
・可能です(私も研修医期間に出産・育児をしました)。研修先の科を回る前に、上級医の先生と自分自身がどこまでできて、どこからはできないとよく相談する事が大事です。時には、両親やシッターさんを大いに利用して仕事に集中することも大事です。集中して必死に技術や手技を習得する時期は必ず必要です。その時期にはあらゆる助けを借りてでもその時間を設けた方が良いです。
・やってきた医師はたくさんいると思います。医療教育開発センターに相談すればよいと思います。地元を離れて研修するとちょっと大変かもしれません。ロールモデルを探して話を聞くのが一番です。

Q7.留学はしたほうが良いですか。

A7.
・行けるチャンスがあれば行くべきだと思います。家族の交流も深くなるといいます。夫の留学先で自身が勉強できる方法もたくさんありそうです。

Q8.初期研修と後期研修では、どのようなことを習得して、学び、感じましたか。

A8.
・昔のシステムで、研修期間は2年だけでした。以前は今ほど手厚く指導されず、自分で失敗しながら怖がりながら、すべては自分の責任という意識が早くから芽生えました。そうした部分にやりがいや喜びもありました。自分にできそうなことがあれば積極的にやりました。

Q9.初期研修先の決め方(マッチング先の探し方)、内定を得るためにした特別なこと(試験対策や低学年からの病院見学、面接対策)はありますか。

A9.
・母校の長崎大学を選びました。以前のシステムでマッチングはありませんでした。

Q10.「医師」として働くうえで、英語の重要性はありますか。

A10.
・外国人がよく来る部署、英語の成書を読むことが多い部署なら、英語が苦手だと辛いかも知れません。
・英語ができるほど、あとが楽です。
・かなり重要。できればもっと違ったかもしれません。
・絶対に必要だと思います。論文を読むにも、論文を書くにも、外国の患者さんを診察するにも。時間があれば、英語にふれあう機会を設けた方が良いです。
・大事な論文は英語です。勉強するのにも、自分の研究を学会や論文で発信するのにも、外国の患者さんの対応をするのにも、英語は欠かせません。私自身はよくできません。きちんと勉強したほうがよいと思っています。

Q11.学生のうちにやるべきこと(勉強、遊び、経験、留学、語学、研究など)はありますか。

A11.
・勉強、語学です。
・遊びはしました。もっとやっておけばよかったと反省するのが勉強と語学です。
・勉強はもちろん(必要最低限)。遊びは絶対していた方が良いです。仕事を始めると遊ぶ時間は限られます。男女交際を始め、いろんな経験をする事が社会人になる上で糧になると思います。留学・語学・研究は興味があればやっておくと良いかもしれません。
・勉強は当たり前ですがサボらずきちんとやっといた方が医師になってから楽です。医師になる前から進路を決められれば研究室に出入りするなど早くからモチベーション高く行動できます。でも個人的には、たっぷり時間があるうちに旅行に行ったり、読書をたくさんすること、一般常識や教養を高め、きちんとした大人になること、目上の人と話をしてきちんとした敬語を身につけることなどが大事と思っています。

Q12.「医師」として働くうえで、身に着けておくべき社会的スキル(コミュニケーション、対人関係、生活)はありますか。

A12.
・周囲に世話になりつつ勉強させてもらっていることを自覚し、自分の立ち位置をしっかり見極めることでしょうか。
・普通の社会人と同様です。
・コミュニケーションスキルは身につけておくべきです。私たちが診療する患者さんは、物わかりが良くて素直な人たちばかりではありません。どちらかというと、何度同じことを説明しても理解できず、こちらの言い方によっては苦情を言ってくる人たちが多いと思います。そんな患者さん達に理解できるように病状を説明し、納得してもらった上で治療をするのが私たちの仕事です。人と話すことが苦手な医師はよくトラブルになっています。コミュニケーション能力は絶対に必要です。学生の頃から、老若男女あらゆる人とコミュニケーションをとれるような機会を持った方がいいです。また、医師も1人の社会人です。昔は、技術は良いけど日常生活はひどい医師はたくさんいましたが、今の世の中そんなに甘くありません。例えば、当たり前のようですが、社会人として提出物は期限内に出すとか、約束を守るとか、きちんと挨拶をするとか、そういったことをひとつひとつ誠実に行うことが必要だと思います。
・人の話をきちんと聞くことができること、英語の習得をすること、早起きの習慣です。頭でっかちにならず、まず行動してみることです。

Q13.Q12.を身につけるために、学生のうちにしておくべきことはありますか。

A13.
・コメディカル、患者、患者家族をはじめ、世間色々な立場の人が書いた体験記(マンガも含む)等を気楽に読んでみるのも良いでしょう。
・ゲームばっかりしない。人とつきあいながら学んでいくものだと思います。

キャリアサポートに関すること

Q1.コンサルティングに申し込みたいのですが、お金はかかりませんか?

