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男性の育児休業取得編-(6)『第1子が生後8か月のときに3か月取得』村川 泰蔵 さん

2020.11.13

私たちのワークライフバランス実践術 No.22-①
男性の育児休業取得編(6)
長崎大学病院 事務部人事企画課(課員) 村川 泰蔵 さん(30代)

<会社員のパートナー(復職済み)と1歳10か月のお子さん>
『第1子が生後8か月のときに3か月取得』
2020年11月13日インタビュー

2019年~2020年上期までに、長崎大学病院の事務部から3名の男性職員が育児休業を取得されました。

Q1. 男性でも育児休業が取得できるということを、いつ頃からご存知でしたか。

A1. 子どもができて、生まれる前にいろいろ調べて知りました。

Q2. 育児休業取得のタイミングは。

A2. 育休は生後8か月の頃から3か月間取得しました。生まれてすぐは、育休とは別に、長崎大学の特別休暇を2日間取得しました。

本当は、どうせ取るなら生まれてすぐのタイミングで育休を取得したかったのですが、その時期は私の仕事の繁忙期と重なるため、取るとしても別の時期にという考えでした。

その後、しばらく育休中の妻の様子を見ていましたが、「取った方がいいな」という思いは日増しに強くなりました。上司の大嶽主査には、子どもが生まれる前から、どこかで育休を取得したいという意向は伝えていました。
具体的に相談したのは自分の人事異動がないことを確認してからで、取得の2・3か月前でした。

※「男性職員養育休暇(常勤教職員のみ)」:妻の産前産後休暇中に男性職員が取得できる5日間の休暇

Q3. ご家族の反応はいかがでしたか。

A3. 妻は、いざ取れるとなると、喜んでいました。妻の母は、共働きしながら子育てした経験から大変さを知っていて、心配しながらも喜んでくれました。

Q4. 周囲(他の医局員、他の診療科の医師など)から反応はありましたか

A4. 同じ課内の人たちに理解してもらえた事が、一番ありがたいことでした。当時の課長からは、好意的に声をかけてもらいました。

育休に入る前や復職後に、同僚のみならず、いろんな人から温かい声や「どうだった?」と話しかけてもらいました。女性職員の先輩方からは、参考になる経験談を聞くこともでき、ありがたかったです。

Q5. 休業前の仕事の調整は大変でしたか。

A5. 人事企画課(人事担当)の仕事は、採用から退職まで基本的な仕事の流れが同じであることが幸いでしたが、他にも普段から担当内で情報を共有していたことや早めに担当の調整を行っていたこともあって、引継ぎはしやすかったように思います。

しかし、何より上司や同僚の皆さんが協力的で、前向きに担当の変更・調整を引き受けてくれたことが一番で、本当に助かりました。
おかげで、育休に入ってからも平日のメールチェックとそのフォローはしましたが、仕事のために職場に行かなければならないようなことはありませんでした。

Q6. 休業中の家事と育児の役割・パートナーとの分担はどのようにされていましたか。

A6. ちょうど離乳食を始めた時期で、食事は妻、掃除や洗濯は私がメインでしたが、お互い相談しながらその時できる方がして、買い物は一緒に行くことがほとんどでした。

育児に関しては、特に分担していませんでしたが、夜の寝かしつけは妻でないとうまくいかなかったため、昼寝や外出したときの抱っこはできるだけ私がしました。

うちは母乳とミルクの混合授乳だったため、昼は母乳で夜中は妻を休ませるためにミルクにして、私が作るようにしていました。おかげで、私も家事や育児を一通り問題なくこなせるようになりました。

Q7. 印象に残るエピソードはありますか。

A7. 3か月間通して、子どもの普段の生活が見られたこと、どんどん変わっていく成長過程そのものが印象に残っていますね。本当に貴重な経験ができました。
今は帰りが遅く、寝ている姿を見る事が多いですが「あの時一緒に過ごせていて良かったなぁ」と思い返しています。

Q8. 育休を取得して良かったと思いますか。

A8. 子どもの成長ぶりを家族で共有できた事が、一番良かった所ですね。あとは、育休中に家事や育児を妻と一緒に一生懸命やって自分のものにできたことで、復帰してからも気軽に引き受けられる事です。

この育休中の経験のおかげで自分も楽ですし、家族にとってもとても良いことだと思います。今は、子どもの寝かしつけは、妻より上手かもしれません!

