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2024年度 養成医のワークとライフをきいてみよう!「ロールモデル探し」を行いました

2024.10.21

センターでは、医師のキャリア形成・継続のサポートをするために、医学生や研修医等、若い世代を対象として「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会をセンター開設当初より不定期で開催しています。

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今年で4年目になる「養成医のワークとライフを聞いてみよう!ロールモデル探し」の会は、1・3・5年生の35名を対象に、全3日程(10/5・6・19)4グループのオンラインで開催しました。女性養成医(現役&OG)11名のご協力のもと、研修医4名、将来養成医になる長崎大学医学部・佐賀大学医学部・川崎医科大学の地域枠の女子学生29名にご参加いただきました。離島での仕事と生活の様子を学生が先輩医師に直接質問して不安を解消し、離島医療の魅力・離島の楽しさを感じてもらうために、約120分間じっくりと意見交換を行いました。

開催に先立って、2024年4月1日から長崎県病院企業団の企業長に就任された八橋弘先生のご挨拶動画を拝聴しました。

↑こちらは静止画です

4グループのうちの3つに研修医の先生が参加され、ベテラン、若手・研修医の層から話を聞くことができ、質問内容も具体的なものが多くなりました。
近年、長崎県・病院企業団の制度で、研修先や派遣先に変動があるため、5年生からは、病院見学のタイミング、クリクラの選び方、研修先の決め方、マッチングの状況、将来の派遣先、診療科やサブスペシャリティ、大学医局入局についての情報収集が各グループで熱心に行われていました。また1・3年生からは、サマーワークショップで訪れた壱岐の印象について「平地が多く素敵な街で福岡が近いことが魅力的」「病院は大きく施設内容が充実して、医師とスタッフの関係性も良く、働きやすそう」「魚やごはんが美味しそう」との意見が出ていました。
川崎科大学卒長崎県枠初の女性医師は「長崎で研修医となった時、学生の頃にワークショップで知った人が多く、不安が少なかった」と述べました。
今回は夫婦ともに企業団病院で働く医師が4名おり、夫婦の場合、派遣先の配慮があるか、勤務先での収入の違いなども質問が挙がりました。

センターからは、あじさいプロジェクト活動で把握しているデータを共有して、マタニティウェア貸出事業から判明した女性医師の利用時年齢層や、長崎県病院企業団の子育て支援制度・環境整備状況、長崎県の制度変更点などを紹介しました。

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【アンケートから抜粋】
<今のお気持ちをお聞かせください>上位3つ、複数回答あり
・キャリア形成(診療科の選択や専門医取得など)の参考にしたい 21人
・共働きするには、パートナーの理解と協力が必要だと感じた   16人
・ワークとライフを両立するイメージが明確になった       16人
・不安な気持ちを相談できる部署があって安心した         9人
・様々な働き方をしながら医師を辞めずに継続できそう       8人
・男女共同参画やワークライフバランスに関心を持った       4人
・ロールモデルが見つかった                  2人

<将来考えている診療科を2つ教えてください>
・産婦人科   13人
・総合診療科  13人
・内科     10人
・小児科     8人
・救急科     4人
・外科      4人
・整形外科    4人

<学生の感想抜粋>
・私が思っていた以上に働き方の自由度が高かった。今回の会がなければ気づくことができなかったことも多かったためとても有意義な時間でした。
・研修医の先生のお話を聞いて、卒業後も先についてまだたくさん不安があると知りました。学年が上がるにつれて不安に思うことも変わってくると思いますが、そのときに相談できる先生方と交流ができて良かったと思います。
・研修医1年目の先生から義務年限終わりの先生まで様々な先生のお話を聞けて参考になりました。どうしても学生のうちは企業団や専攻のことが分からず、周りも同じように分からない先輩や同級生が多く、抱え込んでしまうことがあるので、医師と学生のメンター制度や似たような制度が学生の時からあるといいなと思いました。キャリア構想がもっと具体的に組み立てられるようになるし、不安になった時の相談相手として学生にとってとても頼りがいのある存在になると思いますので、先生方はお忙しいと思いますが、ご一考いただけると幸いです。
・リアルな声をたくさん聞くことができる楽しい回でした。学生からの質問も大切ですが、今後は先生方にも質問をしていただき、自分たちの心の内を言葉にして確かめる機会や、自分のことを話せる機会が増えるとより嬉しいです。
・自分の気になっていたことを知ることができ、今後の参考になりました。また、給料や結婚、子育ての話などB枠全体での研修では聞くことができないような内容を聞くことができ良かったです。
・大学では誰に相談したらいいのかわからなかったが、今回自分が悩んでいるキャリア形成の相談をしたところ快く答えてもらえてよかった

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<先輩医師の感想>
①グループに参加
2時間あっという間でした。低学年の皆さんは医学部に入ったばかりでまだ先のことを考えるのは難しいとは思いますが、学年を重ねるにつれて「あの時話していた内容はこういう事だったんだな」と理解が深まるはずです。一人で抱え込まずに、周りに頼ってもらえたらと思います。また、来年、お話できることを楽しみにしています。
③グループに参加
学生さんや研修医の先生が、今何を心配していたり期待しているのか、というお話が聞けて私にも良い経験でした。皆さんが積極的に具体的な質問をしてくれるので、色々な話ができました。私の時とは制度が変わっていたり病院の雰囲気も違っていたりすると思いますが、若い先生もいらしたので最近の実体験にもとづくお話をしてくださっていて、きっと今後の役に立つと思いました。こういった交流が今後も続いて、気軽な情報交換や相談ができる場になると良いと思います。
③グループに参加
普段地域枠の学生の方からは、離島勤務や初期研修、キャリアのことを聞かれる機会が多いですが、この会では毎回女性だけの場ということもあり、結婚や出産といった話題も多くなり、また小規模のためいろいろなことがざっくばらんに話しやすく良い会だと感じています。今後もどんどん有意義になる様に進化を重ねていければと思っています。
④グループに参加
センターの発表スライドで、長崎県の女性医師の現状を知り、他の女性医師の率直なお話を聞けたりして、私自身にとっても大変有意義な会でした。学生時代は、勉強、部活、バイト、文化祭などのイベントなど凄く忙しかった気がするのですが、毎回参加する学生さんが多くて感心します。ここでできた人脈は、後々の宝になると思うので、今後も是非参加してもらえたら嬉しいです。
④グループに参加
今回も大変良い時間でした。学生さんと直接自由に会話するフリートークがあると楽しそうです。

<センター長所感>
本会も4年目となり、参加される皆さんも慣れてきたようで、和やかな雰囲気を感じることができました。ワークショップや本会を通して、離島・へき地にいる先輩医師や、学生同士のご縁を大切にして、絆を深める機会にしてほしいと思います。