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2023年度 養成医のワークとライフをきいてみよう!「ロールモデル探し」を行いました

2023.10.05

センターでは、医師のキャリア形成・継続のサポートをするために、医学生や研修医等、若い世代を対象として「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会をセンター開設当初より不定期で開催しています。

2023年第1回ロールモデル探し開催時センター発表資料案内チラシ

今年で3年目になる「養成医のワークとライフを聞いてみよう!ロールモデル探し」の会は、全5日程6グループ(オンライン)で開催し、女性養成医(現役&OG)9名と、研修医1名、将来養成医になる長崎大学医学部・佐賀大学医学部・川崎医科大学の地域枠の女子学生と、自治医科大学の女子学生44名に参加いただきました。離島での仕事と生活の様子を学生が先輩医師に直接質問して不安を解消し、離島医療の魅力・離島の楽しさを感じてもらうために、昨年の90分間から今年は120分間に延長して、ゆっくりと意見交換を行いました。

6グループすべてに若手とベテランの先輩医師ペアが入り、それぞれの立場での経験を聞くことができて、とても活気がある会でした。盛り上がった話題は、離島でのストレス発散法、島外に行ける回数、自治医大生の結婚協定と離婚のこと、月収、月経困難症への対応、育休取得と義務延長のこと、ワンオペ育児を乗り切るコツなどで、具体的な話を楽しく聞くことができました。
センターからは、あじさいプロジェクト活動で把握しているデータを共有して、マタニティ白衣レンタルからわかる女性医師の妊娠時年齢、女性養成医が選択した診療科、長崎県病院企業団の子育て支援策・支援状況などを紹介しました。

センターからは、あじさいプロジェクト活動で把握しているデータを共有して、マタニティ白衣貸出事業から判明した女性医師の貸出時(妊娠)年齢、長崎県病院企業団の子育て支援制度や環境整備状況などを紹介しました。

2023年第1回ロールモデル探し開催時センター発表資料企業団子育て支援

2023年第1回ロールモデル探し開催時センター発表資料白衣貸出時年齢層

【アンケートから抜粋】
<今のお気持ちをお聞かせください>上位3つ、複数回答あり
・キャリア形成(診療科の選択や専門医取得など)の参考にしたい 32人
・共働きするには、パートナーの理解と協力が必要だと感じた   31人
・ワークとライフを両立するイメージが明確になった       30人
・様々な働き方をしながら医師を辞めずに継続できそう      23人
・不安な気持ちを相談できる部署があって安心した        15人

<将来考えている診療科を2つ教えてください>
・総合診療科  20人
・内科     15人
・小児科    14人
・産婦人科   13人
・外科     10人
・整形外科   8人
・精神科    2人

<学生の感想>
・実際に子育てしながら働いてる先生のお話を聞けて、かっこいいと思った
・実際に離島で働いている女性医師の話を聞く貴重な機会でよかった。受講前よりも、出産育児やキャリア関する心配がとても軽減されたので参考になった。
・先生方どちらも優しくて何でも聞ける雰囲気で楽しかった研修先で迷っていたが親身にアドバイスをもらい大変参考になった。
・それぞれ違う生き方をされている2人の先生の生の声を聴くことができてとても有意義な会だった。自分では思いつかなかった他の参加者の質疑応答からもいろんなことを知ることができて、座談会形式は自分にとって、とても参考になった。
女性だけの会だからこそプライベートのことにも踏み込んで話すことができ、今までより自分の将来について想像することができるようになった。参加して良かった
・私自身、まだ入学したばかりで知らないことが多いが、先生方に分かりやすく、また丁寧に質問に答えてもらい、とても良い機会となった。診療科も年数も違ういろいろな先生方の意見が聞けて興味深かった
・養成医の女性の先輩方にお話を聞けて、質問もできるこの会は毎回楽しみにしている。今回も、気になっていたことを質問できて、ほかにもキャリアやプライベートについてもお話を聞き、自分の将来についてより具体的に考えられそう
学生といえども自分やパートナーの将来に関わることを決断する必要がある時期で、これからどうなるか分からない不安があったが、養成医の先輩方が医師として充実した働き方を実践しつつ、プライベートも大事にしているお話をたくさん伺えて少し安心できた。また、普段他の学生の込み入った質問や相談を聞く機会がないため、似た境遇にある仲間が思っていることが非常に参考になった

★先輩医師のご紹介一覧-サイト用

ロールモデル探し-アンケート43名回答グラフ

<先輩医師の感想>
①グループに参加
私自身は女性医師のキャリアプランのロールモデルとしては特殊例なので、あまり参考にならないかもしれませんが、何かお役に立てられたなら嬉しいです。HPVワクチンの件、学生へ接種推奨のお話ができてよかったです。学生プロフィールを拝見すると、内科や総合医を目指してる方が多いのかなあと感じました。眼科や産婦人科等のマイナー科も人手不足ですし、必要な科なので、興味を持ってもらえるように頑張りたいと思います。
②グループに参加
各離島や各科で特色が出るので、全く違う科・違う島で色々比較できてよかったのではないかなと思います。また学生たちの志望する理由を聞けて参考になりました。後輩たちの将来設計の一助になる話ができていたのであれば幸いです。自分もワークライフバランスを考えながら今後も頑張っていきたいと思います。
③グループに参加
具体的な質問や話題が多く出て、今の学生が何に期待したり、不安に感じたりしているのか、少し分かった気がしました。研修先を悩まないといけないというのは、自分の頃とは随分違うと感じました。夏のワークショップに参加して、実際働くであろう病院を下見した後の意見交換会なので、現実味が大きい気がします。食事や休みの事など気軽な話もあり、今後の生活が想像できて意義があったと思います。メンター側の年齢が丁度良くバラけていて、今実際に島で働いている若いメンターの先生がいると、話が広がりました。
④グループに参加
産婦人科志望と明確に言ってくださる学生がいらっしゃったことが素直に嬉しかったです。将来、学生たちが医師になり離島に勤務する際に、より良い労働環境を提供できるように微力ながら貢献できたらと今回の意見交換会で強く思いました。
⑥グループに参加
話題が多岐に渡り、特に学生生活や勉強、マッチングや病院見学など私では十分答えきれないこともあったかと思います。若いメンターの先生がいてくださって大変助かりました。少しでも離島勤務を前向きに考えるきっかけになりましたら幸いです。また、本会のWebで知り合ったことをきっかけに人脈が拡がっていったらいいなと思います。今回は貴重な機会をくださりありがとうございました。

<センター長所感>
参加した学生の皆さん、そして先輩医師の皆さんにとっても、大変有意義な会になったと思います。3年間で計5回開催し、継続参加の学生から「不安がほとんどなくなった」というコメントが挙がりました。この会に参加することで、将来への不安を払拭でき、離島での仕事と生活が豊かなものになりますように、素敵な養成医を数多く輩出できるよう、センターでは支援を続けたいと思います。