
私たちのワークライフバランス実践術 No.35-②
男性の育児休業取得編(12) 上司の声
原爆後障害医療研究所/医歯薬学総合研究科 腫瘍・診断病理学(教授)
長崎大学病院 病理診断科・病理部(教授)中島 正洋先生(60代)
2026年8月17日インタビュー
Q1. 男性も育児休業が取得できることを、いつ頃からご存知でしたか。
また、長崎大学の在宅勤務制度(2019年~教員対象に開始、2022年~教職員対象に改定)については、いつ頃からご存知でしたか。
A1. 男性も育児休業を取れることは、ここ数年来知っていました。
在宅勤務制度については、以前、病理の別部署の医師が在宅勤務になった時(2023年)から知り、「(そんな働き方が)できるんだぁ」と思っていました。
Q2. 医局長で、病理専門医の先生が育児休業や在宅勤務となりましたが、科長としてどのような苦労がありましたか。
どのように業務の調整を行いましたか。
A2. 松岡先生の医局長業務を、もう一人の助手の先生に振り分ける必要がありました。
病理医としては、現場にいないことで起こり得る不都合な点を色々と想定して、誰にどのように対応してもらうかを考えました。
周りのスタッフにとっては、やはり業務が増えるわけですから、不満を感じる人もいるかもしれませんが、そこはお互い様の気持ちで理解して協力してもらうように気配りしました。
Q3. 育児休業制度や在宅勤務制度について、上司の立場としての率直な感想はいかがでしたか。
A3.「やれる!」と思いました。実際、業務は遅滞なく遂行できました。
松岡先生の在宅勤務は、現在も続いていますが、周りの理解と協力で、可能であると思っています。
Q4. 男性の育児休業取得を他の診療科にもお勧めしたいですか。
A4. 今の時代、それは当たり前だと思います。
若い医師にとっては、性別を問わず、診療科を選択する時の基準になるかもしれないと思います。
Q5. 現在長崎大学病院に勤務する男性医師の育休取得率は50%前後ですが、今後100%に近づけるには何が必要だと思いますか。
A5. やはりリソース(人的資源)があり、環境整備がされて、職場の理解があることですね。
どうしても業務が増える人がいるので、そこは職場での調整が必要ですし、当事者も職場の状況を把握して、感謝の気持ちは忘れずにいてほしいですね。
Q6. 今後、在宅勤務制度を有効活用するには、何が必要だと思いますか。
A6. こちらも、リソース(人的資源)と、職場の理解・協力も必要だと思います。
環境整備については、長崎大学病院の病理診断科には、バーチャルスライドシステムがあるので、在宅勤務が可能になっています。
長崎県内で、双方向で画像共有・診断が可能な病院は、佐世保市総合医療センターだけです。
県内いくつかの病理専門医のいる病院には、画像を送って診断を手伝ってもらうことはできますが、双方向にするには、かなり高額のスキャナーが必要なため、どこの病院でも導入できるわけではありません。
全国の他大学と比較しても、長崎大学病院は、在宅勤務に最も適している環境にあります!
どなたでも、在宅勤務の希望があれば検討できます。松岡先生が経験を生かして、しっかりサポートをしてくれると思いますよ。
<センターより>
基礎の病理教室と病院の病理部門を任されている中島教授は、松岡先生の育休&在宅勤務を優しく、寛大なお気持ちで支援されておられました。職場においては、業務を割り振りしてスムーズに進むように、お互い様の気持ちを持つことで松岡先生も周りのスタッフも、気持ち良く勤務ができるように気配りされています。
包容力のある管理職がいて、バーチャルスライドシステムを活用できる長崎大学病院 病理診断科・病理部。これから病理医を志そうとする方に、是非知ってほしい素晴らしい環境です。
●男性の育児休業取得編-(12)『育休+年休→在宅勤務、バーチャルスライドで子育てとの両立ガッチリ!』松岡 優毅先生オンラインインタビュー