令和元年5月28日インタビュー
略歴: 医学部(他県)卒業→長崎市内で卒後研修、長崎大学麻酔科に入局。大学病院・関連病院に勤務、勤務先で知り合ったパートナーと結婚。8年目に大学病院に戻り、第1子出産(育休半年で復帰)。9年目に大学院入学、研究をしながら第2子出産(育休半年で復帰)。直後にパートナーが県内病院へ異動となり単身赴任(2年間)。平日は母子だけの生活のため、第1子が2歳9か月、第2子が1歳2か月の頃に長崎医師保育サポートシステムを利用開始。臨床・研究・子育てを行いながら12年目に助教となる。13年目に第3子出産(保育施設の空きがなく育休8か月で復帰)。もうすぐ大学院を卒業予定。同じく大学院生のパートナーの留学に同行して今年6月から2年間渡米する。
Q1. | 現在の「ワーク」と「ライフ」のバランスは? |
A1. |
自分では、半々のつもりですが、専念できずどちらも中途半端な気がします。 |
Q2. | 論文を読む時間や、勉強する時間はいつですか? |
A2. |
子どもが夜、寝た後ですね。第2子の育休期間を使って論文を作成していました。 |
Q3. | 育児・家事の時間短縮のコツやおすすめしたいことは?パートナーとの分担は? |
A3. |
「任せられるところは、任せる!」です。子育ては保育サポーターさんに頼んだり、仲の良い友人を頼ったりすることもあります。食事は外注です。子どもが苦手なメニューの時は、カレーを作り置き(冷凍)して利用します。夫が単身赴任で子ども2人の時期は、買い物に行くのが大変で、宅配を利用していました。夫は、自宅に「いたら」家事や育児もしてくれます。日中なら3人の子どもを任せられますが、末っ子はまだ授乳していることもあって、夫だけでは夜は寝ないんですよね~。長崎医師保育サポートシステムは、週3回利用しています。私が夕方子どもを保育園に迎えに行って帰宅する頃、保育サポーターさんに自宅に来てもらいます。私が子どもに夕食を食べさせている間、お掃除や洗濯物の片づけ、食器の片づけをしながら子どもと遊んでくれます。夫は、保育サポーターさんが、仕事で帰れない時間帯の家庭の仕事をカバーしてくれるので、かなり感謝しています。私の実家は自宅から近いですが、両親も仕事をしていて、頼めば手伝ってくれますが身内は何かと喧嘩になりやすいです。なので、保育サポートシステムを利用することには全面的に賛成してくれています。保育サポーターさんは週1回の方と、週2回の方の固定された2人が担当してくれます。月、数万円かかりますが、それだけの価値はあります! 帰国してからも、お願いするつもりです。夫の単身赴任で生活が一変して不安な時期に、育児で悩み、発育の心配をしていると、子育て経験が豊富な保育サポーターさんが、そばで「そんなもんよ~、大丈夫よ~。」と支えてくれました。夫婦のいざこざにも、保育サポーターさんが中立な立場でやんわり諭してくれて、本当に助かりました。保育サポーターさんは私たち家族にとって「かなり」大切な存在です。子ども達も、人様に預けられても大丈夫なように育ちましたし、「保育サポーターさんのおうちに遊びに行きたい」と言うほど、なついています。 |
Q4. | 子育てから学んだことはなんですか? |
A4. |
思い通りにならないので、我慢強くなりました! |
Q5. | 夫婦で子ども抜きのデートはしますか? |
A5. |
去年の夏休みに、子どもが保育園に行っている間にランチに行ったくらいですね~。 |
Q6. | ストレス解消法を教えてください。 |
A6. |
土日の昼間に、夫に子ども3人をみてもらって、子ども抜きで友人と遊ぶことですね。 |
Q7. | 今後の人生設計について、どのようにお考えですか。 |
A7. | 学位を取ることをずっと目標にやってきました。専門医も取得できました。今はアメリカに行くので、帰国後の目標はまだ漠然としています。上位職を目指すという意識はないのですが、でも、できれば科研費を獲得して研究したいと思います。研究は楽しかったですね。科研費に応募すれば実験日をもらえます♪ |
Q8. | これから仕事と子育てを両立する皆さんへ、応援のメッセージをお願いします。 |
A8. |
家事・育児・仕事に関して、あまり高いところに目標を設定しすぎると、自分で自分の首を絞めてしまいます。私は、かなり保育サポーターさんの力を借りていて、自分だけで無理しすぎずに、頼るところは頼って、自分ができる範囲でやる事が良いと思っています。 |
Q9. | (パートナーにお尋ねします)米国での研究生活から、「仕事と生活の両立」において、現地と日本の研究者のスタンスの違いなどを感じることはありますか。 |
A9. |
長崎大学整形外科に入局し、現在、アメリカ合衆国にあるuniversity of coloradoに留学しています。日本での研究分野が、奇しくも伊東昌子先生(前メディカル・ワークライフバランスセンター長)と同じ画像を用いた骨微細構造解析であり、まだ2か月ですが、こちらでも少しずつデータの解析を進めているところです。 |
家族で公園にて
<センターより>
麻酔科は、長崎大学病院で最も多くの女性医師が勤務しています。女性医師比率は54%(2019年度女性医師実態調査)で過半数が女性の医局です。2006年度に「女性医師麻酔科復帰支援プロジェクト」をスタートし、子どものいる女性医師(ママドクター)が増えてきました。子どもの成長と共に、勤務時間を短時間からフルタイムへ移行するロールモデルもでき、最近は助教に昇格するママドクターも増えてきています。中でも白石先生は、大学病院勤務の間に3回出産して育休も取得し、長崎医師保育サポートシステムを約3年間利用しながら臨床と研究の両立生活を続けて助教になり、大学院卒業・学位取得の目標を達成する予定です。高すぎない「目標設定」と、サポーターさんに頼る「受援力」を発揮して、子育てとキャリア形成を同時に進める数年間を過ごされたようです。
お子さんたちは、長崎市内の英会話に特化した保育園に通われていたため、家庭でも日常会話は英語だったそうですが、日本語教育の必要性も感じ、保育サポーターさんを交えて日本語の話し相手になってもらったそうです。家族と保育サポーターさんとの会話は重要で、潤滑油となっているようです。困った時、頑張りたい時に、ぜひ、保育サポーターさんの力を借りてください!
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