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2025年度 養成医のワークとライフをきいてみよう!「ロールモデル探し」を行いました

2025.10.07

センターでは、医師のキャリア形成・継続のサポートをするために、医学生や研修医等、若い世代を対象として「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会をセンター開設当初より不定期で開催しています。

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2021年度から開始した女性養成医のためのオンライン意見交換会は、今年度で最後となりました。5年間で、地域枠の学生人数と卒業生も増え、離島の各病院に複数の女性養成医の先生が勤務する状態となっており、身近に相談しやすい環境が整ってきているため、センターの介入は終了と判断をしました。
今年度も、昨年度と同様に「養成医のワークとライフを聞いてみよう!ロールモデル探し」の会は、1・3・5年生等と1年次研修医の39名を対象に、全4日程(9/27・28、10/4・5)4グループのオンラインで開催しました。女性養成医(現役&OG)8名のご協力のもと、研修医3名、将来養成医になる長崎大学医学部・佐賀大学医学部・川崎医科大学・自治医科大学の地域枠の女子学生28名の総勢31名が参加しました(欠席:研修医3名、学生5名)。
離島での仕事と生活の様子を学生が先輩医師に直接質問して不安を解消し、離島医療の魅力・離島の楽しさを感じてもらうために、約120分間じっくりと意見交換を行いました。

高学年の5年生からは、病院見学のタイミング、研修先や診療科の選び方、専攻医プログラム、将来の派遣先についての具体的な質問が多くありました。また1・3年生からは、学生時代にしておいた方が良いこと、お勧めのバイト、離島の良い点、研修医・養成医の給与面、休日の頻度や過ごし方、島外に出る頻度などの質問が挙がりました。各グループの若手医師とベテラン医師で構成された3名が、すべての質問に対して丁寧に、新しい情報や経験に基づくアドバイスをしました。

センターからは、あじさいプロジェクト活動で把握しているデータを共有して、マタニティウェア貸出事業から判明した女性医師の利用時年齢層や、長崎県病院企業団の子育て支援制度・環境整備状況、長崎県の制度変更点などを紹介しました。

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【アンケートから抜粋(回答者数28名)】
<今のお気持ちをお聞かせください>上位3つ、複数回答あり                           

・ワークとライフを両立するイメージが明確になった25人
・キャリア形成(診療科の選択や専門医取得など)の参考にしたい23人
・不安な気持ちを相談できる部署があって安心した14人
・共働きするには、パートナーの理解と協力が必要だと感じた11人
・様々な働き方をしながら医師を辞めずに継続できそう9人
・男女共同参画やワークライフバランスに関心を持った5人
・ロールモデルが見つかった3人

<将来考えている診療科を2つ教えてください>

・総合診療科11人
・内科11人
・小児科9人
・産婦人科6人
・外科6人
・整形外科5人
・救急科3人
・眼科1人
・泌尿器科1人

<学生の感想抜粋>
・女性医師の先生方から実体験に基づく貴重なお話を伺うことができ有意義な時間となった。各先生方の診療科も様々で医師年数も違ったため、いろんな角度からの意見を聞けたのが良かった。自分の価値観に合った働き方を模索することが、長く医師として続けるために大切だと改めて感じた。

・自分の悩みや気になってることについて、いろんな立場の先生方から答えてもらえる機会はなかなかないので、すごく有意義な時間だった。女性だけだからこそ、妊娠、出産に関することも聞けてとても良かった。今後もこの会での先生方とのつながりを大切にしたい。

・普段、長崎大学で行われているセミナーよりも深い話が聞けてとても参考になった。女性ならではの話も色々聞けて楽しかった。

・今まで何度かこの会に参加したが、高学年になるにつれて自分のキャリアへのイメージや悩みがより具体的になってきているなと自分の成長を感じられた。低学年の頃からこのような形で小さな疑問や悩みを気軽に聞ける場があったことによって、今ワークライフバランスについて前向きに考えられているのかなとも思う。これから結婚や出産、育児などを通して今よりも悩むことは増えると思うが、同じような立場の方が沢山いる安心感もあり、これからも小さな悩みから周りにどんどん相談していきたいと思う。

・離島で子育てをしながら働くことに対して、今まではマイナスな面が多いように感じていたが、プラスな面もたくさんあることを実感できた。子育てや給料のこと、診療科などについて実際に働く先輩医師のお話を聞いて、自分の将来像を考える機会になった。

・初めて川崎医科大学卒の先生の「生の声」が聞けたので、非常に良かった。

・今回川崎医科大学出身の先生に質問することで、私が不安に思っていたことを解決できて良かった。

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<先輩医師の感想>
①グループに参加
楽しいZoomでの本会に、私も研修医の時から参加しておりました。私自身が、南先生をはじめ先輩医師の皆さんに見守っていただいているような感覚でした。メディカル・ワークライフバランスセンターが行う事業としては今回が最後で、大変寂しく思います。
②グループに参加
自分の経験や考えを話すことで、参加した学生や研修医の不安が少しでも和らいだのなら嬉しく思います。
③グループに参加
「ロールモデル探しの会」へは、先輩医師として3回ほど参加しましたが、何か少しでも後輩の皆さんのお役に立てていたら幸いです。
④グループに参加
学生の頃から、自分が医師として働く姿を具体的に想像して、今できることをしっかりと考えているんだなと感心しました。また、地域枠以外の同級生や先輩に相談をしたときに、ギャップがあって不安に繋がっているということも分かりました。地域枠の方々同士で相談や情報交換がしやすい環境は、やはり大事なことだと実感しました。今後もこういった取り組みが続くと良いと思います。

<センター長所感>
前年度同様、参加した医師からも学生からも、和やかな雰囲気を感じることができました。5年生はこれまで複数回参加しているので、自分の成長をこの会を通じて感じることができたというご意見もありました。
長崎県女性養成医キャリアサポート事業の一環として、2021年度より「女性養成医ロールモデル探し」、2022年度より「メンター・メンティ制度導入」、2023年・2025年には「女性養成医のワークライフバランス実践術インタビュー」を企画・実施してきました。
これまでセンターとの関わりがほとんどなかった養成医の先輩の皆さんが、事業企画のご説明をすると「後輩のためになれば」と快く協力してくださいました。対象が女性のため、妊娠・出産という女性特有のライフイベントについても、気軽に相談できる、貴重な機会となりました。
学生と先輩医師との新しい出会いだけではなく、養成医同士が久しぶりにオンラインで再会し、大学の先輩に久しぶりに出会え、人と人とのつながりを作ることができたと思います。
事業を継続する中で、学生→研修医→養成医と成長して巣立っていく姿を見届けられた学年もあり、運営の大変さもありましたが、感慨深い取り組みでした。
学生の皆さんには、地域医療支援センター主催のセミナーやワークショップに参加して、病院実習や病院見学も積極的に計画を立て、離島・へき地にいる先輩医師の働き方、生活を知り、絆を深めて、将来自分が働く姿を明確にイメージできるようになってほしいと思います。
最後に、5年間多くの養成医の先生方にご協力をいただき、深く感謝いたします。