新着情報・コラム

  • 私たちのWLB実践術

『ともにサポートしあい、ともにキャリアを築く』畑地 豪 先生

2016.08.24

私たちのワークライフバランス実践術 No.12
長崎大学病院 腫瘍外科(助教) 畑地 豪 先生(30代)

<同じ外科医局のパートナーと4歳・1歳のお子さん>
『ともにサポートしあい、ともにキャリアを築く』
2016年8月24日インタビュー

<略歴>
●医学部卒業
●長崎で研修終了後、第一外科(現在の腫瘍外科)入局、関連病院に勤務
●県外の関連病院に勤務しているときに、パートナーと出会い結婚、長崎で同じ医局に所属して勤務・大学院での研究
●第1子を連れて1年間海外留学(パートナーは専業主婦、第2子を出産)
●帰国後、腫瘍外科助教となる。

Q1. 現在のワークとライフのバランスは

A1. 今は、やらないといけない仕事が増えてきているので、仕事6・生活4くらいがベストだと思いながら、仕事7・生活3くらいになっています。
時間を調整して自分の仕事を終わらせて、できるだけ早く帰るように努力しています。

Q2. ロールモデルはどなたかいらっしゃいますか

A2. 特にいないですね。医局内に、医師同士で共働きはいましたが数は多くなく、自分たちと同じようなモデルはいなかった様に思います。

Q3. 論文を読む時間や勉強する時間はいつですか

A3. 週に1回、外の病院で当直をしているので、そこでの時間を使っています。

Q4. 家事・育児の時間短縮のコツやおすすめしたいことは

A4. 洗濯機のタイマー予約を上手に使って帰宅の時間に終わっているように設定しています。入浴後に、浴室に干して浴室乾燥にして朝には乾いているので、取り込みます。洗濯は現在、僕の当番なので!
大学院生~留学中は、料理もしていましたし、子供の発熱時のお迎えなども僕がしていました。

Q5. 海外留学中に学んだことは

A5. 日本にいるときは、当直に追い回されるような生活をしていたので、そうじゃない生活もあることを実感しましたね。家族との時間の取り方について、これまでとは違う世界もあるのだと感じるようになりました。

Q6. 子育てから学んだことは

A6. 幼い子どもを抱えて働くパートナーがどれくらい「すごい」か、を学びましたね。今もそうですけど、パートナーは、自分の仕事の時間を調整しながら、夕方から子供の世話をしてくれていて、子供の寝る時間までに自分が帰れない時には、ずっとみていてくれますからね。(←ここは、すごくポイントです!「子どもの世話をしてくれている」という表現からは、パートナーへの尊敬・感謝の気持ちが溢れています!)。

また、子育てするようになって、時間の使い方を考えるようになりましたね。漫然とする仕事が減ってきました。今日する仕事、明日できる仕事、締め切りのある仕事などを、うまく組み合わせて帰る時間までに終わらせるように、常に考えながら仕事をするようになりました。

Q7. お子さんの行事にはどのくらい参加されていますか

A7. できる限り参加しています。そのために、当直のスケジュールなどは前もって調整しておきます。

Q8. 得意な料理はありますか

A8. スパゲッティですね!ミートローフも、以前は作っていましたね。和食より洋食が得意です。

Q9. お子さんと遊ぶときの、得意技は

A9. 僕自身がジャングルジムとなって、子どもがよじ登ってくるので、子どもを抱えたまま動き回ります。

Q10. 夫婦だけでデートすることはありますか?

A10. これから先、そういう機会を少しずつ持てたらと思っています。まだ子どもがお泊りできないので、これからですね。

Q11. ストレス解消法は

A11. ストレスを溜め込まないように、少しずつ解消しています。最近は、子どものために買ったピアノを夜中に弾いてみたり、軟式テニスを医局の先輩としてみたり…。

Q12. パートナーが学会出張の時などは、お子さんはどうされていますか

A12. パートナーの親(他県在住)が、学会場で合流して世話をしてくれる場合や、週末で時間が取れる場合は、僕が対応する場合もあります。数日子ども2人と一緒にいると、同時に2人の世話をしているパートナーはすごいなぁと、思いますね。

Q13. 今後の人生設計は

A13. しばらくは、現状が続く予定ですね。僕は、もう少し取りたい資格があります。
パートナーは、仕事をセーブしている状況が続いているので、彼女のしたいことを叶えてあげられたらいいなぁと思っています。(←素晴らしい!)。
時間や仕事を調整するために、使えるもの・サービスを利用しながらですね。

Q14. これから仕事と子育てを両立する皆さんへ、応援のメッセージをお願いします。

A14. 「イクメン」という言葉は、本当は好きではなくて、女性が仕事をする・しないに関わらず、僕自身は、育児をするただの父親(=育児は父親の当然の役割)だと思っています。

働き方は人それぞれで、僕も数年前は当直して夜遅くまで仕事するのが医者の普通の姿だと思っていましたけど、そうじゃない世界があること、いろんな考え方があることがわかったので、自分の働き方を自分で選んでもらえればいいと思います。

医局のみんながやっているからと、同じような働き方をしなくてもいいと思います。僕とパートナーの働き方が、一つのロールモデルとして、後輩のだれかの役に立つことがあればと思います。

お子さんと畑地先生

<センターより>
畑地豪先生が、お子さんを前抱っこしている姿を今でもたまに見かけます。1人目のお子さんが小さい時は大学院生だったので時間の都合がつけやすく、「もっといろいろしていたんですよ〜!」と話されます。保育所のお迎えや乳児検診はパパの担当だったそうです。

2人目のお子さんが生まれたあと、大学病院のスタッフとなり忙しすぎて時間がないそうですが、周りから見ると、それでも十分なイクメンぶりを発揮されていて、医局の女性医師からはうらやましい!との声を耳にします。

主任教授の永安武先生からは、「パートナーを大事にしている、仕事は当然ちゃんとしているし、家のこともサラッとやっているようで、大変そうには見えない」とのことです。家事も育児も、夫婦2人でするものだという前提で、上手に調整・分担していらっしゃいます。

大学院生=学生の時に研究と生活の時間を上手に使ってお子さんとの時間を確保することは、おすすめの一つです。また相手のキャリアを尊重してくれる、調整能力のあるパートナーを見つけることは、キャリアの継続には本当に大事ですね。

パートナーである畑地登志子先生がフルタイム復帰された時のインタビュー記事(平成27年11月)もぜひご覧ください。