Q9. 育休を取得して感じるマイナス面はどんなことですか

A9.仕事面では、周りの同僚に負担がかかってしまうことですね。また、育休期間が長くなると、収入が減るので、そこをどう考えるかですね。
人によっては、収入面で取りたくても取れない場合があると思うので、マイナス面になるかと思います。

Q10. 育児休業取得の経験は、今後の生活・仕事面に生かされると思いますか。

A10. 自分自身が、家事や育児をできるようになったことは、今後活きてくると思います。私も育休に入る前そうでしたが、育児に慣れていないと育児そのものがストレスになります。そういう状態ではどうしても「お手伝い」の関わり方になってしまいます。

ですので、育休中に「できる」ようになっておくと、育児も含め普段の生活がスムーズになり、夫婦共にストレスが少ないので、今は妻も復職をしていますが、お互い仕事もしっかりできます。

Q11. 育児休業取得に関心のある男性に、アドバイスできることはどんなことですか。

A11. 取りたい気持ちがあれば、取った方が良いと思います。仕事の調整や準備は必要ですが、育休を取ってみないと分からないことがありますし、経験することで色々なことが変わると思います。

私自身、復帰後、時間の使い方や子どもとのコミュニケーションの取り方など、大きく変わったと感じています。育休に対する考え方も変わりました。
できるだけ早いうちに上司や同僚に相談をして、育休取得に向けて取り組めるといいと思います。

Q12. 今後、長崎大学病院の中で、男性の育児休業取得が普及し、常態化していくには、何が必要だと思いますか。

A12. 一番に、『職場の理解』が必要だと思います。組織としては、『育休までの準備や引継ぎのノウハウ』が構築されれば、取りやすくなると思います。

上司が「取っていいよ」と言ってくれる環境があると、実際に取得するかどうかに関わらず、ありがたいですし、考えるきっかけになると思います。自分が同じような立場(管理職)になったら、言えるようになりたいです。

同じ課内で育休取得中の東谷さんには、「ぜひ取って欲しい、取らんね。」と言いましたが、今後もそう言えるように、協力して働きたいですね。『取得する人が増えると、良い理解者が周りに増えてくる』と思います。

あとは、長期間休業する場合、収入面も不安材料になると思うので、国全体の制度改定にも期待したいところですが、『給付金などの制度に対する理解ももっと浸透させる必要がある』かもしれません。

  

<パートナーにお尋ねします>

Q1. 父親の育児休業取得は、いかがでしたか

A1. 良かった!1人ではできない事(おでかけやゆっくりお風呂に入る)等ができました。

Q2. パートナーの育児休業取得にあたり、何か心配なことはありましたか

A2. 特にありませんでした。

Q3. 日頃の家事や育児で苦労されていること、工夫されていることはどんなことですか

A3. たくさん栄養が取れるように、料理に数種類の野菜を入れるようにしています。
また、私が何か作業をしていても、子どもが話しかけてきたら優先して聞くようにしています。

Q4. 育児休業後のパートナーの家事や育児への関わり方には満足されていますか

A4. 満足しています。積極的に子どもと遊んだり、遅く帰ってきても一緒に寝かしつけをしてくれます。育児休業取得前より、もっと楽しんで育児をしています。

Q5. 今後、日本社会で、男性の育児休業取得者が増え、家庭への参画を進めていくためには、どのような男女の意識変革が必要だと思われますか。

A5. 『育児は男性が「手伝う」のではなく、夫婦で「協力」して行うという意識変革』が必要だと思います。

<センターより>
とても楽しく充実した3か月間の育児休業期間を過ごし、その後の生活基盤が安定して、仕事も頑張れるという、素晴らしいワークライフシナジーが生まれています。「男性の皆さんに、育休を取って欲しい」と言える、貴重な経験をされました。

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