A1.はい。ご利用は無料です。
キーワード:キャリア

Q2.育児休業中で、子どもが1歳になるタイミングで復職を検討しています。子連れで相談してよいですか?

A2.個室の面談室を準備します。ベビーカーでの入室も可能です。
キーワード:キャリア

Q3.復職&リフレッシュトレーニングに参加できませんでした。内容を知りたいのですが・・・。

A3.講義風景を録画しています。DVDの貸出を行っていますので、センターまでご連絡ください。
キーワード:キャリア、復職&リフレッシュトレーニング

両立サポートに関すること

Q1.妊娠しました。どこに報告が必要ですか?

A1.まずは、直属の上司、周囲スタッフへご報告ください。(長崎大学病院の医科診療科は、科内ワークライフバランス推進員へのご相談をお勧めします。)
総務課へは、産前休暇、育児休業の手続きなどを申請ください。
当センターでは、マタニティ白衣の貸出、休業中の復職に向けての相談、病院近隣保育施設の情報提供、両立サポート支援をいたしますので、ご連絡ください。

長崎医師保育サポートシステム

Q1.長崎市のファミリーサポートを利用中ですが保育サポートシステムも利用できますか?

A1.利用できます。
保育サポートシステムでは、病児保育やお泊り保育、家事支援(お子さんの見守りに支障がない範囲)が可能です。
若干、利用条件が異なりますので、ご都合に合わせてお選びください。

Q2.自分の子ども以外に、親戚の子は対象にならないですか?

A2.対象児は、保育サポートシステムに登録された医師と同居し、養育している子どもとしています。

Q3.マッチング後、子どもの預かりを依頼したい場合は、どこへ連絡をすれば良いですか?

A3.マッチング後は、コーディネーターを介さず、利用者から保育サポーターへ直接連絡をする仕組みにしています。連絡方法は顔合わせ(三者面談)で決めます。

Q4.朝早い時間も対応してくれますか?

A4.保育サポーターの合意があればOKです。

Q5.面談時は子ども連れがよいでしょうか?

A5.どちらでも構いません。保育サポーターとお子さんの顔合わせの場として、お子さん同伴で面談にお越しいただくこともできます。

Q6.駐車場代などの交通費の負担は?

A6.交通費は利用者負担です。
<例>
・利用者が、時間短縮のため車での移動を依頼した場合は、利用者がガソリン代や駐車場代を負担。
・サポーターの都合により、車での移動をした場合、公共交通機関利用相当の料金のみ利用者が負担し、ガソリン代や駐車場代はサポーターが負担。

Q7.配偶者が、専業主婦・主夫でも利用できますか?

A7.利用できます。
長崎市、西海市、時津町、長与町、諫早市、大村市に居住または勤務している医師(勤務医・開業医・研修医。男女を問いません。)であれば、配偶者の勤務形態は問いません。

イブニングシッター

Q1.誰でも利用できますか?

A1.対象は、子育て中の長崎大学病院教職員です。
キーワード:イブニングシッター

Q2.小学生でも預けられますか?

A2.対象児は乳児(3か月)から小学生6年生までとなっています。

Q3.送迎者が異なるときは事前に伝達が必要ですか?

A3.お申込みの際にお知らせください。
お送りになる方と別の方がお迎えにお越しの場合は、身分証明書(顔写真付。職員証など。)を持参いただき、本人確認をさせていただいています。

Q4.保育サポーターは資格を持っていますか?

A4.保育士の資格取得者、または長崎市のファミリーサポート研修を修了しています。

Q5.宿題をさせたいのですが・・・。

A5.前もってご連絡いただければ、勉強机を準備します。

Q6.ミルクを飲ませてもらうことはできますか?

A6.可能です。ミルク・お湯をご持参ください。

Q7.長崎大学病院以外で開催の学会に参加する際に利用できますか?

A7.長崎大学病院内で開催の会等に限ります。ただし、坂本地区開催の大学院セミナーに参加の際は利用できます。

長崎県内病院の取り組みに関すること

Q1.医療機関検索で復帰希望の病院を見つけました。まずはどうしたらいい?

A1.当事務局へお問い合わせください。下記のお問い合わせフォームからどうぞ。
キーワード:長崎県内病院の取り組み

Q2.医師の求人募集をしており、地域就労支援病院に登録させてほしい

A2.当センターでは、仲介、斡旋業務は行っていません。
当センターに復職相談に来られた方が、募集条件に興味を持たれたら求人票を提示するご協力は対応可能です。
地域就労支援病院の登録は、継続的に複数の医師を雇用し、就労環境を整備している病院(長崎県の把握では149病院)が登録対象となっています。
キーワード:長崎県内病院の取り組み

Q3.病院インタビューに来てほしいのだが・・・

A3.まずは、当センターへご連絡ください。
キーワード:長崎県内病院の取り組み

その他

Q1.個室で相談できますか?

A1.相談内容によってプライバシー保護のため、個室をご用意できます。
ご希望の方は、お知らせください