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『週末の大家族団欒でリフレッシュ』安達 耕成 看護師長

2016.09.02

私たちのワークライフバランス実践術 No.13
長崎大学病院 看護部 安達 耕成 師長(40代)

<大学病院の病棟看護師のパートナーと4人のお子さん(中3、小4、年長、2歳)>
『週末の大家族団欒でリフレッシュ』
2016年9月2日インタビュー

<略歴>
●長崎大学医療技術短期大学(今の医学部保健学科の前身)卒業
●長崎大学病院病棟勤務
●千葉大学病院救急部集中治療部勤務兼千葉大学看護学部科目履修生(3年間)となり学士取得
●長崎大学病院集中治療部勤務(8年間)、そのころ結婚
●外来・病棟副師長・研修センター・病棟師長となる。現在卒後22年のキャリア。

Q1. ロールモデルはどなたかいらっしゃいますか

A1. やはり前任の師長でしょう。前師長はご両親の介護と病棟管理を両立し、そういった中で私は成長させてもらいましたし、研究活動も活発にできました。今の目標モデルですね。

Q2. 現在のご夫婦の勤務形態は

A2. 自分が師長、妻は病棟勤務です。ふたりとも交代勤務で夜勤もあります。
師長は、副師長とは異なり管理職のため現場から離れているので、自分で時間の管理や調整ができます。

妻が現場で看護業務をしているため、時間の調整が難しくても、夫婦でバランスが取れて4人の子育てが継続できているのかもしれません。副師長のままでいるより、師長になって「あぁ、よかったなぁ」と思っています。

保育所・学童のお迎えも、妻より回数は多いですね。ふたりとも夜勤をしているので、妻の両親がサポーターとなって支えてくれていますが、自分ひとりではやはり無理ですね。

Q3. 現在の「ワーク」と「ライフ」のバランスは

A3. 師長になってからは、バランスが取れていますね。時間はあっという間に過ぎていきます。子どもが生まれて、また生まれて…保育所でもまた乳児クラスの親に戻って…いつまで続くのか、永遠に続くような感じがしていますね。子供は少しずつ成長していくので、楽しんでいますけど。

Q4. 論文を読む時間や勉強をする時間はいつですか

A4. 現在、日本看護協会の認定看護管理者のセカンドレベルの研修を週末に受けに行っています。レポート課題もありますので、隙間時間を見つけ論文・管理書籍で学習しています。

Q5. 育児・家事の時間短縮のコツやおすすめしたいことは

A5. 平日は生協の宅配などを利用すること、週末を楽しむことですかね。子どもには、年齢に合わせて役割を持たせることもいいと思います。

Q6. 子育てから学んだことはなんですか

A6. やっぱり、子どもは親に似てくるのだと感じています。これって、自分のDNAだな、自分の悪いところが子どもに出ているのだと、反省じゃないけど、感じますね。自分の良いところが反映してくれると、楽しいでしょうね。子どもは親の姿を映す鏡だと教えられている気がしますね。親の姿を見て育っていると、つくづく感じます。

また、4人の子どもがいますが、実際に子どもに関わっている時間は保育士さんのほうが長くて、本当の親は保育士さんではないかと思うくらい、お世話になっています。平日は、朝・夕の短い時間しか親は関わっていないですよね。

Q7. 子育ての方針はなにかありますか

A7. 「忠実」であって欲しい、親の思っていることを感じて育って欲しいですね。
それと、「優しい人」になって欲しい。弱い人を守る、人に優しく接することができるようになって欲しいですね。

Q8. 得意な料理はありますか

A8. いろいろありますし、何でも作りますけど・・・チーズリゾットを生米から作ったりしますね。

Q9. お子さんと遊ぶときの、得意技は

A9. 幼児期は体を使った運動が頭を刺激するということで、YouTubeを活用して、いろいろなバージョンの「ラジオ体操」を見せて、運動させます。子どもは大好きで「YouTubeをつけて〜」と言われます。

Q10. 保育所・学校行事への参加の割合は

A10. ほぼ参加しています。できるだけ夫婦で参加できるように、休暇の希望を出してでも調整しています。

Q11. 夫婦だけでのデートすることはありますか

A11. たま〜に、ありますね。1年前にふたりでランチに行ったかな。

Q12. ストレス解消法は

A12. おいしいものを食べることですね。家族みんなで食べにいったり、月2〜3回、週末は両親の家でみんな一緒にBBQをしたりします。おいしい食材を買ってきて食べます。親孝行の意味もあるし、誰かの誕生日会など、いろいろ理由をつけてね。

Q13. 今後の人生設計は?ワークとライフにおいて

A13. ワークでは、この先は看護管理を学んでいく、続けていくことが目標です。疾患に対してではなく、人の管理、人づくりのマネジメントですね。

ライフでは、管理職になってから筋力が低下しているので、今はまだ時間はないのですが、今後は運動量を増やしたいですね。

Q14. これから仕事と子育てを両立する育児休業取得後に復職する看護師へのサポートはなにかありますか

A14. 長崎大学病院は、PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム=看護師2人がパートナーになって協力しあう新しい看護提供体制)という看護提供方式を採用しています。
それが看護部の今のアピールポイントですけど、その方式で、育短(育児のための短時間勤務)のスタッフがペアを組んで仕事をする場合に利点がありますね。

育短のスタッフが安心して帰れます。育短を取れるときは取っていいし、子どもさんが2歳くらいで発熱が頻回な時期には早く帰ってもいいと思っています。

ただし、数年後子どもさんが小学生になる時期にはご家庭でのサポート体制も整えて、ほかのスタッフに還元してほしいと思っています。それまで早く帰してもらっていたことに感謝の気持ちを忘れずに、勤務時間の延長や夜勤など、できることを自分から声に出してほしいと思っています。

育短の人には、周りから「甘えていいよ」という働きかけをする必要がありますが、その後には「ありがとう」という気持ちを周りに還元することが大事だということを今後、伝えたいですね。

お子さんたちと一緒に

<センターより>
看護部は女性の割合がとても多い職場ですが、長崎大学病院の男性看護師の数は少しずつ増えてきており(平成28年9月現在、長崎大学病院看護部全体の約9%、86名の男性看護師が在籍・全国的に6~7%なので男性看護師が多い)、安達師長は長崎大学病院で2番目に男性看護師長になりました。

パートナーは、出産後4回とも1年間の育児休業を取得されたそうです。復職直後から夜勤も3回(回数は減免)こなし、育児のための短時間勤務制度は利用せず、ずっと病棟の看護師として勤務しておられます。

安達師長から見ても、パートナーは「レジェンド」だそうです。パートナーのご両親のサポートによって成立している共働きですが、お子さんの行事参加は欠かさないように調整して、4人のお子さんの成長を楽しみながら、仕事でのキャリアアップもしておられます。

月に2〜3回、パートナーが夜勤でいない平日の朝のお弁当づくりだけは勘弁してもらい、ご両親の協力をお願いしているそうです。それ以外は、たいていの家事・育児はできるそうです。

長崎大学病院の男性看護師の結婚率・共働き率は高いそうですから、きっとみなさん安達師長のように仕事も生活(家事・育児)も共働きで頑張っているのでしょう!