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長崎北病院

2012.11.06

平成24年11月6日、県南地区での現状を確認するため、長崎北病院の佐藤聡院長、勝野久美子看護部長、育休1年で復帰された看護師、育休11か月で時短勤務復帰された循環器内科の先生の4名にお伺いしました。

●佐藤院長先生インタビュー

●勝野看護部長インタビュー

●産後、復帰された看護師の方のインタビュー

●短時間勤務で復帰された経験がある循環器内科の先生インタビュー

●看護部長からのコメント

  

  

どのような職場環境なのか佐藤院長にお尋ねしました。

  

長崎北病院では、特に特別な支援をしている訳ではありませんが、20年くらい前から女性医師が継続して働いていて、子育て後も復帰され常勤で勤務しているロールモデルがいるというのが大きいと思います。また周囲の男性医師達も理解があるので働きやすいだろうと思います。
院内の委員会活動や学校での講義といった地域の仕事は男性医師が引き受けてくれています。

優秀な医師に長く勤めてもらいたいと考えていますので両立しやすい環境が自然にできあがってきて、子育てを理由とした離職率は低いです。

複数主治医制というのは責任の所在がはっきりしなくなるので、自分としては賛成ではありません。主治医制でも、バックアップ体制をとれば無理のない勤務体制が可能になります。

電子カルテ内に患者サマリーをつくるなど、主治医以外が診てもすぐに状態を把握できるように工夫をしています。また、多職種で診療に臨むチーム医療を進めていて、多職種間で情報を共有しお互い意見を出し合うために、主治医毎の症例カンファランスを実施しています。

それから大切なのは地域のドクターとの連携です。今も、地域の医療機関から2人のドクターに当直に来てもらっています。診療では地域からの入院は断らないなど日ごろから地域の医療機関と連携を図っています。

<あじさいプロジェクトから>
その他、院長先生自ら医師それぞれの業務量を把握されていて、入院患者の担当をだれにするかという判断は院長先生が判断されているとのことでした。
子育て中の先生の状況によっては重症患者を持たないようにするなど配慮されていらっしゃる。特別な支援策はない、と言われますが、無理がないように働き続けられる環境がある、というのは素晴らしいことだと思いました。
女性医師の支援といいますが、女性医師としては支援してほしいのではなく、職場が出産・子育てしながら働ける環境であってほしい。それは男性医師にとっても当たり前の環境であってほしい。ところが、環境がないので支援が必要という話になるのだと思いました。

それはさておき、インタビューの続きです。

  

院内の支援体制について勝野看護部長にお聞きしました。

  

当院では院内の委員会の中の教育担当部門に子育て支援担当職員を配置しています。育休中のスタッフにニュースレターメールを送りますし、復帰1か月半後に面談調整しています。

また、当院ではワークライフバランス推進チームを結成し取り組んでいます。もともと、月曜会と称して週1回定期的に、院長、副院長、事務長、リハ長、薬剤部長、看護部長参加でミーティングをしていますが、その中でワークライフバランス推進についても話し合います。話し合いの成果のひとつとして、先日院内保育園を開設することができました。

病院スタッフの70%が20代で、送り迎えのしやすさから院内保育園のニーズは高いです。夜間シフトに対応するように、24時間保育も可能で、休日保育も実施します。

長崎北病院院内保育園「サンキッズ」

  

第一子をご出産後、復帰された看護師の方にお話をお聞きしました。

  

育休は子供が1歳になるまでとり、復帰しました。復帰するときに不安はありましたが、育休中に届いたメールで現場を思い出せてよかったです。
娘の病気の際は早退しないといけないときもあり、申し訳ない気持ちとあせる気持ちがありましたが、師長がご理解のある方で、「帰っていいよ」のひと声がとても助かりました。

二人目を妊娠しても働き続けたいと思いますし、次の出産では10か月ぐらいで復帰したいです。

  

出産後、育休を11ヶ月取得し、短時間勤務で復帰した経験のある循環器内科の先生にお話をお聞きしました。

  

副院長をはじめ女性医師で子育てしながら働き続けている方が多いので、復帰するのがふつうだったと思います。

病院独自の取り組みというのはないように思います。産休・育休を取りやすい環境があり、また保育園にあずけながら働ける環境があります。早く帰ることに気兼ねする雰囲気があると仕事もしづらいですが、ここではそういったことがありません。

子供が小さく手のかかる時期を乗り越えれば、あとは仕事でも子育てでも経験を積んで要領が掴めてくるので大丈夫。過ぎてしまえばあっという間ですよ。

  

看護部長からこんなコメントもいただきました。

  

短時間勤務中の女性の先生は実は病棟看護師には人気だったりします。時間内に仕事を終わらせるために、計画的に業務を行ってくれるし、呼び出されないように先を読んで業務をこなされています。つまり指示が早いし、明確でわかりやすい。男性医師と比べ(笑)。

社会医療法人春回会 長崎北病院

地域就労支援病院