11月28日長崎大学メンタルヘルス講演会に参加しました
2013年12月9日

日 時 : 平成25年11月28日(木) 15時00分~16時30分
場 所 : 長崎大学グローバル教育・学生支援棟4階 文教スカイホール
講演者 : 東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 島津 明人准教授
演 題 : 「健康で、いきいきと、より高いパフォーマンスに向けて
     -健康管理、マネジメント、学生支援に活かすメンタルヘルスの知識と技術-」

     1)こころの不調への対策とともに、こころの活力にも注目。
     2)取り巻く環境を多面的に捉え、包括的に支援する必要性。
     3)上記2つの視点を日頃の学生支援にどうつなげるか

主 催 : 長崎大学 学生相談支援等協議会
共 催 : 長崎大学 保健・医療推進センター
後 援 : 長崎大学 大学教育機能開発センター

働く人のこころの健康 新しい考え方
ワーク・エンゲイジメントをキーワードにしてお話しいただきました。
1.仕事に誇り(やりがい)を感じ
2.熱心に取り組み
3.仕事から活力を得て活き活きしている状態
バーン・アウト(燃え尽き症候群)の反対の概念として、オランダの
心理学者シャウフェリ氏により提唱

職場のメンタルヘルスに取り組むところが増えていますが、
近年、新たな局面を迎えているそうです。
従来は、心が不調になってから治療、職場復帰、再発防止を行う3次予防、
不調予備軍の方へ産業医カウンセラーなどから専門的な助言・支援を行う2次予防など、
場を整えることに注目されてきましたが、
現在は、こころの活力、健康を増進して不調になること自体を未然に防止する1次予防、
さらに健康状態を底上げする0次予防という立ち位置からの対策が必要であると考えられています。

底上げの理由としては、
1、終身雇用の考え方がなくなり、能力開発、自立性など個人のスキルが求められるようになったため
2、自分の生活(健康)は自分で守る必要が生まれ、オンタイム・オフタイムの境界が曖昧になってきたことや、共働き世帯の増加により仕事と家庭の両方をマネジメントする必要に迫られる人が増え、職場内だけでなく職場外の要因へも配慮が必要になってきているため、とのことです。

これまで対立しがちだった、個人の弱みを支える「産業保健」と、強味をのばす「経営」との協調が不可欠で、組織と個人が歩み寄り、互いに活性化して、健康な職場づくりとワーク・エンゲイジメントの高い職員構成を推進していく活動が重要になってきそうです。


↑講演会で配布資料の中にあった上記資料は改訂版でした
追記:ワーカホリズムは、I have to work
   ワークエンゲイジメントは、I want to workと内発的動機づけ
   バーンアウト/ボアアウト(退屈)
変更:リラックス→職務満足感

講師の先生のお話だけではなく、講演途中でワーキングもありました。 ペアワークでは、薬学部の研究室の方とお話でき、お互いの職場について意見交換しました。
【個人ワーク】
・「あなた自身の職場を思い浮かべてください。」
・「職場の活性化をはかる(=健康でいきいきと働く)ために、職場で行っている工夫をできるだけたくさんリストアップしてください。」

【ペアワーク】
・お互いの職場の様子について尋ねてみてください。
・職場の活性化をはかる、高めるために工夫していることを、お互いに尋ねてください。
・相手が行っている工夫の中で、取り入れたいものはありましたか?あった場合には、自分のリストに加えてみましょう。

「休暇による回復効果」「週末の不十分なリカバリーが心血管疾患死のリスクを高める」「よく働き、よく遊べ!気晴らしのストレス軽減効果」など、研究データを用いた説明から、活性化に必要なのは、ONとOFFの切り替えによる疲労回復だということがわかりました。また、島津先生が作成されたワーク・エンゲイジメントのチェックリストで各自採点してみたりして、とても有意義な講演会でした。