長崎県内の19病院にワークライフバランス推進員がいます。
2022年4月から着任する8名の推進員をご紹介します。「育児・介護休業法」が改正され、制度的には男性が育児休業を取得しやすくなります。制度の周知・取得しやすい職場づくりを推進ください。
※各種制度の利用条件や内容は、各人の勤務形態等により変わる場合があります。詳しい内容は、各病院の人事・総務担当の部署へお尋ねください。
①病院・医局の紹介、アピールできる制度・取り組みなど
②ワークライフバランス推進員の自己紹介や、両立を目指す方への応援メッセージ、センターの活用法等
※ワークライフバランス推進員45名のメッセージはコチラ
市立大村市民病院 松尾俊和病院長
①市立大村市民病院は予防医療から一般急性期、亜急性期、回復期から維持期(在宅)まで一貫した医療を提供する体制を完備し、大村市の地域包括ケアシステムのなかで大きな役割を担う病院です。交通アクセスも大変よく、平成29(2017)年4月に新病院へ移転し、敷地内に託児所も完備されています。現在女性常勤医3名、女性非常勤医5名が勤務し、大変働きやすい職場です。常勤医師30名程度で医局も1つで垣根なし、和気あいあいです。
②私は61歳(2022年4月現在)、病院長です。女性医師常勤は3名で男性医師と同様に忙しく働いており、また子育て世代の男性医も数名います。科によってワークライフバランスに大きな差がある状況なので、まずは私が推進員となり進めていきたく思います。私自身がポンぺの教えと先輩の教えを疑わずに過ごした世代なので、凄く今後悔しています。働き方改革が更に後押ししてくれます。まずは当院のワークライフバランスの環境整備を急ぎます。
長崎大学病院 消化器内科 田渕真惟子先生
①消化器内科も女性医師が増えてきました。男性医師の育児休業も少しずつ取得される方が増えてきています。当科の良いところは、均一化した体制ではなく、ライフイベントにおいてその背景(出身地や家族の協力の有無)や個々の目標、希望を重視し、「多種多様な働き方」をバックアップができるところです。病院に来るまで、また帰宅後も様々な家事や育児、送迎を早朝から深夜まで頑張っている皆様に、無理のない働き方を提供し、その中でも診療や研究の充実感も感じられるよう、全員で支えていきたいと思います。
②2009年に入局致しました。2011年、2014年、2019年に出産し3児の子育て中です。ライフイベントは様々な形態や状況があるのだと実感するこの頃です。二人目出産後には「長崎医師保育サポートシステム」を活用させて頂きました。まだまだ道半ばで息切れする毎日ですが、皆様と一緒により良い職場環境を目指して参りたいです。
長崎大学病院 循環器内科 本田智大先生
①循環器内科は急患や重症患者のため勤務が不規則になりがちなことは否めません。それでも仕事と家庭の両立を図れるよう、主治医制からグループ診療制への移行、業務の効率化、育児休業取得の促進などに取り組んでいます。妊娠中の勤務、出産後の復帰は個人の希望に応じて考慮されています。(大学病院でエコー検査専門に勤務、関連病院で時間を制限して外来・病棟業務など。)
②循環器内科はまだ女性医師が少ないのが現状です。時間外の緊急呼び出しなどが多いイメージがあるかもしれませんが、医局として、個人への負担を軽減できるような取り組みを毎年少しずつ進めています。私も推進員として、まずは自らのワークライフバランスについて考え実践することで、みなさんが安心して仕事に打ち込める環境づくりのお手伝いができればと思っております。
長崎大学病院 腫瘍外科 田中彩先生
①腫瘍外科は様々な働き方に対して大変理解のある環境が整っています。徐々に産休・育休を迎える女性医師が増えてきており、ストレスの少ない形での職場復帰、勤務継続をサポートしています。また、早朝の回診・カンファレンスを時間内へ移行し、働き方を改革中です。女性だけでなく男性医師も積極的に育休を取得できるような環境を整えていきたいと思います。医局内の声をできるだけ拾い上げ、誰もが働きやすい雰囲気をつくりたいと思います。
