ワークライフバランス市民公開講座『幸せを感じる働き方を目指して』アンケート調査結果
2013年12月16日

1.<調査の目的>
 ・市民公開講座の開催目的(働き方や人生の在り方を再考することで、
  幸福度の高い生活の実現に向けた意識・行動改革を目指す)を達成できたか
 ・参加者にワークライフバランスの意義を理解してもらえたか
 ・医療分野のワークライフバランス推進にあたって、何が必要だと考えるか
 ―以上について把握するため、調査を実施した。

2.<調査の方法>
  実施期間:平成25年(2013年)11月22日(金)
  調査対象:「ワークライフバランス市民公開講座」参加者
  調査方法:来場時に参考資料の中にアンケート調査用紙を封入配布し、
       退場時に回収箱にて直接投函
  質問内容:性別、年齢、職種、認知経路、受講満足度、
       ワークライフバランスの理解、魅力、実践度、
       医療界のワークライフバランス推進について等
       詳細はこちらを参照してください。
  配布・回答数(回答率):434名・296名(68.2%)
  結果  :こちらをご覧ください。<集計グラフ

3.<参加者アンケートより感想抜粋>
【1部基調講演について】
●感銘を受けたことば数名分ピックアップ
「運命を引き受けよう」「良い習慣は能力を超える」「愛は責任である」「3年で物事がみえてくる」「ビジネスは予測のゲーム」「自分を磨くために働く=自分が、皆が幸せになる」「きっといい日が来るだろう」
●組織のトップがワークライフバランスを経営戦略と理解し、強い意思を持って行動を起こさなければ前進しない。(30代・団体職員・男性)
●講演を聞いた人が実践に移すことで今回のイベントの狙いは完結します。社会(今回は長崎県)のインフルエンサー(世間に影響力を持つ人)が本日は多く集まっていたと信じています。そのひとりひとりが、各々の組織を変えるきっかけ作りをしてほしい。(30代・会社員・男性)
●仕事のやり方、仕事に対する価値観など佐々木先生の講演に共感できた。共感したのは自分も実践しているから。でも最近それでもうまくいかないことがあって悩んでいたが、今日の講演で勇気をいただいた。これからも続けていきます。(30代・会社員・男性)
●現在組織をあげてワークライフバランスに取り組んでいるところ。職員の意識改革をさらに進めていきたい。(60代以上・医療関係者・女性)
●佐々木常夫さんの講演を長崎で聞くことができるとは思ってもみませんでした。自分の仕事に取り入れられそうなことをやってみようと思います。(30代・会社員・女性)
●仕事の悩みがあったので、吹っ切れた。すごくいいタイミングで講演を聞くことができた。前に進めそうな気がする。(30代・医療関係者・女性)
●今日聞いたお話を「良かった」で終わるのではなく、自分の行動に落とし込むことが大事。(30代・会社員・男性)
●仕事の日々の無駄・やり方について早速考えを実践してみます。佐々木氏のお母様のお話を聞いて自分はまだ甘えているなと反省します。男女がキャリアを積んで尚且つ家庭も円満である社会になるようすべての人の意識改革が必要と思う。特に昭和世代!(20代・団体職員・女性)
●「運命を引き受ける」障害をもつ息子、病気がちの妻、忙しい仕事を持ちながら他人を羨んだり、自分たちの運命を呪ったりせず、きちんと現実と向き合い、どのようにしたら上手くいくか自分で考え行動に移すことができた所がすごい。(50代・主婦・女性)
●淡々とした佐々木氏の言葉に深い魂を感じました。もっとお話を伺いたいです。佐々木氏の実践は本当に素晴らしいと思いました。が、これを実際の医療現場に持ち込むことの難しさも同時に感じました。(50代・医療関係者・女性)

【2部シンポジウムについて】
●やはり一般企業と病院とでは、ワークライフバランスをやっていくことは違うし、難しいと思う。病院はなんといっても患者さんを第一に考えるので、自分がいくら頑張って仕事を終わらせようと計画していても、できないことばかりだと思う。上五島病院の取り組みを聞かせていただいて、すごく努力されているなと思いました。現場で働いている人の思いをよく汲みとっているなと感動した。(50代・主婦・女性)
●私自身医療関係者ですが、長時間勤務のため体調を崩して休職中です。ケアする立場なのにヘトヘトになって自分自身の栄養・生活面が乱れていく働き方に疑問を抱いていました。予防医学に力を入れ、コミュニティの活用が必要。個人的には、子供が小さい時、家族が病気の時に仕事への不安が大きい。(40代・無職・女性)
●一般企業と医療関係者(特に医師・看護師)のワークライフバランスを一緒に考えるのは難しい。「命」が関わるので、医療界のワークライフバランスの研究が必要。離島医療の現状が知れてよかった。患者の理解や協力は必要だと感じた。(30代・会社員・女性)
●私の職場も以前の上五島病院の現状と同じで、今も全く休みが取れず、病欠したらスタッフ全員の勤務が変更されるので毎日憂鬱でスタッフはいつも辞めたいと考えている。上五島病院ではスタッフの表情が明るくなったと聞いて、自分たちも意識改革をし、スタッフを増やしたら心のゆとりができ、働きやすくなると思った。院長に聞いてほしい講演だった。(50代・医療関係者・女性)

4.<アンケート回収を終えて>
 参加者アンケートを無記名形式で実施したところ、296名から回答のご協力をいただきました。多くの皆様より反響をいただき、誠にありがとうございました。  回答者の内訳は、男性90人(30.4%)、女性203人(68.6%)、無回答3人(1.0%)。職種別では会社員25.3%、医療関係者24.0%で、全体の約半数を占めました。本講座全体の内容については「大変良かった」56.8%、「良かった」36.1%で、非常に満足度の高い結果となりました。ワークライフバランスについて理解が深まったかという問いに対しては「大変深まった」32.4%、「深まった」57.4%。ワークライフバランスを重視する企業・病院等に魅力を感じるかという質問には「非常に感じる」50.3%、「感じる」44.9%。あなた自身もワークライフバランスを実践してみたいかという質問に対しては「とても思う」43.6%、「思う」48.6%。いずれも肯定的意見が9割前後に達する結果となりました。医療分野のワークライフバランスを推進するために、何が必要かという問い(13の選択肢、複数回答)に対しては、「業務の無駄削減」101人、「チーム医療の推進」100人、「医療人材の確保」97人、「経営・管理職層の意識改革」93人の順に多く挙がりました。

 働き方や人生の在り方を見つめ直し、幸福度の高い生活の実現に向けた意識・行動改革につなげていくきっかけを、多くの方と分かち合い、奮起する機会を得ることができ、大変感激いたしました。また、長時間労働で社会問題となっている医療従事者の働き方にも注目することで、医療界におけるワークライフバランス推進についても、一緒に考えることができたと思います。佐々木氏の講演は大変好評で「長崎で、無料で聴けるとは思わなかった」という感想もあり、地域貢献の手ごたえを感じております。医療機関をとりまく厳しい労働環境や、医療の質を改善するためには患者さんの協力も必要になることなど、市民の皆様に対しても一定のご理解を得ることができたと自負しております。その一方で、医療機関でのワークライフバランス実現は一筋縄ではいかないという意見も根強い風潮です。これからも引き続き活動を通じて理解を深め、社会の一人一人が改善に向け行動するように働きかけていく必要があると感じております。
 本講座の開催にあたり、ご協力いただいたすべての皆様に、センター一同心から感謝申し上げます。