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諫早総合病院

2013.12.10

平成25年12月10日、県央地区での現状を確認するため、諫早総合病院の君野孝二病院長、山﨑司事務局長、石丸悟志事務局次長、育休8か月で復帰された消化器内科 田渕真惟子先生、福田妙美看護局長の5名にお伺いしました。

●君野孝二病院長、山﨑司事務局長、石丸悟志事務局次長インタビュー

●消化器内科で活躍する女性医師、田渕真惟子先生インタビュー

●看護師の勤務環境について、福田妙美看護局長インタビュー

●介護の問題や、両立支援の在り方について

  

  

君野病院長をはじめ5人の方々にご同席いただき、インタビューを行いました。

  

君野孝二病院長、山﨑司事務局長、石丸悟志事務局次長に、女性医師の活躍状況や院内保育所の設置について、お話を伺いました。

  

<病院長>
常勤医師(週3日以上勤務)は全部で67人います。そのうち女性医師は17人で、25%を占めます。研修医では、14人中半数の7人が女性。研修医を含めた医師全体でみれば、およそ3割の女性医師が勤務していることになります。

<病院長>
これまでに5人の女性医師が、当病院で産休・育休を取得し、職場復帰を果たしています。中には、子ども3人を抱えながら部長職まで務めていただいた先生もいます。

<事務局長>
当初はまだ制度も整っておらず、長崎大学病院でも育休取得が難しい時期でした。そんな中当病院に話があり、おそらく県内でもかなり早いスタートだったのではないかと思います。育休後は復職することを条件にし、現在でも活躍してもらっています。

<事務局長>
そうですね。例えば、長崎大学からのママさん麻酔科医で、週3回勤務の先生が2人、週1回が1人、フリーで来ている先生が1人います。皮膚科と小児科では、各診療科の部長の計らいで、育休明けからスムーズに診療へ復帰できるよう、週1~2回勤務している医師がいます。専門医資格を取るために、週1回外来を手伝いながら勉強している医師もいます。

<病院長>
いったんキャリアを切ってしまうと、リスタートするのはなかなか難しいと思います。少しでも現場に関わりを持ち続けることで、本格的な復職に踏み出しやすくなるはずです。

<事務局長>
平成23年10月、病院職員の就業環境を良くするために保育所を設置しました。発足時の定員は10人でしたが、その後15人に増員。現在は13人のお子さんが通園しています。

運営全般についてはニチイ学館に業務委託しており、保育士4人が交代で勤務。開園は7:30で、18:00~19:00が延長保育となります。週1回は夜間も預けられるようにしていますが、現在はまだ利用者はいません。

・ひまわり保育所

  

消化器内科で活躍する女性医師、田渕真惟子先生にお話を伺いました。

  

利用しています。現在2歳半の子どもが1人いるのですが、こちらの病院で産休と育休を取らせてもらい、生後8か月の時に復帰しました。ちょうどそのタイミングで保育所ができたので、うちの子は第1期生になります(笑)。今は当直勤務を免除してもらっており、19時まで延長保育が可能なので、そこまで預かってもらっています。

はい。私が休業に入った際、男性医師に入ってもらい、その先生には現在も引き続き勤務していただいています。私の復職時は、人員的にプラスアルファの状態からのスタートでした。

最初は0.3人扱いのパートから始めて、0.5人扱いになり、その後週5日勤務の常勤扱いになりました。復職から2カ月ぐらいのスパンでした。本音ではもっと仕事をしたいのですが、出産してからは、一人の身体でもなくなりました。

私が所属する消化器内科の部長は大変理解があって、入院患者を担当する代わりに手技を重点的にやれるよう配慮してくださり、いろいろな症例を経験させていただいています。

4年目の医師として、知識も手技も登りかけの時点で産休になったので、いま必死で取り戻そうとしているところです。消化器内科は入局が多かったので、後輩も多く非常に助かっています。

実地診療という点でいくと、入院患者をあまり持てないということで人より遅れをとっていますが、今は手技的なものを磨いていきたいと思っています。ある程度子どもが大きくなったら、もう一度バリバリ働きたいですね。緊急時に対応できないという理由から、入院患者を持てないのがストレスです。

まだ大学病院の消化器内科でも、子どもを産んで働いている前例が少ないので、どうすればいいのか迷うことがあります。自分がそういうポジションで働けるようになれば、下に続く後輩たちも安心して働けるようになるのかなと思います。

