平成27年1月インタビュー
略歴:医学部卒業→第2病理学教室大学院で学位取得、病理専門医取得(卒後5年)→結婚、双子出産→夫は自分のペースで研究したい希望あり、産後は実家の近くに引っ越して祖父母の協力を得る→ピンチを経験して第3解剖教室へ異動、子どもが小学校高学年頃より再び臨床病理に戻る
Q1. | 現在の「ワーク」と「ライフ」のバランスは? |
A1. |
現在の時間配分は、ワーク>ライフ。夫と長男は他県に在住、次男とは同居していますが、夕食はほぼ別です。 |
Q2. | お子さんは双子ですが、産前産後はどのような状況でしたか? |
A2. | 双子の妊娠の場合、産休が前倒しになることを知らず、32週まで勤務していました。その後安静入院となり、34週で出産しました。産後8週で職場に戻ったのですが、解剖は24時間体制。実家のサポートを得て、子育てしながら夜の解剖もしていました。両親がずっと子ども達の面倒を見ると言ってくれましたが、しばらく経って(生後6ヶ月)から保育園に預けることにしました。結果的に、保育園に預けて良かったと思っています。兄弟2人だけで過ごすより、人間関係を学ぶことができますから。 |
Q3. | 当時、論文を読む時間、勉強する時間は? |
A3. | 土日や平日の夜、勤務中に時間を作って勉強しました。 |
Q4. | 育児・家事の時間短縮のコツ・おすすめしたいことは? |
A4. | 料理を作りおきして、冷凍保存しておくことですね。 |
Q5. | 子育てから学んだことは? |
A5. | 自分の思うよう物事が進まないので、臨機応変に対応できるよう、自分の予定はきっちり立てず、柔軟性を持たせる術を覚えました。そして、相手の気持ちに沿う形で応じることや、妥協することも学びました。 |
Q6. | 当時、夫婦で子ども抜きのデートはしましたか? |
A6. | 家族でのドライブとかはありましたが、夫婦だけではなかったですね。 |
Q7. | ピンチだったことは? |
A7. | 子どもが2歳頃、夜間に病理解剖が2例続いた日がありました(今はずいぶん少なくなりましたが)。夜8時開始の後、11時過ぎに、もう1例依頼が入ってしまったので、自宅で子どもといた夫に連絡すると、夫は私と交代で研究室に戻るつもりだったそうで、夫婦喧嘩になるくらいのやり取りになってしまいました。結局は2例目まで終わって帰りましたが、これではいけないと、いったん病理教室から、第3解剖教室へ異動することを決意しました。当時、第3解剖におられたポール中根教授は、渡米生活が長い分アメリカ的な見解の持ち主。仕事と家庭との両立に理解のある上司で、働きやすかったです。 |
Q8. | ストレス解消法は? |
A8. |
ゆっくりお風呂に入って、寝ることです。 |
Q9. | 今後の人生設計は? |
A9. | 「ワーク」のほうは、臨床病理をもっと勉強したいと思っています。デジタル病理が始まるので、その勉強もしないといけません。後輩や学生の指導もしていきたいですね。 「ライフ」では、孫ができるかどうかわかりませんが、もし世話を頼まれたら、するつもりです。 |
Q10. | ロールモデルとしている先生はどなたですか? |
A10. | 第2病理学教室の先輩の河合紀生子先生です。河合先生も2児の母なので、いろいろと助言をいただきました。子どもが0歳の時に、喘息様気管支炎で2週間入院となり、もう仕事を辞めようか…と思ったことがありました。河合先生に相談したところ「辞めずにしばらく様子を見てみたら」と言ってくださいました。結局、子どもたちは大病なく成長したので、あの時あきらめて辞めずにいてよかったです。 |
Q11. | 両立応援のメッセージをお願いします。 |
A11. |
頑張りすぎないこと。2歩進んで1歩下がる程度のスピードでも、「続けること」が大事です。続けたい意志があれば、周りの方からもサポートしてもらえると思います。
|
<センターより>
臨床病理が大好きだという安倍先生。現在はお子さんが成人され、存分に仕事に打ち込んでいらっしゃるようですが、お子さんが小さい頃は、ご実家の協力を得ながらも、途中、解剖教室へ異動することで、子育ての時間を確保されました。双子の息子さんが、それぞれのアイデンティティを確立することができるよう配慮していらっしゃったそうです。大事な節目にはパートナーとも相談して、「別々の高校へ進学したい」という息子さんたちの希望も尊重し、受け入れたとのこと。スケジュール調整も大変だったと思いますが、今は息子さん2人とも、同じ医師への道を選ばれたそうです。 現在、病理診断科には、子育て中の後輩の女性医師がおられ、安倍先生が相談を受けることもあるそうです。ご自身が、先輩の先生に助言を受けて頑張ってこられたので、後輩の先生にも経験を活かした助言をされているのではないでしょうか。
- ワークライフバランス推進員
- 県内病院のワークバランス推進員メッセージ
- 長崎大学病院の取り組み
- 病院インタビュー
- 地域就労支援病院
- 私たちのワークライフバランス実践術
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.1>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.2>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.3>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.4>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.5>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.6>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.7>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.8>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.9>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.10>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.11>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.12>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.13>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.14>
- 私たちのワークライフバランス実践術 男性の育児休業取得編 NO.1
- 私たちのワークライフバランス実践術 男性の育児休業取得編 NO.3
- 私たちのワークライフバランス実践術 男性の育児休業取得編 NO.2
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.17>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.18>
- 私たちのワークライフバランス実践術<No.20>
- 私たちのワークライフバランス実践術 男性の育児休業取得編 NO.4
- 私たちのワークライフバランス実践術 男性の育児休業取得編 NO.5
- 私たちのワークライフバランス実践術 男性の育児休業取得編 NO.6
- 私たちのワークライフバランス実践術 男性の育児休業取得編 NO.7