②2012年に腫瘍外科へ入局しました。その後関連病院で症例を経験し外科専門医を取得、結婚し大学院へ進学、2016年に第1子、2019年に第2子を出産しました。大学院卒業後は乳腺内分泌グループのスタッフとして診療、教育に従事しています。私自身が育児の真っ只中なので、メディカル・ワークライフバランスセンターには大変お世話になっています。特に復帰時にはたくさんアドバイスをいただきました。現在は当院の病児保育施設「にじいろ」の常連です。育児と仕事の両立を目指す先生たちのサポートができると嬉しいです。よろしくお願いします。
長崎大学病院 産科婦人科 野口将司先生
①大学病院のなかでも在職中の女性医師の割合が高く、その多くが子育てと両立されながら仕事をされており、ロールモデルとなる女性医師が多くいます。2020年、2021年には長崎大学ワークスタイルイノベーション(働き方見直しプログラム)に参加し、株式会社ワーク・ライフバランスのコンサルタントとともに、当直明けの半休取得やタスクシフトの推進などを進め、職場環境の改善を進めています。ハードなイメージを持たれがちな周産期医療の現場だからこそ、働きやすい職場を目指しています。
②もうすぐ2歳の第1子(2022年4月時点)と妻の3人で暮らしており、第1子が生まれて、1か月の育休を取得しました。自分自身の経験から、多くの男性医師が育休を取得できるようサポートできればと思います。また、すべての医師が出産、育児を安心してできる環境づくりに尽力できればと思います。
長崎大学病院 形成外科 東晃史先生
①形成外科は女性医師の割合が高く、ここ数年は妊娠・出産する医師が毎年います。妊娠後は当直や透視を使用する手術を免除し、夜遅くまでかかる手術は先に帰宅するなど体調に配慮した環境で働けるようにしています。また、出産後もスムーズに仕事復帰し、専門医取得などキャリアに影響が出ないようサポートしています。
②ワークライフバランスに苦慮している職員の方は多いと思います。私自身、子育ては妻に任せることが多く、仕事と家庭の両立は難しいと感じることもあります。ですが、仕事だから仕方ないと諦めるのではなくワークライフバランスセンターを介した様々な支援を活用し、働きやすい環境にしたいと思っています。
長崎大学病院 心臓血管外科 田口駿介先生
①心臓血管外科での取り組みとしては、育休の取得を推進しています。2週間程度と短期間ではありますが、ここ3年間(2019~2021年度)で3人の男性医局員の育休取得を実現しました。また、最近の取り組みとして、当直明けは業務軽減を目的に12時以降はPHSをoffにし、早期帰宅を促すようにしています。緊急手術や長時間手術が多く、体力的にも厳しいこともありますが、自らの体調を壊してしまっては元も子もないので、タスクシフトなどを含め、業務の軽減を出来ることはないかと、日々模索しています。
②私自身も昨年度(2020年度)、短期間ではありますが育休取得を行いました。しかし、日常的には実情として帰宅時間も遅くなってしまうことが多く、子育てに関しては妻に任せっきりとなってしまっています。女性医局員も増えており、今後は出産・育児に関してのサポートも出来ればと考えています。まずは、私自身がもっと働き方に関して出来ることはないか、いいシステムを構築できないかと働きかけたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。
長崎大学病院 血液内科 蓬莱真喜子先生
①血液内科はその疾患背景から急変のリスクが高い患者さんが多い診療科です。そこでカンファランスでは患者さんの状態をよく共有し時間外の対応は基本的に当直、当番医が対応する形をとりライフバランスを保っています。子育て中の女性医師が急な子どもの発熱で休暇をとる必要が生じた場合でも、病棟業務、外来業務が可能なように病棟係や外来医長/外来医長代行のサポートを受けられるようになっています。また、教授、准教授、医局長の配慮により時短勤務など各ご家庭の状況に合わせた働き方ができるようにヒアリングをしながら対応しています。
②8歳児と5歳児(2022年4月時点)の親です。残念ながら子育てには向いていないようで、育休中の方が診療中よりも非常にストレスがかかっていました。子育てをしながら自分の選んだ診療ができる喜びをかみしめながら現在は働いております。子育ては赤ちゃんのとき、未就学、就学後となっても手のかかり方が変わっていくためいつまでも楽になりません。それぞれの先生の背景をよく情報共有しながら、パズルのピースのようにその先生の持っている力を引き出し、診療・研究に貢献していただけるようお手伝いをしたいと考えております。