周りに助けてもらってばかりです。実家や夫にも理解してもらっていて、特に両方の実家には、迷惑をかけていますね。実家が近くでないと、完全復帰は難しかったと思います。

都会の人などは核家族で、保育所や病児保育などの環境が整っていないと厳しいのではないでしょうか。欲を言えば、緊急時も預かってもらえる託児システムがあるといいなと思います。家事は夫にも手伝ってもらいながら、そこそこ…というところで許してもらっています。

自分のペースでやっていいと思っています。正直なところ、育児に関わることで、こんなに自分の時間がなくなるとは思いませんでした。早く復帰してほしいと周囲に言われることもあるかもしれませんが、それぞれのペースで、自分が戻れる時に復帰していいと思います。

1年下の後輩と一緒に頑張ろうというぐらいのスタンスで臨んでよいのではないでしょうか。産休に入る人たちには、そんな風に話しています。

  

看護師の勤務環境について、福田妙美看護局長にお尋ねしました。

  

看護師は育休を1歳まで取得して当たり前という感覚があります。早く職場復帰したいという気持ちがあっても、今しか子どもと接する機会はないということもあり、1年間の休業が通例となっていますね。

復帰後、時短勤務している看護師は7人います。このうち病棟勤務は1人だけで、あとは外来、手術室、化学療法室などに配属されています。復職の際はそれぞれの条件を聞いて、可能な勤務形態になるよう配属を決めています。

最初のころ、病棟に復帰して時短勤務をしていた看護師が、なかなか時間通りに帰ることができなかったため、外来へ異動させたケースがありました。時短勤務者も増えてきて、周りの理解も進み、徐々にやりやすくなってきたと思います。

直属の上司との面接などを通じて、キャリアアップなどについても話をするようにしています。育休中も、早い段階で希望を伝えてもらうよう働きかけています。事務手続きで病院を訪れるタイミングで、看護局にも面談に寄ってもらい、意向を聞くなどしています。

  

介護の問題や、両立支援の在り方についてご意見を伺いました。

  

<看護局長>
看護師は年に1~2人おり、数は年々増えてきています。介護休業制度を利用した人、年休が取れる範囲で休んだ人、また規定の休業期間を延長した人もいます。一方で、休みを取ることなく退職した人もいました。

<病院長>
育児と異なり、介護は、ある程度上の年齢層にも起こってくる問題ですよね。そうなると、主要なポストの人たちが関係する可能性が高まるということで、直面した際、厳しい状況になることも留意しておかなくてはなりません。

<事務局長>
休みが取れない、超勤が多いなど、問題を抱えるドクターは少なくありません。ちゃんと時間通りに帰れるようにするには、それなりの人数がいないとできないですね。
診療科が細分化し、2~3人程度の少ない科も出てきており、なかなか難しいのが現状です。

当病院は救急医療をやっていて、睡眠もよく取れないこともしばしば。本来はその辺の勤務環境が整ってこないと厳しいと思います。これから病院はどうなっていくのか、成り立たなくなってしまわないかと心配になります。事務職と違って、医療の分野は代わりが利かない面も多いですし、チーム医療に関しても、患者さんの理解を求めないといけない部分がありますよね。

<看護局長>
制度が始まる時は、利用する方も恐る恐るという感じかもしれません。実際に育児休業などを取るようになれば、また後輩が同じような状況になったとき、気持ちよく送り出せるようになるのではないでしょうか。経験者が増えてくれば、また職場の雰囲気も違ってくるのかなと思います。

<病院長>
まずは女性が女性をサポートすること、それが一番大切だと思います。女性同士で足を引っ張るようなことがあってはいけません。田渕先生もそうですが、これから後、後輩が同じようになった時に「あなたの分まで私も頑張る」と言ってサポートしてほしい。そういう温かい気持ちを大切にしてほしいと思います。

-諫早総合病院の皆様、お忙しい中インタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました。

独立行政法人地域医療機能推進機構 諫早総合病院

地域就労支援病院

「個人のライフステージに合わせて、個別に働きやすい環境を検討しています」というお話をお聞きして、職員みなさんの顔が、お互いよく見えているのだなと感心しました。コミュニケーションの取りやすい雰囲気と、フットワークの良さが印象的でした。

田渕真惟子先生は、前向きの頑張り屋さんです。「子育てをしながらでも仕事はちゃんとできるよ」と若い後輩医師に明るく話す、身近なロールモデルになっていただけると期待しています。

(メディカル・ワークライフバランスセンター)