令和2年9月18日インタビュー
略歴: 長崎大学医学部の同級生(出身は双方他県)・医学部卒業→別々の病院で卒後研修し、結婚。長崎大学の医局に入局。大学病院・関連病院に勤務し、大学院入学。大学院生(医員)で、第1子出産。第1子が1歳の頃、長崎医師保育サポートシステムを利用開始。大学院を卒業し、第2子出産。現在は夫妻共、大学病院で助教として勤務中。
Q1. | 現在の「ワーク」と「ライフ」のバランスは? |
A1. |
夫:2人共、フルタイム勤務で、私は日直・宿直、妻も月1回日直をしているので、なかなか普段の生活は余裕がない面はあります。一番忙しい時間、特に朝の準備は極力2人で分担するようにしています。朝は、私が子どもを保育園に送って、帰りは、妻が子どもを迎えに行くというスタンスでやっています。私の診療科の特徴として、急患・急変があり、帰りが遅くなることが多いので、夕方は家庭の事を妻に任せています。正直、毎日がいっぱい、いっぱいなので、バランスが取れてうまくやっている、という気はしません。 |
Q2. | 論文を読む時間や、勉強する時間はいつですか? |
A2. |
夫:子どもが寝るのが夜9時半~10時頃なので、その後ですね。 |
Q3. | 育児・家事の時間短縮のコツやおすすめしたいことは? |
A3. |
妻:食洗器の利用ですね。 |
Q4. | 子育てから学んだことはなんですか? |
A4. |
夫:子育てしていると、カリカリする時がありますが「寛容になることの大切さ」を学びましたね。これは仕事の面で活かせていて、後輩を指導する機会が増えてきましたが、子育て経験の前後で、後輩への接し方に変化があると思います。 |
Q5. | ストレス解消法はなにかありますか? |
A5. |
夫:朝の連続テレビ小説(15分間)を録画して、後から見ることですかね。テレビを見る時間も、まだ長くは取れないですね。 |
Q6. | 夫婦で子ども抜きのデートはしますか? |
A6. |
夫:ないです。 |
Q7. | 今後の人生設計について、どのようにお考えですか。 |
A7. | 夫:私は、臨床(外来・病棟)と研究をする大学生活がしばらく続くと思います。妻も、同じような形で一緒に続けられたら良いと思います。同じ大学、内科同士なので、将来、研究者として一緒に仕事がしたいと思っています。 妻:今は、仕事も生活も中途半端な感じです。余裕なく子どもへ接して後悔したり、仕事でも周りに迷惑をかけているという思いがあります。フル活動できていない状況ですが、今できることを精一杯やって、何かに繋がっていけばいいなと思っています。目標としては、自分で研究ができて、論文が書けるようになりたいと思っています。でも、子育てをおろそかにして、後悔はしたくないので、今は子育てを優先しつつ、できる仕事をしていきたいと思います。出産後は、プロトコール論文を、指導していただきながら、やっと1つ書きました。 |
Q8. | それぞれの医局の両立状況・環境はいかがですか? |
A8. |
夫:消化器内科に入局した頃と比べると、女性医師が増えて、保育サポートシステムを利用しながら仕事をしている子育て中の先生が増えているのは間違いありません。最近、私の後輩の男性医師も育児休業を取得しました。1人のスタッフが不足する負担はありますが、みんなでカバーしようという雰囲気がありました。(もしご自身に3人目のお子さんができた時は育休を取得できそうですか?→)今なら、私は育休取得できると思いますね~。 |
Q9. | 得意な家事はなんですか? |
A9. |
夫:掃除系ですね。お風呂掃除は、基本的に私がしています。料理は不得意です。私が食事の準備をする場合は、テイクアウトを利用しますね。 |
Q10. | お子さんの行事への参加は、されていますか? |
A10. |
夫:平日にある保育園の親子保育参観など、都合がつけば参加しています。 |
Q11. | これから仕事と子育てを両立する皆さんへ、応援のメッセージをお願いします。 |
A11. |
夫:ライフの面では、夫婦間でお互いの職業に対する理解が必要だと思います。日頃から理解を深めて、家族毎のスタイルを見つけていくことが大事だと思います。ワークの面、特に医療職においては、子育て期などに入る前に、仕事を頑張って欲しいと思います。医師としての実力不足は、患者さんに提供する医療の質の低下に繋がりますし、ライフ重視の時期にスキルアップすることは難しいので、若いうちに、1年間だけでも良いので集中してスキルや知識を身につける時期を持つことが良いと思います。また、そうやってワークを頑張っている先生方がいるからこそ、子育てなどの理由でライフを重視する時期にある先生方が助けられている面もあると思います。 |
愛車の子ども載せ自転車
<センターより>
これまでの実践術インタビューで集まった「家事・育児分担表」の中で、「夫」担当の項目が一番多いご家庭です。お互いの得意不得意を補い合いつつ、夫妻の分担の偏りが少ないバランスが取れた分担表です。共家事・共育児を実践している原口夫妻は、共働きカップルの両立生活のロールモデルだと思います。夫の雅史先生から「手伝う」という発言は一度も無く、常に「分担する」という心構えをお持ちだと感じました。センターが根付かせたい意識改革が、まさに、これです! HELPではなく、DOの精神で男性が家事・育児に参加し、女性の社会進出を後押ししてください。性別役割分担意識(「男性は仕事、女性は家事・育児」等の固定観念)の無いカップルが、どんどん増えることを願っています。
キャリア形成については、しっかりと仕事に励む時期を確保することを、お2人共推奨されていました。医師になってからの数年間、日夜研鑽を積み、基礎となる土台をしっかり築いておくと、女性は出産後に復帰する際、仕事への不安が少ないかもしれません。
また、ご夫妻共に、医局のサポートに対する感謝の気持ちを強く持ちつつ、それに報いるように頑張っていらっしゃいます。これは、本当に大事なことで、職場で働き続けるための秘訣だと思います。消化器内科は、複数主治医制になって働きやすい環境が整い、共働き家庭への理解があることもわかりました。
今回、30代の原口夫妻へのインタビューで、共働き家庭の生活のあり方など、時代が変わったと実感します。働き方も暮らし方も、固定観念にとらわれずに、変えていきましょう。
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