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「医学生、研修医等をサポートするための会」を開催しました

2017.10.10

医師のキャリア形成・継続のサポートをするために、医学生や研修医等、若い世代を対象として「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会を開催しました。
ワークライフバランスコンサルタントとして、長崎大学のワークスタイルイノベーション(働き方見直しプログラム)に参画されている、クラスペディア代表 吉岡和佳子氏の基調講演や、長崎大学病院でワークライフバランス推進員として活躍する女性医師にお越しいただきました。
参加者は、医学生3名、研修医1名、医師10名その他3名の合計17名でした。

 
↑タリーズコーヒー奥 職員専用ラウンジ

↑開会挨拶 メディカル・ワークライフバランスセンター センター長 伊東 昌子 先生
「病院では主に医師、長崎大学では副学長とダイバーシティ推進センター長として、教職員のみなさんの働きやすい環境づくりを目指して奮闘している。この数年でさまざまな変革があり、制度やシステムが作られ、利用を促してきた。今では自然と馴染んで、普通に、当たり前に利用できる状況になっていれば有り難い。」と挨拶しました。

↑主催者挨拶 長崎県医師会 常任理事 瀬戸 牧子 先生
「2014年に長崎県医師会で女性初の常任理事になってから、自身がどのような働きができるかを考えている。医師団体として、地域医療の現状について等公の場で発信・発言する重要性、政治に関わる必要性にも理解が深まった。」と説明しました。他にも医師会の社会的役割や活動、医師が利用できる制度等の紹介をしました。


↑基調講演 クラスペディア代表 吉岡 和佳子 氏(ワークライフバランスコンサルタント)
「これから働くうえで、大切にしたいこと」をテーマに話されました。「医学の道を志したきっかけ」「これからどんな医師になりたいか」について、ペアでワークを行いました。書き留め、声に出して自分の想いを相手に伝えることで、初心を思い出し、筋の通った、芯のある人生を歩めているのか考えさせられました。吉岡氏は、「今後、岐路に立った時、迷い悩んだ時に自分の素直な気持ちで決断すること。責任転嫁せず、自分が納得したうえでの失敗や成功は、次につながり、前に進みやすくなるはず。」とアドバイスしました。また、「ワークライフバランス」のイメージ例として、「ワーク=植物、ライフ=土として、植物と土はお互いが密接に根っこで絡まり合っている。土が豊かではないと植物は育たない。その他の要素=日光・水の栄養があって植物は大きく育つもの。ワークとライフの比率ではなく、そういう相乗効果をイメージしてほしい。仕事に熱中する時期も必要だが、医師以外の立場(地域社会・家庭)での経験、出会い等の充実が、仕事に活かされたり、人生を豊かにもする。患者さんも、人間味のある先生、コミュニケーションスキルのある先生に相談したいという本音があるはず。ワークとライフを充実させることは贅沢なことではなく、これから非常に大事なこと。」とエールを送りました。

次に、長崎大学病院内のワークライフバランス推進員5名と協力医師2名に医局の状況や自己紹介をしていただきました。
  
↑総合診療科 中道 聖子 先生      ↑医療教育開発センター 松島 加代子 先生

  
↑移植・消化器外科 崎村 千香 先生    ↑耳鼻咽喉科・頭頸部外科 木原 千春 先生
  
↑泌尿器科 医局長 木原 敏晴 先生    ↑熱研内科 泉田 真生 先生

↑原研内科 復帰医 橋本 美紀 先生
 
 
↑意見交換会
事前質問に対して、県内のワークライフバランス推進員にコメントをいただき、Q&A一覧を作成して配りました。それぞれの先生の経験談や、疑問に感じている点の相談など、複数の現役医師のアドバイスに、じっくり耳を傾けていました。また、センター制作の「両立応援HANDBOOK」を参加者に進呈しました。

<Q&A一覧 抜粋>
Q1.結婚や出産のよいタイミングがあるか
A1.どのタイミングでもなんとかなる。
A2.ある程度臨床能力に自信をもてるようになってからと考えたが、ケースバイケース。
Q2.結婚するならパートナーは医師がよいか
A1.以前は、女性医師のパートナーは男性医師がほとんどだが、今は医師以外の方と結婚しているほうが多いかもしれない。職業で決めるのではなく、仕事内容を理解してくれ、2人で協力して家庭を築いていくという意思があれば、それが一番。
Q3.研修中での出産・子育ては可能か
A1.可能。異動のタイミングやたすきがけ先(県内研修先病院)等が関連するため、事前に相談しておくと、個々への対応が可能。
A2.やってきた医師はたくさんいると思う。医療教育開発センターに相談するとよい。地元を離れて研修すると少し大変かも。ロールモデルを探して話を聞くことが一番。
Q4.医師として働くうえで、英語の重要性
A1.外国人が来る部署、英語の成書を読むことが多い部署なら、英語が苦手だと辛いかもしれません。
A2.絶対に必要。論文を読むにも、書くにも外国の患者さんを診療するにも。時間があれば、英語にふれあう機会を設けたほうがよい。

<参加者の感想抜粋>
・自分の将来に不安があったが、お話を聞いて安心できた。
・さまざまなお話が聞けて嬉しかった。時間が短く感じられた。他の医師とも話してみたかった。
・みなさんが、さまざまな両立の仕方をしていて、自分も頑張ろうと思えた。

<託児室の様子>

↑ロールモデルとして参加していた医師のお子さんが2名、お迎えを待っていました。
「子ども一人にサポーターさん一人が担当についてくださり、安心しました。」との感想をいただきました。