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第2回「医学生、研修医等をサポートするための会」を開催しました

2021.11.30

センターでは、医師のキャリア形成・継続のサポートをするために、医学生や研修医等、若い世代を対象として「医師のワークとライフをきいてみよう!ロールモデル探し」と題し、現役で活躍されている医師と若い世代が交流できる身近な意見交換会をセンター開設当初より不定期で開催しています。

2021年度は、将来長崎県養成医として離島・へき地で勤務する義務を持つ、長崎大学医学部・佐賀大学医学部・川崎医科大学の地域枠の女子学生と、自治医科大学の女子学生、初期研修の女性医師を対象に、将来のワークライフバランスに関する不安を軽減する目的で、「養成医のワークとライフを聞いてみよう!ロールモデル探し」と題して、オンライン会を2回行いました。

第2回は、11月23日(火・祝)27日(土)28日(日)の3日程で開催しました。参加者は学生32名(参加率82%)で、先輩医師11名と長崎県医師会常任理事 瀬戸牧子先生のご協力を得ました。
今回は、学生が検討している診療科について考えることをテーマとして、「小児科」「産婦人科」「内科」「外科」「整形外科」の5診療科の先輩医師と学生をグループ分けし、各グループ90分間を目処にZoomを用いたオンライン会で意見交流しました。まず、センターより11月に行った「育児休業を取得したことがある女性医師へのWebアンケート調査」の結果報告と、参加の学生が将来勤務する可能性のある長崎県病院企業団の主な関連病院の子育てとの両立支援環境をお知らせしました。

2021年第2回ロールモデル探し開催時センター発表資料-1

2021年第2回ロールモデル探し開催時センター発表資料-2

先輩医師からは、今の診療科を選んだ理由、思い出深い出来事や症例、離島・へき地での診療科の特徴や、勤務環境、当直・拘束について、さらに、パートナーとの出会いや、離島・へき地での子育てについても話してもらいました。その後に、学生から診療科のこと、研修先選び、専門医受験のタイミング、年限明けのこと、プライベートな時間の確保、子育てとの両立について以外にも、様々な質問が挙がりました。
グループ①「小児科」
・育休期間はブランクではなく、家族と一緒に過ごせる大事な時間であり、医師としても良い経験になる
・対馬のお魚は本当に美味しい
グループ②「内科・整形外科」
・島はどの診療科の医師でも、当直時は受診する様々な症例をすべてを診る
・学生の時には「英語」の勉強をしておくと後で必ず役立つ
・「産業医」「スポーツドクター」資格取得の話
グループ③「内科」
・パートナーとの家事・育児分担の話
・総合診療医や離島でのプライマリケアの話
グループ④「外科・産婦人科」
・女性外科医として体力面について
・病棟実習では医療面接、コミュニケーションの技術を磨いて欲しい
・「ユマニチュード」ケアメソッドの紹介
グループ⑤「産婦人科」
・島の学校に赴き性教育の講演を行っている
・学会はオンライン配信が進み、遠方でも参加しやすくなった
・イノシシにぶつかって廃車になった話
・大人の女性として、避妊や計画的妊娠を考えよう

【アンケートから抜粋】
<今のお気持ちをお聞かせください>上位3つ、複数回答あり
・キャリア形成(診療科の選択や専門医取得など)の参考にしたい 30人
・様々な働き方をしながら医師を辞めずに継続できそう      19人
・ワークとライフを両立するイメージが明確になった       17人
・不安な気持ちを相談できる部署があって安心した        14人

<学生の感想>
・卒業を控えて将来の働き方や出産育児、産休や育休をどうするか、友人達とも悩むことが多い時期だったので、すごく参考になった。使える制度や支援があると知って安心した。また、産休や育休もブランクではなく、子どもと関わってとても重要な時間というお話を聞いて、将来育休をとることに対しての不安が減った。
・どのようにして専門科を決めたかや研修医のときに取っておいてよかった資格などを聞くことができて、とても有意義な時間になりました。ありがとうございました。
・実際に内科で働いておられる様々な立場の先生方に多くのお話を聞かせていただき、とても参考になりました。また、いろいろな病院で働いておられる先生方だったので、今後病院見学や実際に勤務することになった時に、知っている先生方がおられるということはとても有難いことだし安心できると思いました。

★先輩医師のご紹介一覧-サイト掲載用

ロールモデル探し-アンケート31名回答グラフ

<先輩医師の感想>
・学生さん方が、地域で働くことや進路に関して不安も期待もありつつ真剣に考えていることが伝わってきて、私も楽しく過ごせました。
・学生さんが真剣に、時には頷きながら、意見を聞いてくださって嬉しかったです。低学年にも関わらず、将来を見据えた質問をされ、非常に頼もしく感じました。
・産・育休中にも関わらず、このような機会をくださり本当にありがとうございました。休みの間、働いている同僚や世間へ申し訳ない気持ちがずっとありましたので少しでもお役に立てる機会をいただけて嬉しかったです。参加された方々に対馬の魅力を知っていただけてとても嬉しいです。
・第1回に比して、学生さんからもより深い内容のご質問をいただき充実した時間となりました。自分が学生時代に同じように考えていたことを学生さんたちも考え悩んでおり、このような機会をいただいたことで自分自身も振り返るきっかけとなりました。
・急患対応で参加が遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。まだ若輩の身ですが、これからの先生たちの参考になれば幸いです。
・学生のみなさんの考えや先生方のお話を聞くことができて、楽しい時間でした。私が1、2年生の頃は、まだ基礎の解剖や生理学等の授業しかあっていなかったと記憶しますし、何科になりたい、将来どこで働きたい等何にも考えていなかったように思います。今回1、2年生のみなさんも、漠然とでも将来のことや、働く面での不安なことを考えていることがわかりました。養成医の実際についてや、大学病院での話が出ましたので、少しでも参考になればいいなあと思いました。5、6年生のみなさんからはより具体的な質問があり、将来をきちんと見据えていることを感じました。みなさんと病院見学や研修で会えるのを楽しみにしています。

初年度となる本会に、2回とも参加した学生は73%でした。その中でも、6年生は数か月後には研修が始まるとのことで、緊張感も感じられました。医学生の今も、卒業して養成医になった将来も、いつでもセンターが仕事と生活の両立に悩んだ時の相談窓口であることを学生へお伝えしました。6年生のキャリア形成がスムーズに進むように祈っています。来年度も開催を計画しますので、先輩医師の皆さん、どうぞよろしくご協力のほど、お願い申し上げます。