10周年アニバーサリーメッセージ
(2021(令和3)年寄稿)

元外部アドバイザー

長崎大学病院メディカル・ワークライフバランスセンター開設10周年、誠におめでとうございます。

今、日本は男女共同参画がブームとなっています。男女のワークライフバランスがなければ男女共同参画は成り立ちえません。

私が貴センターと関わりをもつことになったのは、初代センター長伊東昌子先生とそれまでにも交流があったからです。伊東先生と私は骨の研究者として長い間の仲間でした。そのような事情もあり、伊東先生から長崎大学病院での女性医師支援などワークライフバランスの推進にあたってのアドバイザーを依頼され、快諾いたしました。私は以前から、病院は女性の多い職場であり、女性職員の就業環境を整えなければ病院は存続できないと思い、ワークライフバランス推進の活動を行っておりました。

その後、長崎大学は大学病院の中では、ワークライフバランス推進の先頭に立たれ、目覚ましい活動をされています。このような運動は、トップの力が非常に重要ですが、ややもすれば現場で働く人たちが置き去りにされてしまうこともしばしばあります。その点、長崎大学は各現場にワークライフバランス推進員を置かれ、地に足のついた活動をされています。

日本全体をみれば、「男女共同参画」という言葉がひとり歩きしていますが、そのもととなる男性の育児・家事支援はまだまだの感があります。

どうかこれからも、長崎大学におかれましては、現場の視点からのワークライフバランス推進による男女共同参画の実現に向けてますますご尽力されますよう、期待しております。

【JCHO大阪病院名誉院長・岡山大学名誉教授 清野 佳紀】